過去問 公認心理師試験第6回 午前 一般問題 問90
みなさん、こんにちは。
公認心理師受験生Kidです。
さて、掲題の通り、問90です。
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問90
影響源の強度、影響源との近接性及び影響源の数という3要素が、個人の遂行行動に与える影響を説明する理論として、最も適切なものを1つ選べ。
① アージ理論
② 制御焦点理論
③ 社会的浸透理論
④ 社会的インパクト理論
⑤ 心理的リアクタンス理論
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正解、 ④です。
④ 社会的インパクト理論
他者の存在が、個人の遂行行動(認知・感情・生理的変化を伴う)に与える影響を定式化しようとする考え方です。
要するに、人が人に影響を与える力を定式化した理論ということですね。
Latanéは、援助行動の抑制や社会的手抜きを含む広範な現象を、この理論で説明しようとしました。
個人が受ける社会的インパクトは、影響源である他者の強度(地位や社会的勢力)、他者との直接性(時間的、空間的な接近)、他者の人数の相乗関数として定義されます(定式は以下の通り)。
Imp=f(S×I×N)
Imp:社会的影響力(Impact)
S:影響源の強度(Strength)
I:直接性(Immediacy)
N:影響源の数(Number)
f:関数(function)
また、影響源となる他者の人数だけが増加した場合、個人が受ける社会的インパクトは、複合されて大きくなります。
大勢の人の前であがってしまい、スピーチや演技ができなくなる場合がこれに該当します。
一方、影響源である他者は一人で、これを受ける個人の人数が増加すれば、社会的インパクトは分散し、小さくなります。
緊急の援助が必要な他者に対して、責任の分散が起き、援助が抑制されるのはこのためとされています(Latané&Darleyの緊急事態での介入に関するモデルと関連する。公認心理師2018追加-85で出題されている)。
上記の通り、社会的インパクト理論では、個人が受ける社会的インパクトは、影響源である他者の強度(地位や社会的勢力)、他者との直接性(時間的、空間的な接近)、他者の人数の相乗関数として定義されます。
本問の「影響源の強度、影響源との近接性及び影響源の数という3要素が、個人の遂行行動に与える影響を説明する理論」の記述と社会的インパクト理論は合致していることがわかります。
以上より、選択肢④が適切と判断できます。
引用URL:https://public-psychologist.systems/07-社会及び集団に関する心理学/公認心理師%E3%80%802023-90/
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