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(対談)営業からカスタマーサクセスに異動した新人にカスタマーサクセスとは何かを教えてみる・・・!

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今日は営業からカスタマーサクセスに異動して「全然カスタマーサクセスがわからない!」と悩んでいたTさんと対談しました。Tさんよろしくお願いします。

カスタマーサクセスがよくわからない・・・カスタマーサクセスってなに??

Tさん:藤島さん、よろしくお願いします。カスタマーサクセス、本当全然わからないので困ってて・・・今日は色々おしえてください。

藤島:わかりました!カスタマーサクセスって仕事の範囲が広いので、ちょっとよくわからないですよね。。営業だったら、売ったらすぐ売上が立つ、ということでわかりやすいモデルですよね。

Tさん:そうですね。営業はどんどん売ればいいのですが、カスタマーサクセスは何をすればいいのかなって。。。

藤島:カスタマーサクセスは売ってからがスタートなんです。これが一見わかりにくいですよね。

Tさん:ですね。何を頑張ればいいか・・・(泣)

藤島:じゃあここを丁寧に説明しますね。カスタマーサクセスって、基本は月額課金(サブスクリプション)や従量課金を前提とした考え方なんです。
毎月コツコツ請求されるのがサブスクリプション、使う分だけ請求されるのが従量課金です。
また製品が1つというよりは、複数の製品やオプションを持っている会社のほうが相性はいいと思います。

Tさん:ほうほう。たしかにSaaSはサブスクリプションの価格が多いですね。うちもサブスクベースで利用アカウントが増えたら従量課金になってます。

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藤島:そうですよね。とはいえ、説明をわかりやすくするために、身近な例で説明しますね。例えば、CDのアルバムって3000円くらいの値段がしますよね??

Tさん:そうですね。

藤島:いまだと、サブスクリプションのアプリで1000円くらいで聴き放題なのが主流になっています。これを3ヶ月続けたら3000円、1年続けたら1.2万円請求できますよね。つまり利用期間が長ければ長いほど売上が立つ。
そして、長く使っているということは満足しているということ。

この、「ずっと長く使ってもらうためにどのような体験を提供すべきか?を考える」のがカスタマーサクセスの中心の仕事になります。

Tさん: なるほど。長く深く使ってもらうためには?と考えて動くわけですね。

藤島: そうです。いま深く、とおっしゃいましたが、例えば先ほどの例の続きでいくと、家族でダウンロードし放題が1500円、雑誌の読み放題は月300円みたいなオプションサービスがあったりします。
他サービスやオプションを入れてもらえれば、お客様へサービスできる範囲が広がり、結果的に売上が大きくなります。

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Tさん : 受けれるサービスの幅が広がって、使う人の数が増えていく。それで売上も伸びる!ってことですかね??

カスタマーサクセスとしてどのようにお客様に長く利用を続けてもらうのか?

藤島: まさにその通りです。ここからカスタマーサクセスとして大切な質問をするのですが、長く使ってもらうためにはどうしたらいいでしょうか?

Tさん: 先ほどの例だと、製品の使い勝手を良くしたりですかね??アプリの使い勝手だったり、曲の数だったりを改善する!

藤島: いいですね。まさにおっしゃる通りだと思います。カスタマーサクセスの大前提にあるのは製品です。良い製品を提供して、顧客に満足して頂かなければなりません。
ですから、カスタマーサクセスとして求められる役割の一つは、顧客のサポートをしながら、製品改善のために何をするべきか?を集め、社内にフィードバックしなければならなりません。この顧客の声はVoC(ヴァイス オブ カスタマー)と言われています。

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Tさん : 自社ではNPSを取っているのですが、そういった活動のことで合っていますか??

藤島 : はい。まさしくです!理想を言えば、ただ顧客の声を集めるだけではなく、そこから対応すべき優先順位を考え、他の部署と連携をして、共同のプロジェクトにして何らかの成果が出せるまで取り組むと、より踏み込んだ活動ができます。

カスタマーサクセスが学ぶべきスキル

Tさん : それは面白そうですね!プロジェクトリーダーみたい。

藤島 : まさにです。ですので、カスタマーサクセスの方はプロジェクトマネジメントについても覚えておくといいでしょう。

Tさん : 他に覚えるべきスキルはありますか?

