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【LoL】チャレンジャー思考


0章 チャレンジャー思考の始まり

0-0 はじめに

 私には、あなたのランクがアイアンだろうがブロンズだろうが関係は無い。どのプレイヤーも記事を繰り返して読み、リーグ・オブ・レジェンドの本質を捉えることで、いずれチャレンジャーに到達できるだろう。

※但し、50人以上がこの記事を注意深く読んだ場合は、チャレンジャーの争奪戦が行われる。

0-1 リーグ・オブ・レジェンドと日常生活

 生まれてから死ぬまでの時間をどのように過ごすかは自由だ。ただ、人生を楽しむことは素晴らしい脳を持つ人類にとっては共通の目標である。人類の進歩に貢献するための探求でさえも、好奇心という娯楽の延長線上にあるのだ。このように、どんなに娯楽とは乖離した生き方に見えても、そこには娯楽の本質が潜在しているのを見出せるだろう。
 私たちが娯楽の一つの手段としてリーグ・オブ・レジェンドを選んだのは事実だが、あなたの人生がそれだけであるべきではないことを認識してほしい。履修登録もせずにリーグ・オブ・レジェンドに没頭する大学生や、実家が太くもないのにフリーター生活を送り、シン・ジャオの解説動画を投稿しているような人は過剰なリスクを犯している。人生は本人が満足すればそれで良いとは言えるが、リターンがリーグ・オブ・レジェンドだけというのは非常にもったいない。
 
 リーグ・オブ・レジェンドの主なプレイヤー層は10代から30代に集中している。この先ずっとプレイを続けるためにも、若いうちにできる投資をお勧めする。株式投資や暗号資産などの金融投資に限らず、将来に役立つスキルの自己投資、老後も助け合える人間関係の構築など、あらゆるものへの関心を持ち、人生を豊かにするための準備をすることが賢明だ。また、世間の多様性を広く捉えることで、リーグ・オブ・レジェンド以外の新たな娯楽を発見する機会に恵まれるかもしれない。 
 あなたがリーグ・オブ・レジェンドに多くの時間を費やし、ゲームの奥深さに迷い込むこともある。そんな時は、コーヒーを飲みながら技術書を読むことも、友人と飲みに行くことも良い。ゆっくりとチャレンジャーを目指し、たとえ達成できなくても65歳で定年を迎えた後もプレイを続け、ボケ防止に役立てばそれで十分だ。チャレンジャーはただの目標に過ぎず、最も重要なのはリーグ・オブ・レジェンドを楽しむことだ。人生を捨ててゲームに没頭するのは愚かな選択である。


0-2 自己紹介

 この記事の信憑性を高めるために、まずは簡単に自己紹介をさせていただく。私、ウィリアムズ・ミドレナはリーグ・オブ・レジェンドに関連する研究をしている者だ。研究の一環として、韓国サーバーで毎日欠かさず20戦のランクゲームに挑んでいる。そして現在ランキング1位、つまりKRチャレンジャーの頂点に立っている。興味があれば私の習慣を下記に記述したので目を通していただきたい。

ウィリアムズ・ミドレナの習慣
運動・・・1週間に5回、2時間のチョコザップ
睡眠・・・22時に就寝、6時に起床
食事・・・朝昼晩の3回、一汁三菜を厳守
娯楽・・・毎日2時間、兎田ぺこらのライブ配信を視聴
研究・・・主に毎日20戦のKRランク、思考実験
教育・・・Noteを通じて教育内容を発信
貯蓄・・・毎年に100兆万ドルの預金

0-3 当記事の内容について

 この記事を読むことで、チャレンジャーになるために必要な知識の半分を得られるため、読み終えればランクは必ず上昇するだろう。エメラルド以下のプレイヤーであれば1Tierから2Tier、ダイアモンドのプレイヤーもマスターやグランドマスターに昇格する可能性はある。
 残りの半分の知識はプレイ時間などに影響するため、文章だけではどうにもならない。しかし、それらを学習する方法は今回紹介している。

 私は、飢えている人に魚を与えるだけの偽善者ではない。根本的な解決に向けて魚の釣り方を教えるのが私のパーソナリティ、すなわち優しさである。ちなみに天才とは優しさのことだ。

 チートや代行のようなリーグ・オブ・レジェンド行動規範に反する方法は紹介しない。また、ゲーム内の難しい知識を扱うことはないため、初心者から上級者までの全てのプレイヤーを対象とした記事である。


0-4 上達するための前提条件

 この記事はあなたの主たる目的が、ランクを上げることを前提としている。何よりランクゲームはティアーという付加価値が存在する。勝利を優先し、そのために最善を尽くすのはランクプレイヤーとして最低限のマナーである。もし、勝利するよりも楽しむことを優先するならば、クイックプレイをするべきだ。

 クイックプレイの楽しみは友人とのVCや、面白いプレイを通じて得られるが、ランクゲームは勝利から楽しみを得られる。


1章 目指せチャレンジャー


1-1 チャレンジャーを目指す理由

バカとブスこそチャレンジャーに行け。

リーグ・オブ・レジェンド格言集100選  その9

 この格言は1357年のヨーロッパ中世後期にドイツ人のジャチャレンスキーが述べた言葉だ。時間が経つにつれて忘れ去られていたが、リーグ・オブ・レジェンドの日本サーバーの開設以降、徐々に注目を集めるようになった。現在では、日本鯖研究学会において重要視されている格言だ。

ジャチャレンスキー - 「自画像」1369年

 チャレンジャーに到達すれば選択肢が大きく広がり、その後の行動はプレイヤーに委ねられる。クイックプレイでレートマウンティングすることも、XのDMでチャレンジャーをちらつかせ、可愛い女の子とARAMで遊ぶことも正しい選択だ。プロプレイヤーの道へ進むのも良いだろう。東京大学への進学と同じで、ピラミッドの頂点というのはあらゆる選択が可能になる。

チャレンジャーに行く理由、そんなもん知りたきゃ自分で掴め

リーグ・オブ・レジェンド格言集100選  その44

 チャレンジャーに到達してやりたい事がなくても、ランクを上げる過程でで見つけても良いし、到達したあとに考えても良いだろう。

 ところで、賢い人やイケメンは日常生活においてバカやブスでは得られないような優越感を得ている。だからこそ、ジャチャレンスキーは社会的な評価に不利を背負ったバカとブスには特に、リーグ・オブ・レジェンドの世界を楽しんで欲しいと願ったのだ。


