教科書には載っていないアレルギー性結膜炎の治療



日常診療において、一般外来でも多い疾患の1つにアレルギー性結膜炎が挙げられます。

『痒い』という比較的特異的な症状があるので、臨床的に診断に迷う事はすくないと思うのですが、原因の精査や点眼薬の選択などありますし、春季カタルやアトピー性結膜炎などの応用編もあります。しかし、『内服もお願いします』とか『点鼻薬もほしい』という患者のニーズや、『市販薬ではないですか?』など、専門的じゃない話になると、途端に逃げに入ります^^;


そこで今回のNoteでは


1. アレルギー性結膜炎の診断と分類

2. 点眼薬の使い方とOTC薬について

3. 現在の点鼻薬・内服薬の種類と効果


について説明します。



2.点眼薬の使い方とOTC薬について

抗アレルギー点眼薬の効果や分類に関しては、どこかで聞いた人も多いと思うので、簡単に流すと…

メディエーター遊離抑制薬は、『肥満細胞に作用して、ヒスタミンが放出するのを抑制する』のに対して、

抗ヒスタミン薬は、『ヒスタミン受容体に拮抗し、ヒスタミンの効果を抑える』という働きの違いがあります。

患者さんにはよく『アレルギーを抑える・予防するお薬』『かゆみを抑える薬があります』と説明します。

この中で特に注目すべきは

アレギサール点眼薬が1日2回

アレジオンが塩化ベンザルコニウム(防腐剤)を含まない

という事でしょうか?


アレルギー性結膜炎の本流とは少し離れたアレルギーの話をここからはしようと思います。

❍アレルギー性結膜炎の点眼薬とOTC処方薬について

❍アレルギー性疾患の内服加療について

❍アレルギー性鼻炎の加療について


これらについて、ざっくり一覧でまとめてみましたので、興味がある方はこのまま続けて読んで下さい。


❍アレルギー性結膜炎の点眼薬とOTC処方薬について

『OCT点眼』というものをご存知でしょうか?OTC薬とは、薬局やドラッグストアなどで自分で選んで買える「要指導医薬品」と「一般用医薬品」のことです。英語の「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略語です。

現在、抗アレルギー剤として点眼薬で販売されているものは幾つもありますが、系統的には下記の4つの種類しかありません。また、現在の時点では、抗アレルギー剤の濃度もOTC薬の方が薄いです。


気づかれましたか?そうなんです。普段、臨床ではあまり処方されない抗アレルギー薬ばかりがOTC薬として名を連ねているわけです。

じゃあ、OTC薬の全てがダメなのか?と言うと、そういうわけではなく、OTC薬の良いところは、NSAIDsや塩酸フェニレフリンなど様々な点眼液を合剤にしたり、塩化ベンザルコニウムが含有されてなかったりします。

また、税制的にも2017年よりOTC薬も医療費控除の対象となりましたので、徐々にOTC薬が今後、台頭してくるんじゃないかな、と思います。やはり受診や診察などを受けずにそれなりに効果がある薬を購入できるなら、そちらのほうが良いというニーズは一定以上いますので。


じゃあ、我々医師がOTC薬をどう理解しておけばよいか?

✓医療成分を含んではいる。

✓種類や濃度に関しては、医薬品が優位

✓一概にダメ、とも言えないので、とりあえず希望者には試してもらう

じゃないでしょうか?


❍アレルギー性疾患の内服加療について

これもよくある話だと思うのですが、眼科受診の際に、『ついでに内服もください』とか、『飲み薬ないですか?』と聞かれることってありますよね。そんな時、どうされますか?点眼薬と同等とまではいかなくとも、きちんと特性を理解して処方してますか?

いかがでしょうか?この表一枚で、全ては事足りると思います。

特に内服薬に関しては、OTC薬でもほぼ同容量・同成分のモノがあり、名前もよく似ていますので比較的買いやすいし、オススメし易いのではないでしょうか?


❍アレルギー性鼻炎の加療について

最後に、点鼻薬です。こちらも通常の眼科診療ではあるあるですね。では、先に一覧を供覧します。

お気づきになりましたでしょうか?

眼科領域におけるステロイド点眼薬には、続発緑内障や易感染性症などの副作用があり、アレルギー性結膜炎ぐらいに?という疑問が残る時もありますが、じつは点鼻薬に関してはたいした副作用がないそうです。なので、効果を優先し、ステロイド点鼻薬を使用するそうです。

ということで、めんどくさがりな方には1日1回のエリザス点鼻などが良いかもしれませんね。


いかがでしたでしょうか?

簡単にまとめさせていただきましたが、皆さんの明日からの診療のお役に立てれば幸いです。


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また、自分もこういうことをみんなに知ってほしい!!などテーマをお持ちの方は是非連絡をください。




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