想像×創造 序章

【プロローグ】あなたへ
『この世界は美しい
朧げで、儚くて、幻想的で……』

この世の想像主はその世界をただただ見つめるだけで何もしない。

それと同じく彼と言う創造主も、その唖然とした世界に複雑な笑みを浮かべたまま、想像主の瞳の向こうを覗く……。

※※※※※

私は望んだ。

私と言う存在が存在しない。

私達の生きる世の理屈の根本を真っ向から否定して、私らには理解はできずとも、そちらではそちらの都合で自然と理解ができる世界を……。

そんな世界を望んだ。

そんな『禁書目録』と言う名の相応しい。

私の想像の範疇に過ぎない。現実の世界。

それは、現実でも非現実でも、はたまた私の頭の中で構成された想像を基にした夢でも創作でもない。

しかし存在はするし、現実というのも嘘ではない。

誰にも理解されない世界。誰にも分かることのない。けれども時が来たのなら、それは電撃が走るかの如く、それは理解に追いついて、それは瞬く間に『周知の事実』或いは『公然の事実』になっているのかもしれない。

『この世界は、どうにもおかしい』

そう思ったのであれば、今の貴方は、過去の貴方と未来の貴方に何か言い残す事があるのかもしれません。

未来は来ませんし過去も過ぎ去ってはいません。

みんな通り過ぎる一本の線ですが、貴方自身が、貴方という存在がそこを通り過ぎることは無いんです。

※※※※※

大分破綻していることを書いているとは思うが、それでもこれから貴方はその世界に足を踏み入れます。

それは、彼

陣之内 優多と同じ感覚でいるのかもしれません。

彼等と私は似て非なるものですから、貴方達とはやはりなにもかも違います。

住む世界が違えば、環境も、価値観も、まるで違う。

そんな禁書目録。

私の望んだ世界。

その橋渡しの気分になる事もいいのではないのでしょうか? 

では、また会う日まで――

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