1-2 実力の構成要素

リーグ・オブ・レジェンドを構成する実力の3つの要素を紹介しよう。

実力の構成要素の図

実力の構成要素
Ⅰ:基礎知識・・・
簡単かつ1度知れば、ずっと使える知識。
Ⅱ:応用知識・・・長期的な練習や学習が必要な知識。
Ⅲ:頭の良さ・・・本質を捉えられる思考力と咄嗟の状況に応じた判断。

リーグ・オブ・レジェンド基礎概念

 基礎知識は勝つためのルールみたいなものだ。例えば、「チームの喧嘩は士気を低下させ、勝率を下げる」、「OTPは有利」などの簡単で今後も役立つ知識である。
 応用知識は長期的な練習や学習が必要なもので、レーン戦の知識、オブジェクトの取り方やタイミング、最適なビルドの選択など、少しずつ積み上げるものが挙げられる。ここで、ビルドは1度知ってしまえば使えるので基礎知識ではないか?という疑問を持つプレイヤーもいるだろう。だが、パッチなどによって変化するため長期的(継続的)な学習が必要になる。すなわち、ビルドは応用知識と言える。
 頭の良さはIQと言っても過言ではない。学習の効率やインゲームでの状況判断に影響する。

 今回あなたが学ぶのは「応用知識の学習方法」と「基礎知識」の2つだ。2章では応用知識の学習方法、3章では基礎知識を紹介する。この先の内容が実力に関係のない話題だと思っても、注意深く読んでいただきたい。

 厳密な話をすると、実力は紹介した3つの構成要素のほかに空間認識、反射神経、動体視力などの運動能力がある。ただし、運動神経はリーグ・オブ・レジェンドのようなMOBAにはほとんど影響を与えないため、今回は扱わない。
 もう一つ、運というのがランクに影響する。実力の構成要素とは違った特性があるので最後のほうで触れるとする。

1-3 実力の構成要素の成長加速度および上限

 分かりやすいように実力の3つの構成要素を100点満点だとすると、理論値ではどのプレイヤーも基礎知識と応用知識は100点に達することが出来るが、95点ほどが現実的な上限と言えるだろう。これらの点数はリーグ・オブ・レジェンドをプレイしたり、このような記事を読むことで徐々に上がる。点数の上がるスピードは成長加速度といい、主にプレイ環境と頭の良さに依存する。
 頭の良さはIQに依存するため、ほとんどのプレイヤーは40~60点である。不可能ではないが、大人になってからIQを上げるのは非常に難しい。

 要するに、平均的なIQを持っていれば、上達するスピードは人によって異なるが、時間を費やしたときに250点ほどの実力が保証されているのだ。

構成要素の成長加速度
Ⅰ:基礎知識・・・プレイ環境や頭の良さによって異なる
Ⅱ:応用知識・・・プレイ環境や頭の良さによって異なる
Ⅲ:頭の良さ・・・0(※例外あり)

構成要素の上限
Ⅰ:基礎知識・・・
100点
Ⅱ:応用知識・・・
100点
Ⅲ:頭の良さ・・・
100点(※IQに依存する。IQ100であれば50点。)

 韓国のプロプレイヤーであるFakerは、基礎知識99点、応用知識96点、頭の良さ84点(IQ142)で合計は279点だ。

低IQと高IQの違い
 
同等の基礎知識と応用知識を持つが、IQ80とIQ120の2人のプレイヤーがいるとする。すると、2人のプレイヤー間には、インゲーム中の状況判断の質や勝利するためのアイディアを出す頻度にギャップが生じる。そのためIQ120のプレイヤーの方が有利である。

1-4 日本サーバーのチャレンジャーになるためのスコア

 プレイ人口が少ない日本サーバーのチャレンジャーは、この記事の内容をすべて認識および理解している訳では無い。さらに上達できる見込みはあるが、最高ランクのチャレンジャーである以上はその必要は無いのだ。それ故に、現状の日本サーバーのエリート帯は最悪な状態にある。マクロを全く理解していないOTPやトキシックな外国人にまみれ、頻繁に実力差のあるマッチメインキングがされている。彼らの実力は低いがコツを知っているため、チャレンジャーに到達している。裏を返せば、日本サーバーのチャレンジャーは特別な存在ではなく、バカやブスでもコツさえ掴めば簡単に行けるのだ。 

 私が発明したスコアスカウターを用いた解析により、KRチャレンジャーには合計で275点が必要で、日本チャレンジャーは200点ほどあれば十分という事が分かった。この記事を繰り返し読むことで基礎知識の90点を取り、平均的な頭の良さの50点と、これから向上する応用知識の60点をマークすれば、あなたはチャレンジャーに到達できる。

 注意していただきたのは、ブスはともかく"かなり"のバカはチャレンジャーには到達できない。IQ70はスコア換算すると10点ほどだ。残りの190点を基礎知識と応用知識でカバーするのはほとんど不可能である。


1-5 かなりのバカ診断

かなりのバカかどうか判断するために1つ問題を用意した。正答できればチャレンジャーに到達できる脳を持っている。親に感謝をしよう。

IQ70の問題
タケシの箱とタカシの箱があります。タケシくんはタケシの箱にポロのぬいぐるみを入れました。タケシくんがその場を離れた後に、タカシ君がポロのぬいぐるみをタケシの箱からタカシの箱に移動させました。タケシくんは戻ってきた際に、どちらの箱からポロのぬいぐるみを探しますか?