藤島 : 基本は、お客様に長く深く使っていただけるようサポートするのがカスタマーサクセスの仕事です。顧客を成功に導いていく、という点ではコーチングのスキルを学ぶことをおすすめします。

Tさん : コーチング?

カスタマーサクセスは自社製品の専属コーチ!

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藤島 : 説明すると長くなるのですが、顧客の目標を一緒に設定したり、適度にヒアリングや質問を行いながら、顧客を期待する方向に向かっていけるようにコミュニケーションする技術がコーチングです。

Tさん : へぇー!勉強になりそう!

藤島: SaaSもそうですが、ITの製品は常に改善し続けることが出来るんですよ。悪く言えば、どんどん機能が膨らんでいくので、何が出来る製品かわかりにくくなっていくんですね。

カスタマーサクセスは自社製品のプロフェッショナルであるべきで、どんな順番で、どのように利用するとお客様の期待に応えられるのか、最短ステップを熟知して、それをコーチしていくことが求められます。

Tさん : なるほど、お客様にとっての製品コーチなわけですね。

カスタマーサクセスでも作っておきたい「カスタマージャーニーマップ」

藤島 : はい、そうです。またマーケティングの仕事ではよく活用されているカスタマージャーニーマップをカスタマーサクセスの部門で作っておくことをオススメします。
「カスタマージャーニーマップ」でググると、参考になる図がたくさん出てくると思うのですが、お客様が契約からどのように成功体験、満足に繋がっていくのか。
その過程で体験することや、感情などを図で可視化しておくのです。

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Tさん : カスタマージャーニーマップは作ったことははいのですが、見たことはあります。これって作るのは大変ですかね??

藤島: 検索して出てくるようなしっかりしたジャーニーマップをいきなり作り出すと挫折するかもしれませんね。。はじめはすごくシンプルなものでいいと思います。

Tさん : シンプルなもの?

藤島 : はい。例えば、契約→初期設定→初回利用→継続利用→契約更新といったステップから書き出すといいでしょう。
これらのステップでどんなサポートが必要なのか。どこでつまづきが発生しそうなのかを書き出してみる。

Tさん: ギリギリ出来そうな気がしてきました。ちょっとやってみます。

藤島: まずは手書きか、もしくはスプレッドシートで整理してもいいと思います。Gainsightのものを参考にさっとPowerPointで作ったので、参考として貼っておきますね。

Tさん : ありがとうございます!こういうのは凄く助かります。

藤島 : ジャーニーマップ作成は顧客体験改善のために向き合う良い機会なので、ぜひ時間を作って色々と作成してみてください。カスタマージャーニーマップを作り、お客様がそのジャーニーに沿ってうまく進められるように支援していくのがカスタマーサクセスの仕事です。

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Tさん:お客様を成功に導いていく。あ!だからコーチングの技術がおすすめっておっしゃったんですね。

藤島:そういうことです。自社の製品や顧客の体験をジャーニーで考えるのはマーケティングに近いのですが、それに沿って実際に顧客を動かしてくコミュニケーションはコーチング業務に近いんですよね。

Tさん:なるほど。コーチング勉強しようかな・・・

藤島:いいですね!以前にRIZAPのコーチの仕事について解説した記事を書いたのでこちらもぜひ勉強してみてください。

Tさん:わぁ!ありがとうございます!勉強します!ちなみに「ヘルススコア」ってよく聞くのですが、あれはなんなんでしょうか・・・?


ヘルススコアってなに??

藤島:「ヘルススコア」はしっかり説明すると長くなるのですが、マイルストーンのように捉えるといいと思います。例えばなんですが、Tさんの会社の製品って契約から解約するまでどのくらいの期間がかかりますか??

Tさん:ええと…1年とか2年くらいですかね??

藤島:ありがとうございます。一般的にBtoBのSaaS製品って、解約まで何年かかかりますよね。もちろんすぐ解約されちゃうケースもあるのですが、それでも半年とか1年とかの時間がかかります。

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Tさん:確かにそうですね・・・。

藤島:カスタマーサクセスの業務は、これを3年とか4年に伸ばして長く使い続けてもらいましょう、という仕事になるんですが、そもそもTさん、3年とか4年同じ会社に在籍し続けますか??

