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ゲーム感想|【Little Kitty, Big City】街を歩け、家を目指せ

キャットウォーク、ライフワーク


(ネタバレあり)
人間の大欲求である「ネコになりたい欲」をかなえてくれる、ネコによるアクションアドベンチャー、もとい街ブラができるゲームです。

プレイヤーかわいい黒ネコとなり、かわいい姿を見せつけながら、はるか上空の愛しい我が家を目指すのがゲーム目的。子ネコサイズだと広く感じる街のすみっこで起きる出来事が物語られます。


1|キャラクター:傍若無人、ネコ奮迅

<我が物顔で練り歩く>
ネコがかわいいのは自明ですから、あれやこれやとくわしく語る必要はないかと思います。

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ほら、ねぇ?

語るまでもないですがしぐさが全部かわいいんです。ただこの子ネコについてあえて言うなら、ネコにしかできない方法で「ネコだからわかんない!」の精神をもって、道行く人やお店やいたるところでイタズラができるところが魅力的。

道路に青い小鳥がいたら忍び寄ってキャッチアンドリリース、悩める芸術家の手助けをしたり、道行く歩きスマホビジネスマンを咎めるために突撃したり、フェンスの上とかそこ歩けるの?!ってエリアをするりと通り抜けたりします。

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転ばせたお詫びにかわいさのサービス

エモート一つ一つは、ネコあるあるのしぐさばかり。やっぱりコレやっとかないとネコじゃないでしょ!という動きを積極的にプレイヤーが取れるのも良いトコです。

写真にも載せましたが、パソコンは上に乗るものだし、空き箱は入るものです。心地よい昼寝スポットを見つけたり、キュウリに驚いてみたり、たまには人間に倣って信号待ちしてみたり。

家に帰ることそっちのけで気ままなネコライフを謳歌してしまいました。

次第に、「ゲーム的には落ちても大丈夫だけど、かわいそうだから慎重に下に降りよう…」とか「ビックリするのもかわいいけど、心臓に悪そうだからやめてあげよう」とか、大事に大事に扱うようになってしまうぐらいネコとしての魅力がつまっています。


2|世界観:探せカプセル、ダジャレ笑える

<この街きたことあるな?>
街探索のゲームで、危険なことは何一つ起こらない平和な世界です。意外とネコのとびかかりアクションや、狭い穴をくぐったり、細い道を歩くようなアスレチック要素はあります。

ネコからすれば大きな街の一角など、すべて遊び場みたいなものなんでしょうかね。ゲーム中のBGMは軽やかなジャズ。終始リラックスして遊ぶことができます。

すみずみまで探索しているうちに、困っている他の動物や小さなミッションをこなすことで少しずつ、自宅への道が開けるようになります。このゲームは動物がしゃべります。

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ジャンプを「下級飛行」
って表現するのはイイ。

ただしその文章についてはちょっと不安定なところもあります。「韻を踏むセリフ」のカメレオンがいるのですが、日本語だとその良さが発揮されません。胡乱な言い回しをするだけの爬虫類です。

セリフ周りで少ししょぼしょぼしながらも、前述の通りキャラクターの造形はかわいく、街のいたるところに隠された要素を探すのが『Little Kity, Big Ctiy』のだいご味。

着せ替えアイテムもその一つ。

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この子は着せ替えを嫌がらないタイプ。

街のところどころに隠されているカプセルボールを拾うとその中からこの黒ネコ用の被り物が出てきます。全部で40種類以上。カートゥーンチックなネコの表情との相乗効果でかわいらしさがうなぎ上りです。

個人的に探索ゲームは「探すものの魅力」で成り立ってると考えていましたので、これは本当に楽しい。集めたくてしょうがない。マヌケな雰囲気から、キリっとしたカッコかわいいものまで。そのようなイースターエッグ要素だらけで、見つけるたびに実績「アチーブニャント(Cat-chievement)」が解放されていきます。

どれもこれも優しいお題です。

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ミニマリストなネコを目指してるんで。

"Big City"とはよく言ったもので、確かに人間の行動範囲的には広くないのですが、それでも子猫にとっては端から端への移動が面倒にもなります。そんなときのファストトラベル機能が「ペットワーク™」

街のマンホールがワープポータルになっていてそこから別のエリアに瞬時に移動可能!というとんでもない技術。

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ゲーミングワープホール。

ちなみに発明したのはタヌキ。この街は水道管の破裂で一区画工事中だっていうのに、ワープポータル化させちゃったら工事現場の人たちは大迷惑だろうな。

そのマンホールについてなんですが、どれもこれもその近くを象徴するような絵柄が入っていて、それにご当地マンホールみがあるのがいい感じです。

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○ケフタ感あるな。

『Little Kitty, Big City』は海外のゲームスタジオ『DoubleDaggerStudio』で作成されているんですが、この世界の町並みはかなりなじみのある風景になっています。先ほどのマンホールはもちろん、路地の雰囲気や、空を横切る電線、その一つ一つが初めて見るけど知ってる街並みという印象を持っています。

そういった点でものんびり気ままに遊べて楽しいですね。

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祖母の家にああいう人形あったなぁ…。

念願かなってネコになり、その身で隅々まで探索したくなる、大きな街でした。

(韻を踏む、って難しいな…)

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