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インテントセールスによる営業革命の可能性 - Sales Marker×openpageによるデータドリブンな未来の営業

こんにちは、openpage代表取締役の藤島です。今回は、Sales Marker株式会社の マガジンで企画されている「インテントセールスアドベントカレンダー」に参加する形で投稿させていただいております。
※書籍ご出版決定、おめでとうございます!

私のnoteやXをはじめとするSNSや、登壇させていただいたセミナーなどでは、CSやセールステックをはじめとする米国の最新情報を発信しているのですが、インテントセールスについても、実は過去に何度か投稿してきました。
 

インテントセールスの、「従来の属人的な営業スタイル」をテクノロジーの力で変革し、データドリブンで活動することを実現するという点においては、当社のデジタルセールスプラットフォーム(openpage)というカテゴリのサービスとも共通することもあったため、ウォッチしてきました。

今回「インテントセールス」について日本語でまとめられたはじめての書籍の出版が決定したということで、発売日(2024年8月29日)を待ちつつ、改めて「インテントセールス」について、内容をアップデートする形で再度、解説していきます。

そもそもインテントセールスとは?

 2020年、「上場時の株価が、ここ10年の米取引初日で最大の上昇率」というニュースとともに「ZoomInfo」というサービスと、セールスインテリジェンスというサービスカテゴリを知った方は多いのではないでしょうか。
BtoB事業者においては、Salesforce以来の衝撃と共に、「これが次に来るセールステックだ」という印象を受けられたかもしれませんが、「セールスインテリジェンス」が盛り上がったかというと、大半の方が「そうでもなかったような」と思われるのではないでしょうか。 

「セールスインテリジェンス」ではなく、実は日本では「インテントセールス」として発展しているのです。

 The Model型の組織が流行し、営業がフィールドセールスとインサイドセールスに分かれた体制が珍しくもない昨今ですが、いざ組織を分けてみたものの「リード・商談がない」という壁にぶつかる企業は多くあります。
そうなると、だいたいが「テレアポ」をし始めるという流れになります。ここで「テレアポ」以外の商談創出方法として想起される手段として「インテントセールス」が入ってきたのが、2023年頃からです

実はこれはSales Marker代表小笠原さんから聞いた話なのですが、Sales Markerもリリースした年の2022年には、「セールスインテリジェンス」という言葉でサービスを訴求していたのですが、市場の反応があまりよくなかったとのことです。

初期のSales Markerの訴求

それを、Web検索行動データなどの「インテントデータ」を活用することで「今、ニーズがある企業を特定して、ピンポイントでアプローチ(営業)できるから、商談が獲得できる」というポイントに絞り、「インテントセールス」と言い換えたところ、爆発的に普及し始めたとのことです。
商談が作れないという課題を持つ企業に対して、とてもキャッチーに映るようになったということですね。

ブラッシュアップされた訴求

営業における「インテントデータ」の活用

 米国では、自社が保有している以外のデータを活用して営業活動を行うのは、割と当たり前になっています。先に挙げたZoomInfoの他にも、LinkedInなども有名です。
SFAなどのデータを、インテントデータをはじめ様々なデータを加えてリッチ化するのは、もはやトレンドというよりは基本です。

当社が実際にSales Markerを使って行っているインテントセールスの一例をご紹介します。例えば、特定の業界のTOP30企業を企業データベースから抽出した上で、さらにその中から「デジタルセールス」や「デジタルセールスルーム」を検索しているなど、インテントデータを使って自社サービスに興味がありそう/興味を持ちそうな企業を絞りこみ、BDRでアプローチしています。

業界地図などから企業業績ランキングを作成

なお、商談化後にもお客様の行動から状況やニーズを類推しながら営業を最適化しています。ここは当社のサービスopenpage(デジタルセールスルーム)を活用していて、例えば「閲覧したコンテンツ」や「読み返している議事録」「触れているタスク」「検索していること」などの顧客の生の行動をデータとして取得しながら、営業が提案の内容を改善してアプローチしています。

インテントデータとは、顧客の「購買意図を伴う行動のデータ」ですが、データを活用して顧客とのコミュニケーションを改善していき、成約まで繋げていく。これがインテントデータを活用した最新の営業活動です。

