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海外でも道を訊かれる話

街を歩いているとよく道を訊かれる。
そして海外に行ってもなぜかよく道を訊かれる。

というより、海外の人は(場所にもよるが)フランクに知らない人同志でもよく会話をしているように思う。
人見知りの私にさえも気さくに話しかけてくれたり、親切に(いい加減な時もあるが)色々教えてくれたりする。単純に暇だったからとか、話好きとか、会話の中から次のビジネスに繋げようとか(商売上手な人は)するのかもしれない。

私は結構方向音痴なのでよく道に迷う。そもそも人とのコミュニケーションもあまり得意ではないけれど、海外旅行に行った時は勇気をふりしぼって、勉強のためにもなるべく人に話しかけるようにしている。

以前マニラの空港で迷った時は10人くらいに乗り場を尋ねたが、みんな言っていることが違った。詳しく知っていそうな空港係員や警備員に訊いても、「それはAだ」「いやBだ」「いやCだろう」「そんなの知らないね」「めんどくさいよ、あっち行け」など反応は様々だった。
確かに航空会社によって、また便によってもその都度乗り場が変わるから分からないのはしょうがない。結局空港の中を右往左往して奇跡的に見つけられたので良かったが、海外はほんといい加減で適当で、それがまた日本と違っておもしろいなと思った。

またある日、ロサンゼルスの空港行きのバスに乗っていると、後ろに乗っていた(移民風の)女性が話しかけてきた。『このバスって本当に空港に行くよね?』行き先にLAX (ロサンゼルス空港)とでかでかと表示されてはいるが、言葉が不自由なためか、バスに乗り慣れていないためか不安に思ったのだろう。私も単なる旅行者で、ロサンゼルスなんて初めて来たし、初めてこのバスに乗っているにも関わらず、そんな私にどうして訊くのかな?と思いつつ、私はホテルでもらったバスの時刻表を見せて、「終点だから大丈夫ですよ。」と伝えると、彼女は安心してくれたみたいで笑顔になった。

バスを降りる時は 「降りますボタン」なんかはもちろんなく、運転手さんに『降りたかったら言ってくれよ』と言われた。自己申告制で降りる場合、言葉が分からなかったり、慣れていないととても難しい。私はみんなが降りるタイミングを見て一緒に降りたが、空港が広すぎて降りてからも散々迷ってしまった。

そしてまた別の日、香港の2階建てバスに乗った時も、隣に乗ったおばさんに『このバスってセントラル駅に停まるよね?』と訊かれてとっさに「たぶん。」と答えたら『は??』と聞き返されてしまった。
外国人と話をする時、少しでも曖昧な受け答えをすると、途端に会話が通じなくなるという現象が起きる。分からなければ自信を持って『分からない』と言わないと通じないし、少しでも知っていたらハッタリでも『大丈夫だぜ!』と答えないといけないんだなということを思い知らされた。

またある日台湾でもまた迷ってしまい、通りかかったおばさんに平渓線への電車の乗り方を英語で訊いたら、自信満々で全部中国語で説明してくれた。詳しい内容は結局ほとんど分からなかったが、強めのジェスチャーと漢字のおかげで何とか理解できたのが驚きだった。

旅行に行く度に自分の語学力のなさとか、コミュ障な性格に嫌気がさしてしまうけれど、海外に行くとそんなことを気にしている暇なんてないくらい強い気持ちでコミュニケーションしてくれる人たちもいる。兎にも角にも伝えようとする強い気持ちがとても大切なんだなと思う。

そんな人たちと旅先でわずかでもコミュニケーションできると勇気をもらえるし、なんやかんやでアクシデントに遭ったり、道に迷っても無事日本に帰ってくると経験値が上がって、自分に自信がついてくるような気がしている。



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