パン食べたい

「パンが食べたい」という思いに気づいたのは、バイトのために家を出なければいけない時間の約1時間前であった。
家を出る用意を巻けば、ギリ近所のパン屋さんのイートインに寄れないこともないが、そうするとかなりバタバタする。
今からの用意も急がなければならないし、パン屋さんに着いてもパンを選ぶ時間含め長くて15分ぐらいしか滞在できない。
そのため私はパン以外の、家にあるクッキー等を食べて自分を宥めることはできないかと考えたが、コレジャナイ感をおぼえてしまう未来は容易に想像できた。

私は用意をなるはやで終わらせ、電車の時間の18分ほど前に家を出て、近所のイートインがあるパン屋さんに凸し、絶望した。

繁忙期のため14:30以降パンのイートインは不可の旨が貼り紙に記載されていた。





f**k



そんなきもちだった。
この街はクソだ……と反射的に思った。
(自分がもっと時間に余裕を持って行動するマンであれば、パンを買って家に持ち帰って食べるなどの選択肢もあったよねというメタ的な心の声は一旦無視した)

パンが食べたすぎる、バイトに遅刻してもいいからパンが食べたい。

パンは、めちゃくちゃお腹が空いているバイト後に食べても本領を発揮できない…。
めちゃくちゃお腹が空いているバイト後にはもう、米寄りのごはんが食べたい気持ちになってしまっている。
そこでパンを食べたとしても「なんか足りない」というコレジャナイ感があるにちがいない。
そんな状態でパンを食べるなんてもったいなすぎる…。
また、バイト中に物を食べることも可能ではあるが、食べる時は極力食べることにしか集中したくない。バイト中になにかを食べるのは気が散って勿体無い。おいしい食べ物から取得できる情報は最大限感受したいからである。
わたしはめちゃくちゃおいしいものを食べた時は目を瞑ってしまう。

だからせっかくパン食べたい気持ちになっているいまこの瞬間に、パンが食べたい…。
座ってゆっくり味わって食べたい。
いまこの瞬間に食べるパンは絶対においしい…。

なのでわたしはこのあと難波のパン屋さんで絶対にパンを食べると…決めているんだ。

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