 この問題を解くためには、第三者からの視点でタケシくんの気持ちを読むのがポイントだ。平均的なIQ100の人からすると簡単な問題だが、これが難しいと感じる人がいるのは事実だ。正解はタケシくんの箱である。タカシくんの箱と回答してしまった人はお手上げだ。


1-6 日本のチャレンジャーの世界

 チャレンジャーに上がればハイレベルで楽しいゲームが出来るという期待は、実態とはかけ離れた理想である。前述でも説明した通り、日本のチャレンジャーは最悪の状態にありゲームは混沌で不安定な物質だ。1人の韓国サーバーのチャレンジャーがいるだけで、ゲームはあっけなく壊れてしまう。

 日本サーバーではチャレンジャーというティアーだけに価値がある。より良いゲーム内容を求めるためにランクを上げるのはナンセンスだ。


2章 応用知識の学習方法

 ここまで読み終えたということは、リーグ・オブ・レジェンドの本質を徐々に捉えていると言える。文章は繰り返し読むことで理解を深められる。毎週月曜日にこの記事を読むことを日課にすれば、実力が劇的に向上するだろう。

2-1 課題発見力と解決力

Webエンジニアの話
 
Web開発における技術は、情報処理の中でも進歩と変化が激しく、エンジニアは日々学習に励んでいる。やっとjQueryを習得したと思えば、Reactという新しい技術がリリースされているのだ。優秀なWebエンジニアの判断する基準として、新しい技術を習得できるかどうかを評価することは珍しくはない。独学でjQueryを習得したエンジニアは、同じようにReactを習得することができるだろう。しかし、プログラミングスクールで習得した人は独学エンジニアほどjQueryに優れている訳でもなく、Reactを習得するために再度スクールに頼るかも知れない。スクールを必要としている人がいるため、そのもの自体を否定している訳では無いが、どちらのエンジニアが優秀であるかは一目瞭然である。

応用知識の学習方法の重要性
 
リーグ・オブ・レジェンドは2週間に1度のパッチが入り、1年に1度の大規模なアップデートがある。このため、Webエンジニアと同じようにプレイヤーは常に学習を継続する必要があるだろう。例えば、特定のチャンピオンのビルドを上級者から教えてもらったとする。しかし、パッチの影響でそのチャンピオンの特性やアイテムの性能が一転してしまうと、その知識は使えない。もしくは、その変更に気付かずに間違ったビルドでゲームに臨んでしまう可能性も考えられる。このような恐ろしいことを防ぐために、応用知識の学習方法を学び、本質を理解することが必要だ。要するに、ビルド知れば良いのではなく、上級者はどのような手段でビルドを知ったのか考えることや聞くことが重要である。

思考放棄と思考ロック
 
高いランクを目指しているのに実力が向上しないプレイヤーは、思考放棄と思考ロックという共通点がある。敗北した理由を他人の責任にして思考を放棄したり、ランクが上がらないのは他人の責任だと思考をロックするという愚かな選択をしている。また、ミッドレーンのサモナースペルはテレポートとフラッシュだという思考ロックは、本質を理解していないために発生してしまう。ブラッドミアやサイラスが対面の時にイグナイトという選択肢が現れ、テレポートとどちらが良いか比較するプレイヤーは上級者である。どんな状況を考えても、思考放棄と思考ロックはあなたの足かせになっているだろう。

課題発見力と解決力
 応用知識の中で最も重要な課題発見力と解決力について説明する。これらを養うことで前述の足かせを外す役目も果たす。リーグ・オブ・レジェンドのプレイ中、プレイヤーは常に課題を見つけ解決する作業を行っている。例えば、バンピック段階で最適なルーンを選択するために、インターネットで調べたプロのルーンをそのまま採用することがあるだろう。この時の課題は最適なルーンを選択することであり、解決策はインターネット検索になる。駆け出しのプレイヤーはルーンの重要性を知らないため、この課題を発見できたプレイヤーは彼らよりも優れている。しかし、この方法では最適なルーンを選択できない可能性があるため、解決策に改善の余地がある。ルーンは相手の構成などに応じて変更する必要があり、インターネットの情報を鵜呑みにするだけでは不十分だ。ボーンアーマーではなく、息継ぎが最適解の可能性がある。
 インゲームでは、状況により課題と解決策は常に変化しているため、課題の発見と解決はより複雑になる。イラオイのEを避けなければいけないという課題、ドラゴンを取るための視界確保の課題と、これらの解決方法は初心者のプレイヤーには分かるだろうか?おそらくはイラオイのスキルを知らないため、課題の発見すらできず大幅に体力を削られてしまうだろう。課題発見力と解決力は応用知識の一部である。イラオイのEは危険だが方向指定だという知識があるからこそ、Eを警戒して回避することができる訳だ。

 もし、あなたの課題が味方の運であれば「3-2 精神力とメンタルマネジメント」から読むことをお勧めする。

2-2 課題の発見力と解決力の向上

 課題発見力と解決力は考えてプレイし、リプレイを見ることで養うことが出来る。自らのプレイを振り返り、問題のあったシーンの解決策を模索することが重要だ。その解決策が正しいかどうかは問題ではなく、考えることが重要である。正しいかどうかは次のプレイで明らかになるかもしれないし、あなたが論理的に導き出した解決策が0点であることは滅多にないだろう。ただし、思考ロックになりかねないので、一度導き出した解決策を疑うことを忘れないようにしていただきたい。
 プロプレイヤーなどのソロランクをYoutubeなどで視聴するのも効果的だ。何故その行動を取ったのか考えることで、新たな課題と解決策が発見できるだろう。

 それぞれの課題には適切な解決策がある。全ての課題と解決策をこの記事で網羅することはできないが、いくつかの課題を例に挙げて解決策を紹介する。

プレイヤーが抱える課題例①:分間CS
 
安定的にゴールドを稼ぐためには、リスクが高い戦闘でキルを狙うよりもCSを取る事を重視したほうが良い。ミニオンのラストヒットを取るためには、マウスの操作技術が重要視されがちだ。しかし、操作技術が問われるのはレーニングフェーズで、それ以降はファームが出来るレーンやタイミングを図ることになる。レーニングフェーズであってもハラスするタイミングや、リコールのタイミングなどの知識を用いてCSを取るだろう。このように、実は分間CSは知識に大きく依存するのだ。もし不満があれば、どのフェーズで問題があるのかを特定すればいい。それがレーニングフェーズ中であれば、ミニオンの管理やマッチアップの理解度が原因かもしれないし、それ以降であれば向かうレーンがおかしかったのかもしれない。ミニオンを正しいタイミングで正しくクリックするという操作技術は、ゲームをプレイするうちに自然と身に付くだろう。