Tさん:ええと…たしかに3年くらいで転職しちゃいますね。正直なところ・・・

藤島:そうなんです。なので「解約」という指標は本当に見ようと思うと、あまりに期間が長すぎて現実的ではないんです。

Tさん:なるほど・・・

藤島:そのため、継続や解約というゴールから逆算して、マイルストーンを考えていく必要があります。それを定性的な顧客体験に落とし込んだのがジャーニーマップ。そしてその進捗を定量的にスコアに落としたのがヘルススコアです。

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Tさん:ええと・・・すみません、どういうことなのでしょうか??

藤島:ごめんなさい説明が複雑になりました・・・。ヘルススコアってそもそもどういう風にスコアリングしているかって話ですが、GainsightやHiCustomerなど今存在してるツールは、管理画面にJavascriptを挿入して、操作ログデータを取ることが多いんですね。

Tさん:操作ログってことは、この機能使ったら○ポイント~みたいな感じですか??

藤島:まさしくです。契約更新などはCRMやSFAからデータを取ったりするのですが、ポイント設計の基本は操作ログから設定することが多くて。だから、うまくいくユーザー様はこれくらいの期間にこういう操作をするだろう、というジャーニーが先にあって、それが実際に行われているのかをを確認するのにヘルススコアを見て判断することが多いんですね。

Tさん:なるほど、ポイントが多ければこのお客様はniceですね~みたいな?

藤島:おっしゃるとおりです。なのでお客様がジャーニー通りにうまく進んでいるのかのチェックをするためにヘルススコアを使うんです。

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Tさん:なるほど~!でもJavascriptを入れるってカスタマーサクセス側ではできないですよね??

藤島:はい。これはエンジニアに依頼する必要がありますね。他にも、ポップアップツールなどもJavascript挿入必須です。最近ではKARTEもカスタマーサクセス用途で売り出しましたし、CMをやりだしたクラウドサーカスのFullstarもJavascriptを入れて画面内ポップアップを出す~というのをやっていて。

スコアがよければすべてよし!とはならないカスタマーサクセスの難しさ

Tさん:最近カスタマーサクセス周りのツールは増えてるって聞きました。

藤島:ヘルススコア系はHiCustomer以外にも参入が増えましたね。ただ、スコアリング系ツールへの注意は、もちろん顧客優先度つけには便利なツールではあるのですが、利用度合いが良ければいいかというと、そういうわけでもないということです。

Tさん:どういうことですか??

藤島:解約の傾向って、機械的に取れるスコアだけだとわからないことがあるんです。スコアが良かったとしても実は使いにくいと思いながら使ってたりはありますからね。そんな状態の中で競合製品のセールスがアピールしてたりして、目移りしてる可能性もあります。

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Tさん:たしかに、急にリプレイスされましたって解約を同じチームの人から聞いたことがあります・・・!

藤島:予期せぬ解約はけっこうあると思います。あとは、利用していた人が退職してしまう、とかも解約理由になりますね。

Tさん:主なユーザー様がいなくなって、そのまま解約されちゃうと。


QBRて顧客のコンディションを定期的にチェックしよう

藤島:そうですね。なのでそういうことがないように、定期的にコミュニケーションを取って会社に大きな変化がないかヒアリングしておくことが大切なんです。「QBR」っていうんですが、3ヶ月に1回、その会社が大事にしてる指標に自社製品が貢献してるか、なにか問題が起きていないかチェックするミーティングをしようという用語があります。Quarterly Business Reviewで日本語訳だと「四半期ビジネスレビュー」ですね。

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Tさん:はじめて聞きました。

藤島:たしかにまだ一般的に普及していないかもしれませんが、外資系のSaaSベンダーのカスタマーサクセスはQBRが当たり前なイベントとして行っていますね。

Tさん:QBRではどんな話をするんですか??

藤島:例えばなんですけど、SEO ツールであれば、基本機能の利用度合いはこちら側で見れてますよね。ただ、そこからの流入リード数や受注数、受注率などは、顧客が用意したMAやSFAでしか見れなかったりする。でもその数値こそが、お客様の企業では大切な数字です。
だからそういう大切な事業数値は、思い切って聞いてしまう、という会をQBRではやるべきです。
会社が目指してる業績目標にどれだけ貢献してるか判断するにはストレートに聞いてしまうのが早いですね。

Tさん:ちょっと躊躇しますが、たしかに聞かないとわからないですものね・・・!