マーケティングでは当たり前のことが営業でも可能に

広告の領域は、デジタル広告が出現したことで市場が激変しました。広告の効果(クリック率やコンバージョン率)を計測して改善し、さらに効果を高める、ということがデータドリブンにできるようになりました。

営業も同じく、デジタル化・データドリブンなものに大きく変わっていくでしょう。
これまでは自分たちの営業活動に対して顧客がどう反応しているのかをデータで取得することができなかったので、「経験値」のようなデータにはならない判断基準に依存していました。
これが、デジタルテクノロジーにより、データを軸にして行動できるようになります。営業DXに投資する企業とそうでない企業における法人営業には、行動の正当性や生産性に大幅な差がでてきます。

デジタル広告のようにセールスもデータドリブンへ

ただ、しかしながら「営業」という職種は歴史が長いです。この道で10年、20年、それ以上やってきた人が多くいらっしゃって、組織的にも、個人的にも「出来上がった営業のやり方」があります。新しい手法やツールは「現状維持をしたい」という気持ちに阻まれることで、なかなか実際には進まない企業も少なくはないです。(現状維持バイアス)

重要なのは、現状から変化するイメージの解像度を高めて、「成功のイメージ」を詳細に持つことです。 

インテントセールスによる営業変革のイメージ

では、インテントセールスで成功するイメージと、成功の法則、社内への推進の仕方についてお話していきます。

インテントセールスで成功する理由は、お客様の行動がデジタルで可視化されることで、「今」、「誰が」、「何に」課題や興味を持っているのかがわかった状態でアプローチできるからです。

営業の方に「お客様の課題やニーズに合わせたトークができたほうが反応は良くなるし、商談化、受注の確度も上がると思いませんか?」と聞いて、否定されることはおそらくないでしょう。

長年営業として技術を磨かれてきた方ほど、「顧客のコンテキスト(背景)を調べて、仮説を立てながらコミュニケーションを取り、顧客のこれからの成長や投資、課題に沿った形でアプローチをする」ことをされているのではないでしょうか。

インテントセールスは、顧客起点の営業を実現できる手段の一つです。もう少し具体的にイメージしていただくとすれば、こんな例はいかがでしょうか。

【Sales Markerを活用】
①お客様が検索しているキーワードがわかるので「明日初回アポのお客様が、どの競合サービスと自社サービスを比較検討しているのか」がわかった状態で準備できる

【Sales Marker、openpageを活用】
②初回アポの段階で、その競合サービスに対する自社の優位性を営業資料とトークに反映して臨める

【openpageを活用】
③商談後も、「検討します」と持ち帰られた後のお客様の動きがわかる。 1週間、2週間まったく動きがなく、3週間目に突然「前回商談の議事録を閲覧」したり、「資料の価格ページを確認」し始めたら、「連絡するのは今だ!」と狙える

 長年培ってこられた経験と、成果を出してきたやり方やノウハウは誇るべき強力な武器だと思います。しかし、このような新しいテクノロジーの活用によって可能となるアドバンテージを競合他社だけが受け入れ、自社は否定していると何が起こるのか。

他社はデータドリブンに提案を磨き上げ、自社よりも刺さる提案をいち早く行い、自社はローテクなまま経験と勘による営業を繰り返す。これは受注率や受注金額の差に加え、営業効率の差、もっといえば従業員満足度や離職率といった働くモチベーションにも影響していきます。

そう考えると、営業活動の新たな取り組みについては、無視していける存在ではありません。導入効果の大きさから、インテントセールスは米国のように急速に普及していくと考えられます。

今後の「インテントセールス」への期待

広告業界がデジタル広告の台頭によって市場が変化したように、インテントセールスが間違いなく営業を変えていくと思います。 

勘と経験、個人の能力に依存する属人性の高い営業から、データを活用した営業に代わることは、営業自身がより効率的に成果を出せるようになるメリットが非常に強くあります。
また、顧客の立場からしても、やたらに電話をかけられて迷惑、一方的な製品資料読み上げでウンザリという心理的デメリットも減らしていくことができます。

Sales Markerとopenpageは、営業活動のデジタル化を推進することで、属人的な営業からデータドリブンな営業への変革を実現し、顧客の売上向上に直結する価値を創出していく挑戦をする事業者同士です。今後もコラボレーションを深めながら、国内の営業変革に取り組んでいきたいと思います。