プレイヤーが抱える課題例②:アイテムビルド
 
アイテムビルドは基本的に自分のプレイスタイルや相手の状況に応じて構築していくものだ。状況に限らず、ほぼ確実に購入するコアビルドは存在するが、その後はプレイヤーが選択することになる。どんなアイテムを購入しても強みを活かすことができれば、それは最善の選択と言えるだろう。
 オレリオン・ソルにはマナを積むビルドと、リーライ・クリスタルセプターとライアンドリーの仮面にラッシュするビルドがある。前者はレーンに長く滞在してファームできること、後者はダメージが高くキルポテンシャルが高いことが強みである。ブラッドサースターとイモータルシールドボウではそれぞれにどのような強みがあるのだろうか?それはツールチップなどの説明を読み、考えることで理解できるだろうイモータルシールドボウにはシールドの効果があるということだけではなく、シールドがあるからバーストに強くなるということまで考えてようやく理解したと言える。アイテムに限らず、チャンピオンのスキルやルーンの効果、サモナースペルなどはパッチノートを読むことで状況に応じた判断ができるようになる。

プレイヤーが抱える課題例③:ガンクされた
 
ミッドレーンでガンクされキルを取られたことが悪かったことは分かっても、解決策が分からない場合はコーチングを依頼するのも一つの手だ。課題が発見できたとしても解決策が分からないことは良くある。自分で思考をそのままコーチに言えば、何らかの回答してくれるだろう。レーンをプッシュしているのに相手のラプターにワードを刺さなかったことが原因かもしれないし、相手のジャングルルートがわかっているのに前に出てしまったのかもしれない。
 もちろん、ビルドなども思考した上で分からない点をコーチに質問するのであれば回答を貰ったときに自分の力になるだろう。IQによってはツールチップを読んでも、ストームサージとライアンドリーの仮面のどちらを選択すべきか分からないときがある。ただ、すぐに質問せずに自分で考えて解決力を養うことを忘れずに。


2-3 コーチングに対しての見解

 最近コーチングという言葉をよく耳にするが、おそらくはThe k4sen、CRカップ、しゃるる杯などの影響が大きいのだろう。これらのイベントのコーチングは、短い期間で少しでも上達させるという趣旨で行われていた。そのためか、コーチの主導でリプレイの問題のあるシーンを指摘し、マクロを重視した指導が多かったように思える。チームメンバーの5人が同時に同じコーチングを受けられる状況でマクロを重視したことが功を奏し、チームの総力はマクドナルドのパティほど上がったように思える。実際のところ、イベントのコーチングはクライアントの実力の向上のためではなく、視聴者のためのパフォーマンスだったり、出場者を楽しませることが最大の意図だったのかもしれない。

 イベントと同じようなコーチ主導のコーチングを一般人が受けることは、ほとんど意味が無い。時間や金銭的な理由で1日8時間もコーチングが受けられない上に、クライアントの目標はイベントではなく根本的な実力の向上だからだ。 
 例えば、ミニオンをプッシュしなければいけないときにリコールしてしまったシーンをコーチが指摘するのは効果的ではない。クライアントはそれよりもゲーム中に自分が発見した課題がたくさんある。それを解決しない限りは、次のゲームでもコーチの主張は完全に無視されミニオンプッシュの課題を発見できないからだ。ただ、課題を発見するためのヒントを与えることは非常に効果的である。そのシーンのあたりを見せて何か思うことはないか確認すれば良いだろう。そこでクライアントがミニオンのことを指摘したら課題発見力が養われていると言える。
 クライアントが発見した課題というのは身の丈に合ったものである。現状で見えていない課題を提起して解決策を講じるよりかは、今の課題を解決したほうが合理的である。そして、クライアントがプッシュするべきか分からないという課題を発見したときにコーチの知識は役に立つだろう。

 コーチがこれらを理解していないことも問題である。クライアントがコーチングを受ければ上達できるという間違った思考を持っていることが大いにあるため、コーチはそれを阻止しなければいけない。しかし、コーチは自覚なしに意味のない時間を使って高いコーチング料金を払わせているように思える。このような無意識な悪が世の中で一番タチが悪い。
 コーチは指導方法を振り返り、自分は知識を披露して優越感に浸っているだけではないかと一度、自問自答してほしい。元プロプレイヤーのコーチにはクライアントがプレイしているのはソロキューであり、プロシーンのようなチームゲームではないということを忘れないでいただきたい。

 私がもし1時間や2時間のコーチングをするならば、この記事の内容を徹底的に叩き込んだあと、クライアントに自らのリプレイのどこに問題があったのかを指摘させるところから始めるだろう。どこに問題があるのか分からないのであれば、そのクライアントは間違いなくゲーム中に何も考えていないニホンザルである。どれほどコーチングしても上達には至らないため、15分で切り上げ、余った時間はぺこーらのアーカイブを視聴することになるだろう。

2章のまとめ - 応用知識の学習方法
①課題の発見と解決をすること
②ツールチップやパッチノートを読むこと
③コーチに聞くこと


3章 基礎知識

 この章では基礎知識を学ぶことで実力を身に付ける。前章とは異なり、長期的な学習は必要ない。しっかりと内容を理解すれば、すぐにランクは上がるだろう。

3-1 精神力とメンタルマネジメント

トキシックなプレイヤーの対処
 
ランクゲームで最も優先すべきものは勝利であることは0章でも説明したが、「楽しみたい」だけのプレイヤーが大勢いることも事実だ。彼らのプレイが上手くいかないと「?」や「生存中」のピンや、ネガティブなチャットという糞尿をまき散らせ、ゲームを荒らすだろう。刺激すればするほど下痢の如く悪化するので、これらは無視するのが最善である。
 プレイヤーの多くはメンタルが弱い。それはリーグ・オブ・レジェンドの複雑さの性質上、適正ランクにも関わらず自分の実力はもっと上であると錯覚しやすいからだ。このプライドこそがトキシックなプレイヤーが糞尿をまき散らす原因だ。あなたにもプライドはあるかもしれないが、現在のランクに位置している以上は適正レートであり、ただの錯覚に過ぎないことを自覚していただきたい。

