「銀座千疋屋 まるでクラウンメロン」のパッケージを考える
本日は本でもなく、ラジオでもなく最近気になったパッケージデザインです
それは、
セブンイレブンプライベートブランド
「銀座千疋屋 まるでクラウンメロン」
これが最近とても好きで、美味しい。
「まるで」シリーズは、様々なフルーツで展開しているのだが、食感はかじるとむにゅっとした食感のアイス、味はどの味もそれぞれ「まるで」なフルーツの味でフレッシュなのに濃厚で深い甘さなのだ。
頻繁に買ってしまうのだが、思ったことがある。
「意外と高い」
値段は321円(税込)
これはどれくらいの値段かというと「ハーゲンダッツ バニラチョコレートマカデミア」とほぼ同等の値段。(希望小売価格351円)
なのに、私は一日一本は買っている。
ハーゲンダッツは買わない。
もちろん私だけなのかもしれないが、その理由をパッケージデザインの視点から見てみようと思った。
今日の視点
「安そうに見えて高い」という戦略
以下、「まるでメロン」と記載。
まず、「まるでメロン」は安そうである。
少なくとも300円以上もするパッケージには見えない。せいぜい200円くらいだろうと思っていた。
多分、アイスって意外と値段を見て決めることって少ないんじゃないかと思っている。
べらぼうに高い商品があるわけではないし、「高いアイス」といえば、「ハーゲンダッツ」という第一想起になっているので、割とハーゲンダッツ以外のアイスであれば手を伸ばしやすいというイメージなのではないだろうか。
そこがこの商品パッケージのすごいと思ったところで、
「コンビニのプライベートブランドの安っぽさや安いイメージを利用して、実は高いアイスを気付かず買っている」
のだと思ったのだ。
どうしても「高いアイス」を作るとなんとなく高級感を出してリッチや濃厚という言葉で高そうに見せがちだが、その「高級なアイス」「ご褒美アイス」の第一想起は、「ハーゲンダッツ」が獲得しており、レッドオーシャンなのではないかと感じている。
その一方で、「まるでアイス」は高級感を感じないデザインと濃厚だのリッチ食感だのなんだの書かないことで、非常に手に取りやすくなっていると感じる。
なぜ、安そうに見えるのか?
それは、まず第一に「ゴシック体」
一般的には、高級感を表すときに使われやすいのは、
「明朝体」だったり、英語であれば「セリフ体」であったりするのだが、
ガッツリと「ゴシック体」が使われている。これが一番の安っぽさの要因だろう。これは、セブンイレブンのプライベートブランドに共通するフォントなので、ほとんどが若干「安っぽく」見えるのだが、最近はプライベートブランドといえども、中身がしっかりしていて、美味しいものが多い。
何か「パッケージが多少安っぽくても中身に力入れてるんでっせ、本物でっせ」という商品への確固たる自信を感じる。
第二に、「色」
前のパッケージデザインは、わりかし暗めだったのだが、今回は明るい。
前の暗めのデザインは、高級感を色や暗さ、右上の「Crown Melon」で補強しているが、今回のデザインはなんと言っても「銀座千疋屋」の存在感だろう。
この字面だけで、美味しいことは保証されているのだ。
この「銀座千疋屋」の文字があり、かつ、パッケージも暗いとなると「高級感」の演出が過ぎてしまうのかもしれない。あえてバランスをとった明るめの色にして、バランスをとって上品にしているのではないかと推察する。
前のパッケージをみると、アイスが前に出ていることに気づく。
でも今回はアイスはかなり小さい。そしてメロンが前面に出ている。
このことから、このアイスは、
「アイスというよりは”銀座千疋屋”のクラウンメロンを食べる感覚なんだぞ!」
という確固たる自信を感じる。
ここは個人の感覚かもしれないが、やはり暗めの高級感のあるデザインは、少しだけ手の届かなそうな高そうなイメージで手を伸ばしづらい感はある。
今のデザインは
「美味しそうだけど安そう」だから、手の伸ばしづらさがなく、毎日のようにその値段の高さに気づかずに買ってしまうのかもしれない。
最後に
セブンイレブンの「トゥンカロンアイス 黒蜜きなこ」
これもめちゃめちゃ旨いです。
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