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クラニオセイクラルセラピーの概要を 6月7日の勉強会用に書いてみた

クラニオセイクラルセラピーまたの名を頭蓋仙骨療法

このnoteは2020年6月7日のクラニオワーク勉強会の資料として作成されました。

今回のnoteのもくじ:

第一章
(1)クラニオセイクラル概要
(2)クラニオセイクラルの歴史
(3)脳神経系って?脳、脊髄、脳脊髄液の関連(図解)
(4)脳脊髄液が作られるまで(図解)
(5)作用機序(アプレジャーの”圧力一定のモデル”)
   -硬膜が大切なのはなぜ?
(6)頭蓋骨の動きと「脳硬膜」
第二章
(1)脳脊髄液の流れをよくするためのアプローチ3つ
(2)アプローチその1 クラニオリズムを取る(wide, narrow, still point)
   -タイドとスティルポイント
(3)アプローチその2 ダイアフラムリリース(隔膜リリース)
   -この3点は絶対のがすな!
(4)アプローチその3 頭蓋骨のマニュピレーション

このnoteの記事は、2020年5月15日発行のメルマガをさらに詳しく、加筆を加えました。
今回は、アプレジャーインスティチュートの考え方を基に、クラニオセイクラルセラピーの概要と手順を、初心者向けにわかりやすく丁寧に追ってみました。
画像をたくさん使い、なるべく分かりやすい内容にしたつもりです。
自分自身がつまずいた部分は特に、説明を簡易にしながら文章を進めて行きました。

(1)クラニオセイクラルセラピー概要

アプレジャー式クラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)は頭蓋仙骨システムに着目している。

硬膜の中で脳脊髄液が作られたり再吸収されたりすると、その水圧の変動(脳脊髄液の変動)により、身体全体に伸展、屈曲運動が生まれます。
脳脊髄液は脳への直接の衝撃を和らげると共に、脳や神経細胞が成長・生存し、機能するための役割を果たしています。
この、脳脊髄液の流れに身体が対応できなくなると、特に中枢神経系に支障をきたしてしまいます。

(2)クラニオセイクラルセラピーの歴史を簡単に

1910年代
ウィリアム・サザランドによって頭蓋に関する研究が始められた。
この時点で着目されたのは頭蓋骨縫合での頭蓋骨の動きそのものだった。頭蓋骨の動きに異常が見られれば、それを手技で直す試みが行われた。

1970年代初め
ミシガン州立のオステオパシー医学大学が、「頭蓋は動かない」という諸説の真偽を確かめるための実験を行う。
この研究は光学、電子顕微鏡を用いたもので、その結果、頭蓋の縫合に血管、神経線維、膠原繊維、そして伸縮繊維が存在することが明らかになった。つまり、頭蓋の骨化は見られなかった。これは縫合が可動であることを示す結果であった。

同じチームはさらに、生きたサルの頭蓋骨につけられたアンテナにラジオ波を通す研究を進め、これにより頭蓋骨運動の精確な振動と振幅が測られた。

この結果を踏まえ、頭蓋骨の振動と振幅のメカニズムが探られたが、頭蓋仙骨脳硬膜(CranioSacral Dura Mata)Cと脳脊髄液(CerebroSpinal Fluid)の役割が頭蓋仙骨システムというモデルに統合された。
このモデルは「圧力一定のモデル」と呼ばれ、アプレジャインスティテュートのクラニオセイクラルテクニックの基礎となっている。

それまでは頭蓋の動きを重要視していたが、頭蓋骨の動きを司るのは脳硬膜(Dura Mata)であることを主張したのがジョン・アプレジャーである。
頭蓋仙骨システムの評価と治療において、脳硬膜が中心的役割を果たすという点がアプレジャーインスティチュートのクラニオセイクラルテクニックの大きな特徴であり、他団体の技術との大きな違いである。
(アプレジャーインスティチュートのテキストからの抜粋)

(3)脳神経系って?素朴な疑問に答える(画像)

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