感情の変化がもたらす悪影響
 
何事も人間が最適な選択が出来るのは「冷静」であることだ。「心は熱く! 頭は冷静に!」というボクシングの格言があるように、拳で殴りあうスポーツでさえも冷静さが重要である。しかし、ゲームの内容や状態によりプレイヤーの感情は常に変化する。勝っている時は「楽しい」、負けている時であれば「つまらない」というのが例だろう。だが、人間は感情を持つのでゲーム中の感情の変化は全く問題ではない。問題なのは感情でプレイが変化してしまうことや、チャットやピンで味方の士気を下げる行動を取ってしまうことだ。

無意味な他責思考
 
チャットで「お前が寄らなかったから俺は死んだんだ」、「今のはミッドを押すんじゃなくてバロン行けば良いだろ」とフィードバックするプレイヤーをしばしば目にするが、ソロランクでこのような主張は全くの無意味である。次のゲームではそのプレイヤーとは味方にならない上、このよつなマクロは応用知識の領域で長期的な学習が必要だからだ。指摘したとしても、すぐに理解して行動に移すことは不可能である。
 ソロランクにおいて、どちらのプレイヤーのマクロが正しいかは問題ではない。自身が状況に合わせてプレイするのがセオリーであり、勝利したければ味方のモチベーションを下げることよりも黙ってプレイすべきだ。味方が寄らなかったら死ぬのであれば、そもそもエンゲージしない選択を取ったり、戦闘中に味方の状況を見て下がることで対処できるだろう。味方が寄れるかどうかを見極めるためにレーン状況もあらかじめ把握しておくのも大切だ。全ての責任は自分にある。そして、忘れてはいけないのは、あなたのプレイ内容だけではなく、振る舞いも勝敗に影響するということだ。

 一見、自分ではどうしようもないことだと思っても、ほとんどの場合はリプレイを見ると対処方法が分かる。低レート帯にいるのであれば、よりゲームで感じた状況とは異なっていることが多いだろう。つまりは、少しでも自分に非があるという視点を持つことが重要である。同じランク帯のプレイヤーに責任を押し付けているようでは、いつまで経ってもランクは上がらない。

メンタルマネジメント
 
トキシックな行動をしないためにメンタルマネジメントをする方法は1つ。意識することだ。カッとなってトキシックなピンや発言をしてしまうプレイヤーはいるが、黙ってプレイするという事を意識すれば踏ん張りが効くだろう。それが出来なければ、ただの野生のニホンザルと同等の知能である。
 人気ストリーマーがランクをプレイして怒るときはある。しかし、配信上では文句を言ってても、味方に当たることはないだろう。人気があるのは面白いや上手い以前に、そこら辺のサルよりもずっと人間が出来ている。

 感情でプレイが変化してしまうことは仕方がない。劣勢だとパフォーマンスが下がってしまうのは、プロが緊張して実力を発揮できないのと同じ状態だ。これはプレイの経験を何百回も何千回も積むことにより徐々に解決するだろう。よって「感情でプレイを変化させない」というのは応用知識の一部であり、今回学ぶ内容とは異なるため無視して構わない。

メンタルヘルスマネジメント
 
味方のメンタルをマネジメントする必要は無く、黙ってプレイすることを心掛けていれば良い。強いて言えば、自分がミスプレイしたときに「マイバッド」と発言したり、サモナースペル管理を行うことでチームのモチベーションが上がり、十分にメンタルヘルスマネジメントは出来ていると言える。
 ただし、ミスプレイに対して「ドンマイ」と言われて、煽られていると思ってしまうプレイヤーも存在することや、既にトキシックなプレイヤーに対して何を言っても下痢の如く悪化するだけというのはご注意いただきたい。

3-2 有意義なピン

ピンの重要性
 
ランクゲームではVCが無いためにピンは重要である。まずは、下位レートと上位レートのピンの回数の違いを見て欲しい。

アイアン帯のジャングルにおけるピン回数(1分あたり)
On my way(今から行く) - 約0.4回
Enemy missing(敵がいなくなった) - 約 0.1回
Assist me(助けて) - 約0.1回
合計: 約0.6回

エリート帯のジャングルにおけるピン回数(1分あたり)
On my way(今から行く) - 約0.8回
Enemy missing(敵がいなくなった) - 約0.25回
Assist me(助けて) - 約0.2回
合計: 約1.25回

League of Graphsよりアイアンのピン統計マスター以上のピン統計

 上記は良く使われている3つのピンを記述した。ウェブサイトには「1分あたりの回数」としか記載がなく、どの単位(プレイヤーあたり、チームあたり、ゲームあたり)か不明だが、今回はアイアンとエリート帯の相対の回数に注目するため問題ではない。見てわかる通り、これらのレート帯ではピンの回数が2倍ほどの差がある。さらには他のランク帯も確認すると、高いランクほどピンの回数が増えていることが分かる。

 ここで簡単な思考実験をしよう。適正がブロンズのプレイヤーがダイアモンドのアカウントを購入してランクに行ったとする。そのプレイヤーが勝つために本気でプレイした場合、打つピンの回数はブロンズでプレイするときに比べて増えるのだろうか?回答はピンが増える理由は特に見つからないため、Noになるはずだ 。
 この思考実験でレートが上がるからピンをするのではなく、ピンをするからレートが上がるということが分かるだろう。ピンが重要であることは明らかだ。

ピンの種類
 ピンには有意義なピン、無意味なピン、トキシックなピンが存在する。勝率を上げるためには有意義なピンを打つ必要がある。

【 有意義なピンの具体例① 】
 ミッドレーンをプレイしていて対面がボットサイドに消えたときに、ボットまたはジャングル付近に3回のバックピンと「カタリナ生存中」を出すことが有意義なピンといえる。ミアピンを3回するだけではほとんど意味がなく、ガンクの確信が無くても3回のバックピンを鳴らすことが重要である。  
 「どこに消えたか分からない」という課題を発見したら、解決策を考えて課題解決力を養おう。1つの答えとしてはレーンワードを置く事である。

