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メガネの修理

メガネの修理と一言に言っても様々な修理内容といくつかの方法があります。
よくあるものとしてはゆるくなったフレームの再調整だったり一般消耗品である鼻パットや先セルと言う耳にかかる部分のプラスチックパーツの交換だったり、頻繁にある事に対しては対応できるようにしています。

ただ眼鏡に限らずだとは思いますけど工業製品は色々なメーカーさんが作っていて「眼鏡」と言う大枠は共通している事が多いのですが、イレギュラーというかすべてに当てはまるものじゃないパーツを使っていることもしばしばあります。
それがこのBOXタイプのバネ丁番。

昔はよくあったこの機構

昔はこの「BOXタイプバネ丁番」と言うのはよく使われていました。

多分チタン素材が固くてまだチタン合金であるβチタンとか超弾力性素材と言うのが高価であったり加工技術が確立されてなかったりした時代の構造的解決策だったと思います。

メガネの掛け心地をデザインするうえでホールド感と適度な力の逃がし考えた時に当時バネ丁番と言う機構は画期的だったんじゃないでしょうか?
眼鏡デザイナーや製造現場の意見を聞けば「そこは違う」と言われてしまうかもしれませんが、末端の小売現場ではそのような認識でいます(笑)

ちょっと話は逸れましたが、このBOXタイプのバネ丁番が出た後も他社がデザインを変えたスリムタイプを作ったり箱型になってないスライド式を作ったり切磋琢磨してきています。
時間が経ってお客様にも店舗側にもより良いものができるのは大歓迎なんですが、実際に販売されたものが使用されてパーツが劣化し、修理が必要になってきます。

今回のケースはまさに劣化したパーツが破損してそれの修理です。

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言い方おかしいかもしれませんが、目に見えて重要な部分が壊れてしまうならお客様にも納得していただきやすいんですがこのBOXバネ丁の故障の仕方は微妙なんです(笑)
写真の真ん中あたりに小さい三角みたいなパーツが転がっていますがこれが今回の故障原因です。

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中を開けるとこんな感じでバネが入っているんですが
ちょっとピンボケで見えずらいですがテンプル(腕)に真鍮のパーツがくっついていて、これが先ほどの三角パーツの相方です。

今回たまたまリペアパーツをそろえていたのでその場で新品パーツで組みなおしお客様にお返しすることが出来ましたが、上に書いたようにバネ丁番は他にも種類があります。
何年に一回くらいしか来ない修理を対応できるようにすべてのパーツを揃えて置く事はなかなか難しいので今回はラッキーでした。

このほかにもエアリストと言うフレームのテンプルピンとかクラシックフレームやレイバンメタルフレームで使われてたりする抱き込みタイプの鼻パットだったりを用意してる部分もありますが、お客様が困って来店されたときになるべく喜んでいただけるように対応できるようにしておきたいですね。


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