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松橋萌の欧州散歩伝2024其の40

クレーフェルトの町へ行くのは難航だった。美術館が閉まるのはいささか早いように思われた。はじめにバスは行ってしまった。少しパフォーマティブに、バスのドアを開けるためにボタンを押して、クソ!みたいなことを言った男にdanke、と言った。その男は比較的綺麗なゴミ箱の中を覗いた。hbfまで戻って、お腹が空いてパンを抱えていた。この人はなんだろう?と思っていた人が、列をなしていることによって、DBの案内人であると理解できた。スマートフォンを使って、Google mapで検索して教えてくれる仕事だった。ガラスが割れてるんだけどさ、と写真を撮らせてくれる。

彼のいう通りU76を待った。パンを食べていた。電車の中でも少しパンを食べていた。前に座った女の子がハンバーガーを食べていた。眼鏡を外した。そして、ぼんやりと緑を見ていた。兄弟のように見えるカップルかもしれない人、花束を持って薄紫色のアイメイクをした女の子、電車は止まって、数名かが降りた。そして、逆走した。乗り換えた電車も一駅しか進まなかった。充電のためにカフェを探したが、鉄条網が張られた建物に行き着いた。アヤカさんが町へ行くたび古着屋を探すようになったと言っていたのを思い出して、古着屋を探した。寒かったし。町の建物に荒廃を感じるが、古着屋のあたりは新しく、買い物をするための場所としてつくられた印象だった。日本みたいに高い古着屋。安い古着屋で天使の羽がついた服を買った。閉店時間後も音楽をかけて、待ってくれた古着屋で、花のズボンを買った。

観劇する前に、それを預けてね、と言われた。最初にトイレに行くことができる。不自然な位置で充電した。ベルリンと違って、あまりコンセントがないことがある…。

エンシューリガングを連発する。みんなスッと立つ。(エントシュルディグング)チューリッヒ劇場じゃないけど、座席の一度入ったら出られないの思い出した。

観劇。言葉が多いため、たまに眠る。

miuさんが日本語を話して驚いた。古着が好きな人だと思われている。“そういうのって興味ある?”

新井さんが話してくれた。私は眼鏡をかけていない彼女の顔がわからなかった。一緒にケルンの道を歩いたのに。

話がわからない。最後の方に、“わからない。何の話してるの?”と言った。目上の人たちに対しての言葉遣いではなかったが、今まで急に帰るとかしていたのを考えると、マシな方だと思った。堪えているし。簡単な単語なのに何故か言葉の意味がとれない話だった。miuさんが一番初めに反応した。舞台裏をサービスされた。

バスに乗り、電車に乗った。行きに見た川が夜景になってきれいだった。新井さんのために皆で飲んだ。ピザを沢山食べてガーリックを沢山載せたら新井さんがうれしくなってくれた。よかった。キレピッチュを飲んだ。店が閉まったら、天井の灯りがついた。赤いベンチは銀行が置いたものらしい。worringer platzのホームレスの話を聞く。


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