【 有意義なピンの具体例② 】
 全てのロールと時間帯における具体例だ。ジャングル内で小規模な戦闘が起きて、自分が寄れば勝てそうな時に3回のオンマイウェイピンを出すことは有意義だ。味方が安心して戦闘を維持できるだろう。逆に負けそうな時や寄れない時は3回のバックピンを鳴らせば良い。

補足
 
上記の具体例で気付いた方もいるかも知れないが、1つの事柄に対してピンは3回鳴らせば良い。1回だけだと気づかない時もある。

まとめ
 自身の指示や意思を明確に伝えることが有意義なピンだ。そのピンが正しいかは問題ではない。
バロンにオンマイウェイピンをした後に味方が全滅してバロンを取られてしまったのならば、次のゲームからはバックピンを打てば良いのだ。

3-3 メインロールによる有利と不利

有利と不利
 
有利と不利とは適正ランクにいるプレイヤーのランクの上げやすさ、すなわちそれ以上にランクを上げるために必要な技量の差だ。必要な技量が少ないほど有利という訳だ。必要な技能は「ロールの影響力」と「ロールの人気度」の2つの視点から決定される。

ロールの影響力によって生じる有利と不利
 
ロールによる影響力はリーグ・オブ・レジェンドのコミュニティで頻繁に議論されていて、ジャングルが最も影響力があり、ボットが最もないということは共通の認識だ 

ロールの影響力
ジャングル>ミッド>サポート>トップ>ボット

 影響力はもちろん有利不利に関係する。試合の勝敗を決定する行動は、ボットよりもジャングルの方がしやすいからだ。

ロールの影響力の補足説明
 
ボットやトップは影響力は低いため、自分の力でレートを上げるという観点からは不利を背負っている。しかし、影響力が少ないために実力が劣っていても連勝する可能性があり、さらにレートを維持しやすい。同じランク帯のボットでも大きな実力差がある可能性が高いだろう。影響力のあるジャングルは自分の実力が反映しやすく、このようなことは滅多に起きない。
 要するに「影響力の低いボットはレートを上げるのは大変だから、上のランクのボットのプレイヤーは実力が高い」という勘違いをしないでいただきたい。本当に実力が高い場合もあるし、多少の運で連勝してレートを維持している可能性もある。本当はもっと高い実力だが低いランクにいることも大いにあり得る。
 ボットとトップのプレイヤーを評価するのは非常に難しい。私のプロチームのウィリムズ・ゲーミングでまず問うのは、ソロランクでのチャンピオンプールである。さらにボットには分間CSとゴールドのダメージ効率、トップにはプレイスタイルがチームに合致するかを求める。直近のゲームの20戦ほどで活躍しているかどうかも重要な判断基準だ。

ロールの人気度によって生じる有利と不利
 
コミュニティ内での議論や実際のランクゲームのプレイに基づいて、メインロールの人気度をを推測した。

ロールの人気度
ミッド>トップ>ジャングル>ボット>サポート

 ミッドが著しく人気で、サポートは著しく不人気だ。ジャングルとボットは同じくらいだが、ジャングルの方がわずかに人気度は高い。「ロールの人気度」と「バンピック画面でのメインロール獲得率」の間には因果関係がある。人気なロールほど獲得しにくいと言った具合だ。メインロールの獲得率は、私がランクゲームで体験したデータではミッドが平均して6割~7割程度、サポートはほぼ確実に獲得出来る。

 メインロールがサポートのプレイヤーは、ほぼ確実にサポートがプレイ出来て、対面のプレイヤーはサブロールやオートフィルであることが多い。一方でメインロールがミッドのプレイヤーは頻繁にサブロールやオートフィルをプレイさせられ、その対面のプレイヤーはメインロールである。
 上記のことから人気度が低いほど有利であると言えよう。

 ミッドのプレイヤーがレートを上げるためには、他のミッドレーナーよりも上手くなる、かつ他のロールも対面のメインロールよりも上手くなる必要がある。

 サポートがレートを上げるためには、他のサポートよりも上手くなる必要はなく、対面のサブロールやオートフィルのサポートよりも上手くなれば良い。

有利なロール
 
ロールの影響力と人気度の2つの視点から有利なロールはジャングルとサポートと言える。ジャングルはあまり人気なく、影響力は最も高い。サポートは最も人気がなく、影響力はそこそこである。
 エメラルド帯のミッドで苦戦していても、ジャングルやサポートに転向したらダイアモンドになれたという報告も珍しくはない。私の師匠であるエンゼル・サポッセン教授は、ミッドからサポートに転向して以降に急激に実力を上げ、つい先日チャレンジャーに到達した。知能の低い彼がこの偉業を成し遂げられたのは、有利なロールをプレイしたからだ。


3-4 リーグ・オブ・必然的バタフライエフェクト

バタフライエフェクト
 
バタフライエフェクトという言葉をご存知だろうか?わずかな事象でも、その後の状態はそのわずかな事象が発生しなかった場合と大きな差が生まれることを指す。例えばバタフライエフェクトの語源となった「ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすか?」が挙げられる。日本では「風が吹けば桶屋が儲かる」が類似する表現だ。
 実際にトルネードが起こる可能性はあるが、その確率は非常に低い。だがリーグ・オブ・レジェンドの最初のデッドは、確実に勝敗を左右させるだろう。この事象は、研究コミュニティではリーグ・オブ・必然的バタフライエフェクトと呼ばれている。

物理的なアプローチ
 
序盤でソロキルされに300Gを渡し、経験値とCSを逃したとする。ゴールド換算で500Gほどの差が生まれ、その後のジャングル内の戦闘で負けた場合は、さらに1500G、3000Gと指数関数的に差が広がるだろう。ソロキルされなかった場合はジャングル内の戦闘で勝利でき、逆に有利になっていたかもしれない。デッドしてレーンに戻っている時に相手にロームされ、他のレーンでキルを取られる可能性があるということも忘れてはいけない。
 このように序盤の1デッドはゲームの勝敗を決定するほど重いが、それを理解していないプレイヤーが大半だ。終盤のバロンファイト前でキャッチされた時は、自分がデッドしたことでバロンが取られたことが直感で理解できるが、序盤の1デッドは少し脳を使わなければ気づけないからである。プレイヤーの多くは考えておらず、本質を理解していないのだ。