藤島:そうなんです。ここで顧客の大事な経営指標を聞けてるかどうか、はカスタマーサクセスのチェック項目の一つにしてもいいくらいですからね。


カスタマーサクセスは大変!だから必要なテックタッチ

Tさん:なるほどですね。でも1社1社に製品を案内して、スコアをチェックして、QBR?のミーティングをしてって、こう言っちゃダメかもしれないですが結構たいへんですね・・・!

藤島:そう、ちゃんとやろうと結構忙しいんです。これらを人でサポートするのはハイタッチと呼ばれるんですが、お客様全社に対して本当に向き合うのは、製品によっては実現不可になります。ちなみにTさんの会社の取引社数はどのくらいの数なんでしょうか?

Tさん:だいたい1500社くらいですね。

藤島:もう一つ質問ですが、製品は何人くらいが使うツールですか?

Tさん:ええと…2〜3人はアカウントがあるのが平均的です。

藤島:じゃあそれは人数で言えば、3000〜4500人くらいってことですよね??Tさん、営業時代は何件くらい案件を持って回れましたか??

Tさん:だいたいですが、月に30社くらいでした。

藤島:ですよね。その社数はカスタマーサクセスにおいても変わらないんです。だいたい30~50社くらいが各社のCS1人あたりの担当者数。むしろ営業より説明しなければならない情報は多く、20社程度しかフォローできないこともあります。それを1500社やるとすると何人のCSが必要となりますか?

Tさん:20社だと・・・75人!?

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藤島:そう、その計算になります。しかし、計算通りにカスタマーサクセスの担当者をいれるとカスタマーサクセス担当だらけに会社がなってしまいます。なので今はどこも慢性的にカスタマーサクセスの人が足りていない、もしくはカスタマーサクセス人材不足の状態でギリギリの体制の中で運用してるケースが多いですね。


openpageってカスタマーサクセスのなんの会社?

Tさん:たしかに僕のチームも全然人が足りなくて、僕が異動になったんですよね・・・。え、じゃあ他の会社はどうしてるんですか??

藤島:大きい会社は、実はところどころ外注で派遣社員などに依頼してたりしますね。例えば弊社が懇意にしていただいているベルシステムって会社は大手企業に対してカスタマーサクセスのサポートも始めてます。
ベンチャー企業だと人的リソースの急増は難しいので、業務効率化としてテックタッチを検討し始めてる段階ですね。

Tさん:なるほど、それでテックタッチ~とか言われたりしてるんですね。

藤島:そうですね。openpageもテックタッチでカスタマーサクセスの負担を軽減しよう、という製品なのですが、人がやってる業務の一部をシステムで回せる仕組みを作らないと構造的にSaaS事業というのは回らなくなるんです。

Tさん:勉強になります~・・・!ちなみに、openpageって何をやる事業というか、製品なんですか??

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藤島:一言でいうとカスタマーサクセス専用のテックタッチサイト、より具体的に言えば製品トレーニングサイト構築の事業ですね。カスタマーサクセス業務って製品の説明や成功事例の案内などをしていると思うんですが、それをホームページ上で案内できるための製品を持っています。

Tさん:トレーニングサイトですか~。

藤島:はい。付け加えるなら「会員制トレーニングサイト」で、取引している既存顧客のみがアクセスできるような対象者限定サイトです。トレーニングの他に、いま流行ってるコミュニティで質問ができる機能や、顧客要望(VoC)を取る機能、あとは顧客の製品学習状況を可視化するような機能をつけています。

Tさん:ちょっと難しそうですね・・・!

藤島:たぶんまだ異動したてなのでイメージがわかないかもしれませんね。製品案内の話になってしまうので、今日はここまでにしましょう。
まとめると、、

・カスタマーサクセス業務の基本は長く使ってもらうための支援だったり製品改善、継続的な売上を追っていく、という活動です。

・カスタマーサクセスを成功させるためには、顧客のジャーニーを敷き、ヘルススコアをマイルストーンにみて、顧客体験を作り込んでいくとより良いアクションができます。

・とはいえ、カスタマーサクセスは全社に対して、人によるフォローしていくことは難しいです。一部はシステム化しながらカスタマーサクセスの体制を作っていく必要があります。

といったことが本日伝えたかったことです!

Tさん:一部よくわかなかったことがあったのですが、なんとなくイメージがつかめました!また後日わからなかったことは質問させてくださいね。本日はありがとうございました。

おわりに

お読みいただきありがとうございました。
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藤島 誓也:Twitterアカウント
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