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雨樋から聞こえる音

見えない音

以前大学で環境音(フィールドレコーディング)についての授業があり、それ以来『音』について興味を持った。動いて見せてくれる映像とは違った『見えない』からこそ聞き手の想像力が掻き立てられて、ラジオのような親しみやノスタルジックな感じがあって、また純粋な音を身近に感じることができて面白いと思った。

日常生活で耳を澄ましてみると至る所で色んな音が鳴っている。人それぞれ心地よい音や不快な音などがあるけれど、写真のように思い出を記録するように音を録音してみたいと思い、様々な場所で録音してきた。

モンスーンアジア

私が上京してきて一番驚いたことは東京は雨が多いということだった。私の出身の長野は東京ほど雨が降らない。東京は出かけるときには傘が必需品だということに今更ながら気が付いた。長野は梅雨時でも梅雨寒になったり、曇っているばかりで意外と雨は降らない。東京の梅雨時はよく雨が降ると思う。この恵みの雨と湿度たっぷりの夏の暑さが、モンスーンアジアなんだなとつくづく思った。

豊かさの象徴としての水

海外旅行に行くと、水がいかに貴重で大切なものか思い知ることが多い。私は旅行に行くと、まず売店で水を買う。水道水が飲めない国も沢山あるし、雨が降らない地域も沢山ある。

観光で王様の宮殿なんかに行くと、庭には噴水や泉のようなものがあって、富や豊かさの象徴としての水がふんだんに使われていたりする。

雨樋に耳を澄ましてみる

そんなことを考えながら雨の日に散歩していると、ふと家の前の雨樋が気になった。ぽちゃ、ぽちゃと、筒の中で音が反響して、まるで街全体に響いているような気がした。雨の日はあまり外に人がいなくて、街が静かになっていたので余計にそう感じたのかもしれない。

雨の日は憂鬱だと思っていたけれど、水が歌っているような、踊っているような音が聞こえてきて少し楽しい気持ちになったし、なぜだかとても癒された。








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