コラム - バフとナーフの軽視
 
パッチごとに弱いチャンピオンはバフされる。よくあるバフとしてはQを最初に最大にするチャンピオンでQのダメージを序盤だけ増やし、最大化したときは前と同じダメージになるという内容だ。レベル9の時点でダメージが同じになるため、レベル9までしかバフを受けていないと軽視するプレイヤーが一定数存在するが、バタフライエフェクトを考慮するとかなりのバフということがある。ナーフも同じだ。

精神的なアプローチ
 
これも序盤でソロキルされた時の話をする。その1デッドの瞬間、味方の4人は何も影響は無いと認識しているならば間違いだ。デッドのログが流れることで精神的なダメージを負うプレイヤーも存在する。そのダメージから士気が下がったり、集中力が途切れソロキルされてしまう味方もいるだろう。序盤のたわいもないデッドで試合の勝敗が決定しまう可能性があるということだ。逆にソロキルをした場合はその後良いゲーム展開になりやすい。

まとめ
 
最初のデッドに限らずドラゴンやタワーの獲得など、序盤になるほどゲーム展開に影響を与えやすい。もちろん、終盤の1デッドも重いが序盤のデッドも同等に重いということを認識して欲しい。


3-5 ロールの交換要求

 バンピックで「Can i mid?」などとロール交換を要求するプレイヤーが存在するが、ほとんどの場合はそのプレイヤーのチームの勝率は下がる。その理由は次の2つの前提条件の上で説明しよう。

【 前提条件 】
①要求するプレイヤーは、そのロールしか出来ない可能性が高い。
②全てのロールが出来るプレイヤーは圧倒的に少ない。

 ①の理由は平均的な知能があれば、相手に迷惑を掛けることは理解できるため、他のロールが出来る場合はわざわざ要求しないからだ。②については容易に想像できるだろう。
 「出来ない」というのはそのレート帯でのパフォーマンスを安定して発揮できないことを指している。ジャングルを割り当てられたMidKing(ミッドキング)というプレイヤーが、GoodMageJP(グッドメイジジェピィ)というプレイヤーに対して「Can i mid?」と交換要求したとする。それを容認した場合と拒否した場合の2つのパターンで何が起きるかを説明する。

パターン①:容認した場合
 
MidKingがミッド、GoodMageJPがジャングルをプレイすることになる。スマーフではない限りMidKingは平均的なプレイをするため、この時点では問題はない。しかし、GoodMageJPがジャングルが不得意だった場合は途端にゲームが成立しなくなる。天文学的に膨大なジャングルギャップにより敗北するだろう。
 注目すべき点はGoodMageJPがプレイするロールはジャングルではなく、トップ、ボット、サポートだった可能性もあるということだ。
 すなわち、GoodMageJPが全てのロールが出来ない限り、実力差のあるゲームになってしまう可能性がある。さらにMidKingがミッドで負けようものならGoodMageJPの精神はズタボロなり、たとえジャングルが得意だとしても勝ちにくいゲームになってしまう。

パターン②:拒否した場合
 MidKingがジャングル、GoodMageJPがミッドをプレイすることになるが、この時点で既に交換拒否されたMidKingは少し精神的なダメージを負っているだろう。そして、MidKingは交換要求をしている時点でジャングルが出来ない可能性が高い。これもジャングルギャップによりGGだ。当然、GoodMageJPがミッドで有利を取られたら、MidKingの精神は朦朧とするだろう。

まとめ
 
このように容認した場合と拒否した場合のどちらに転んでも、勝率が下がってしまうことは理解できたはずだ。対処としてはロールプールを増やして、自らが交換要求しないこと、交換してもパフォーマンスを発揮できるようにすることだ。それが出来なければドッジすれば良い。


3-6 OTP

OTPの優位性
 
OTPでランクを上げることは合法だ。この記事では優位性の説明を割愛するが、興味があれば別の記事でOTPの優位性を説明しているので読んでいただきたい。

OTPの対処方法
 人口が少ないサーバーでは、同じプレイヤーとマッチする可能性が高いため、前のゲームにいたOTPのチャンピオンをバンすることは非常に効果的である。前回の試合でOTPがいた場合は、次のバンピックでそのチャンピオンをバンすれば良い。そのチャンピオンが味方の希望チャンピオンに選ばれていた場合はバンしないことで、一定のパフォーマンスを出してもらう事が出来る。相手にそのプレイヤーがいた場合は、練度の低いチャンピオンのしょうもないプレイをしてこちらの手助けをしてくれるだろう。しかし注意は必要だ。OP.GGでそのプレイヤーのセカンダリーやターシャリのチャンピオンを見ておき、バンした後でそのプレイヤーが味方にいないか十分に警戒することが必要不可欠である。


3-7 緊急ドッジ

 バンピック時点でチーム構成、チャットの雰囲気、対面とのマッチアップなどを考慮してゲームの勝敗を推測できるだろう。負けると予測した場合にドッジすることで勝率を上げられる。すべての推測は当たらないにしても、ドッジしなければそのゲームはおそらく負けるだろう。
 大切なのはLPではなくMMRだ。ドッジで失った僅かなLPは、勝利したときに貰える+20LPが+24LPになり、負けた時の-20LPは-16LPになるため後から確実に取り戻せる。

バンピックで負けると思ったらそれは緊急だ。緊急に緊急ドッジしよう。


3-8 エモート煽り

エモート煽りの優位性
 レーンでダメージトレードに勝利した時や、相手がミスプレイした時などに煽りエモートを頻発することで相手に精神的ダメージを与えることが出来る。相手は「効いていない」と思っているが、「効いていない」と思っているだけでも関係のないことを考えていることになるので、実は効いている。稀に根本的に効くプレイヤーも存在するので、精神的ダメージを与えてティルトさせれば勝ったも同然だ。
 死体ワードというデッドした相手の場所にワードを置くという煽りもあるが、ワードがもったいないので推奨はしない。
 逆に煽りエモートをされてしまう場合も考えられるが、即時にエモートをミュートすれば問題ない。

