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なぜ日本はスケートボードが強いのか?

堀米雄斗選手がスケートボードで金メダルを取りました。これでスケートボードのイメージが変わればいい、と彼はインタビューに答えていて、おそらく今から始める方も増えるであろうこのタイミングでカミングアウトします。実は私、少々スケボーを嗜(たしな)む者です。乗ってない期間も含めて、歴だけで言うと10年ぐらい。言いたい事は3点、なぜ日本はスケートボードが強いのか?という話、おそらく皆さんの考えるスケートボードのイメージは間違っているが正解でもあるという話、そして最後に、スケボーええで、という話になる予定です。一旦ノリで書き始めている。

※数日ダラダラ書いてたら女子もパークでもメダルラッシュ!すごい!

そもそも何故スケボーを始めたか

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これ、私のデッキ。とあるイベントに参加した際にビンゴか何かでデッキが当たりまして。ぶっちゃけインテリア用だと思うのですが、一旦ムラサキスポーツに持ち込んで一式組んでもらった11年前のinsta投稿です。ここからちょこちょこ乗り始めて、今に至ります。

なぜ日本はスケートボードが強いのか、そしてなぜスケーターのイメージは“怖い”のか

スケボーを始めて思ったこと。それは、あまりに練習する環境が少ないことです。まず基本的に「パーク」と呼ばれる練習場がほぼ近隣にありません。自分が始めた10年ぐらい前は多分大阪全体で3個ぐらいしかなかったはず…しかもどこも車無しでは行けない場所にあったような…そういった状況により、スケボーを始める時点でおおよそタイプが2種類に分かれていきます

まず、偶然にも近隣にパークがある、もしくはパークに連れて行ってくれる協力的な家族などがいるパターン。これは日本のスケーターが強い要因の一つです。堀米くんとかもそうですね。環境上、日本のスケートボードは近所でやる遊びではなく、施設で練習に取り組むスポーツなのです。それ故に「目標=大会に出る」といったスポーツ的競技者になりやすい、いわゆる「大会に強い」タイプのスケーターが多いのだと思います。一発大技決めてイエイ!ではなく、きっちりと考えられた構成+基礎スキルで高得点を出す、みたいな…海外勢「うお〜激攻めヤッバwww」に対して日本勢「サラッと高難度決めよる…!うまっ…!」みたいな感じでしょうか。

そしてもう一つが、パークがないので近所で練習するパターン。日本のスケートボードのネガティブなイメージは、大半の人間がこのパターンを選ばざるを得ないことにあると思っています。例えば、近所の公園の手すりをグラインドするなどの行為は、公共物の破壊などの観点から他人の見る目を気にしつつの練習となります。当然スケーター側もわかってはいるのですが、他に場所がないのです。その環境で続けるには、多少気合の入った人間というか、少しアウトロー目な人の割合が高めになってしまうように思います。

また別の観点で、日本の道路はほぼ100%アスファルトですが、材質的に脆いためザラザラになりやすく、それがスケートボードとかなり相性が悪いです(海外はコンクリートが大半)。少し乗るだけでガラガラうるさくスピードも出ない、振動で下半身にダメージも来ます。そのため、近所迷惑を考え少し人通りの少ない場所、コンクリート打ちっぱなしの工事現場の近くなどで深夜練習するのですが、またそれが怪しさを引き立ててしまうのです。

街で見つけたスポットでメイクする。それこそがストリートで、スケート本来の醍醐味だ、というスケートボード特有の文化的側面も当然あるのですが、一面では「パークがない」という環境面も、現在のイメージが出来上がった要因だと考えています。個人的な見解も多分に含みつつ、私は日本の状況をそんな感じで捉えています。

恐らく皆さんの考えるスケートボードのイメージは間違っている、が正解でもある、というか答えなどない

皆さんスケートボードは階段飛んだり技やったりして楽しむもの、というイメージだと思います。恥ずかしながら、私は歴10年とか言っていますが、トリック全然できませんんじゃ長年なにやってたのかというと乗ってました。主に深夜近所のコンビニ行く用です笑。要因はいくつかあって、私のデッキはインテリア用なので異常に重たくてデカイです。もちろん最初オーリーなど練習しましたが、とても技ができるような重量やサイズではなく早々に挫折しました。しかし、乗り物としてめっちゃ優秀というか気持ちいいことに気がついたのです。

地面を蹴って進み、振動を感じながら、風も感じて、景色を楽しみつつ、ゆっくりと移動する。これだけなんですが、本当に好き。この感覚を思い出すだけでスケボーにまた乗りたい、と思えるほどです。後に調べたところスケートボードには”クルーザー“というジャンルがあり、これはただただ乗り物として、移動手段としてスケートボードを楽しむというもの。この、ただ乗って移動しているだけで最高!という感覚は、やはりスケートをする喜びの一つとしてハッキリと存在していて、別に技ができなくても、スケボーは楽しい!という一つの証明です。別に好きに乗れば良いのです。

スケーターがよく”スタイル”という表現をするのですが、これは人それぞれのやり方がある、それを尊重するというスケートボードの一番良い文化を表している言葉だと思います。ZORNの「洗濯物干すのもHIPHOP」を思い出すというか…私はオーリーができませんが、インテリア用のわけわからんデッキかっ飛ばしてコンビニ行く自分のスタイルが好きです。別に好きに乗れば良いのです。スタイルは自由なのです。

最後に、スケボーはいいぞ、と、始める方へアドバイス。

最近、以前に増して良くスケボーに乗っています。子供がストライダー(ペダル無し2輪車)に乗っているのですが、歩きだと追いつけないぐらいだけど、自転車で並走するほどではない…その絶妙なスピード感にスケボーがバッチリあうので、よく2人で公園に行って、ストライダーとスケートボードで追いかけっこをして遊んでいます。ちいさい子供がいる方、おすすめです。むしろ子供より自分が公園に行きたくなる笑

最後に、自分の経験でもあるのですが、せっかく始めてみたもののオーリーができなくてやめてしまう、というパターンの方があまりにも多く、悲しいなと思っています。これから始める人に、オーリーとかよりまずはプッシュ(乗って移動する事)して、近所かっ飛ばす事をおすすめしたいです。実際、プッシュってめっちゃ奥深くて、コンビ二行って、アイスコーヒーのみながら帰ってくるだけでめっちゃ楽しいし、このスタンスはスピード出るな、この道はキレイで滑りやすい、ここは車がよく通るからブレーキ練習しよう、とか発見や学びがいっぱいです。旅行先で乗ってみるのもいいですね。知らない街をスケボーで移動するの、楽しいよなあ〜ほんといいんだよな〜そうだちょっとコンビニ行ってこようかな。もちろん、スケボーで。

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