代表的な煽りエモートの紹介

煽りエモートスターターパック


3-9 サレンダー

サレンダーの目的と効果
 サレンダーは主にストレスからの解放と時間の有効活用の2つの目的がある。

 サレンダーを出すことは一概に悪とは言えないが、そのゲームに関しては勝率を下げる利敵行為と言える。サレンダーが成立すれば、勝利できたかもしれないゲームを落とすことになり、サレンダーを出すだけでもチームの士気の低下に繋がるからだ。

ストレスからの解放
 
ストレスからの解放を目的としたものは、時間は十分にあるのに「つまらない」から辞めるというニホンザルの思考である。チームの勝利とは関係なく、自身が面白くないとサレンダーを出す。良く言われている「主人公気質」というやつだ。ボットで大きな有利を取っている状況で、トップのサルがガンクされ、サレンダーを出すという状況がすぐに思い浮かぶ。

 また、逆転の方法を考えずにサレンダーをするのは愚かであり、その思考が改善され無い限りはずっと同じストレスによってサレンダーをし続けることになるだろう。すぐにサレンダーを試みるプレイヤーは全く上達しない。

 クイックプレイでもシルバーが対面のダイアモンドにボコされてサレンダーを出すみたいなことは多々あるだろう。主人公気質はリーグ・オブ・レジェンドには好奇心が無く、異性にしか興味が湧かないのだろう。格上から学ぶことは十分にあるのに、恥を隠して今生きることに必死ですぐにサレンダーで逃げる。まるで、南アフリカの草原地帯の草食動物そのものである。おそらく、何故負けたのか理解しておらず、リプレイを見る事すらも放棄している。マッチングした味方やプリメイドを巻き込み、悪影響を与えることを自覚していないこともタチが悪い。

時間の有効活用
 
負けると予想したゲームを続けるよりも、次のゲームを初めて勝利した方が効率が良いという考えは間違えである。というのは、自分が諦めず最善のプレイをすれば、そのゲームの勝率は思ったよりも高いからである。そして、次のゲームに行ったとしても勝率は50%である。プロでさえ勝敗の予想ができないのに、シルバーのあなたは何を考えているのだろうか?サレンダーをしたい気持ちが上回るというのはティルトと同じだ。正常なプレイすることを心がければ勝利できるかもしれない。バロン前の集団戦に負けたからといって敗北が決定するわけではないし、低レート帯ならスローのオンパレードで逆転が容易に可能だ。

 ランクを上げるためには1敗した後は2勝が必要となる。敗北したゲームを含めると最低3試合は消化しなければいけない。30%の勝利を0%にするよりかは、最善のプレイで30%の勝利を掴み取った方が時間的に効率が良いことは明確だ。

 

まとめ 
 日本サーバーは全世界で最もサレンダー率が高い。日本サーバーのプレイヤーの多くは、日本人特有の繊細さ故にストレスからの解放を望み、間違った時間の効率化を図っているためである。
 サレンダー率が高いからこそ、サレンダーをするプレイヤーとしないプレイヤーのランクの差は歴然だ。もちろん、意図的にデッドするようなトロールがいたらサレンダーをしても良い。しかし、あなたはそのプレイヤーがトロールかどうかを正しく判断できるのだろうか。普通にプレイしていてガンクによるデッドでティルトすることは十分にあり得る。ティルトは集中力の低下などで正常な判断が出来ていない状態であり、敗北を目指しているトロールではない。あなたが良いプレイをすれば勝利のために力を貸してくれるだろう。

3-10 運を最大限に活かす

現状ランクと実力
 
現状のランクと実力にはギャップが生じる。ゴールド相当の実力があっても、シルバーに落ちてしまうことは当然あるだろう。これは運などの不安定な要素によって引き起こされるため仕方のないことだ。運が実力のプラスマイナス3~4Division(1Tier弱)ほどの影響をもたらすことは珍しくはない。

ロールによる運
 
ロールの影響度によって運要素が強さが異なる。ゲームに影響力の高いジャングルは運要素を受けにくく、影響力の低いボットは受けやすいということだ。
 
これらの詳しい内容は「3-3 メインロールによる有利と不利」の「ロールの影響力の補足説明」のセクションで詳しく触れている。

ゲーム回数による運
 
ある程度ゲーム回数が多くなればランクは実力に近づくだろう。プレースメントでたまたま5連敗することなんてよくある話だ。そして、ランクが実力に近づいた後に、200戦、300戦、400戦、10000戦とゲーム回数を増やしていくと、ダイアモンドに昇格、プラチナに降格、再びダイアモンドに昇格、さらにマスターに昇格というような波が生じる。これをランク運波(うんぱ)という。

最大限に運を活かす方法
 
IQが低く実力の向上が見込めなかったり、思考を止めてランクを上げたいプレイヤーは運を活かせば良い。その方法とは、十分にプレイ回数を確保し、ボットをプレイすることでランク運波を呼び寄せることだ。自分の実力がダイアモンドだと思っているのならば、マスターに到達したときにランクゲームをストップする。その後、1日1戦のプレイに抑えればマスターを維持できる確率が高くなる。

 このランク波の呼び寄せは最後の手段として扱えるだろう。運の要素を解説した最大の理由は、IQが低く、実力の上限のグランドマスターに達したプレイヤーがチャレンジャーになるための最後のスパイスになれば良いと思ったからである。

3-11 ゲームのプラン

 チャンピオンの構成などによってゲームのプランを立てることはあるだろう。味方にスモルダーがいれば、出来るだけゲームを長引かせてスケールで勝利するために、序盤のドラゴンを捨て余分な不利を背負わないようにするというようなプランだ。チームが共有かつその行動が出来れば正しいプランと言えるが、実際にはほとんど不可能だ。チャットで共有したとしてもそのプランを忘れてしまったり、そもそも意見が違うプレイヤーが多く存在するだろう。自分のプランどおりにならなくてもメンタルマネジメントを行い、状況から課題を発見正しい解決策を施せば問題ない。


4章 最後に

 私が最も言いたいのは、本質を捉える力を養うことは人生をも変えるということだ。リーグ・オブ・レジェンドの本質を捉えて上達できるようであれば、あなたは何事も習得することが出来る。

 ゴーヤは英語で何というか?という問いに対して、知らなくてもウリ科の"melon"と、苦みの"bitter"を組み合わせて"bitter melon"と回答できるような人になってもらいたい。

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