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セールステック・トレンド記事から学ぶ未来(バイヤーイネーブルメントとデジタルセールスルーム)

こちらのセールステックのトレンド記事を読みました。
https://note.com/nakatani_ssl/n/nf4ba7fc6d8f7

中谷さんは、セールステックについては日本一詳しい方と言っていいでしょう。

お会いしたことはないのですが、私もいくつか記事も読んで勉強させて頂いて、すごい知識量だなと思いました。

こちらの記事には、最新のセールステックのトレンド、そしてキーワードが、ほとんど載っています。

さすが中谷さんですごい大作記事です。この記事に関連した私の感想を述べます。

買い手(バイヤー主導)は新しいことを始めるのに困難な状況である

中谷さんの記事で、一番注目するべきは、買い手主導への変化です。

このマインドを持てているセールス組織は日本だとまだ多くはないはずです。

まず、企業の購買プロセスとは、言い換えれば、ある担当が、社内に新しい企画や新規プロジェクトを提案して、承認を得るまでのプロセスと言ってもいいでしょう。

そしてこれは、自分も事業会社に在籍したときはやっていたのですが、大変です。

というのも、上司はもちろん、部長、役員、事業責任者、セキュリティなど色々な人に話を通さないといけません。

中には反対意見を出す人も出てきます。しかも自分より役職が上の人で、反対の説得力もあるので、新しい企画は容易にストップされる可能性があります。

隠れたキーマンを探せ!という書籍の中では、これが行き過ぎた結果、現状維持・投資なし・決裁できず、の企業が増え、セールスが困難になっている様子をデータで解説していました。

始めてはいけない理由、を多方面からツッコミを入れられる中で、

この製品を導入すれば上手くいくし、効果はこれくらいは固いし、運用もちゃんとできる。今の自社の状況から絶対やるべきだ。

を一生懸命に社内説明し、決裁を取るバイヤーの仕事が発生します。

バイヤー主導で動けないセールスは迷惑になる

一方、社内の解説に四苦八苦し、反対意見も無数に受け、話が進まずイラついているバイヤーに対して、特にセールス担当は、単に営業資料を読み上げて、あとはツッツキだけ、ということも頻繁にあります。

打ち合わせ時間をください、と言われて、いざ打ち合わせをしても、単にどうなったか聞くだけで、特に社内に報告するのに役に立つ情報は営業から得られない。この打ち合わせはなんだったんだと、ただ時間がけが取られます。

今月まで回答が欲しいんだ、とセールスに言われるも、バイヤーからして社内の空気は、全然今月中にまとまる雰囲気ではありません。

このようなケースの場合は、セールスのパワー不足ではなく、バイヤーのパワーの不足で導入まで至っておりません。

受注のゴールを決めてくれるのは、セールスではなくバイヤーなので、結局はバイヤーへの施策が必要になるのです。

バイヤーのイネーブルメント状況をデータで捉える

そこで、バイヤーイネーブルメント、デジタルセールスルームのような概念が出てきます。

これは、バイヤーに対して理論武装して、高いモチベーションで社内説明が出来るよう、育成やコーチングをするようなアプローチです。

具体的には、バイヤーにとっては新しい投資やプロジェクトをうまくいかせることが重要のため、ここでカスタマーサクセス的な情報を顧客に渡します。

どのような活用方法で結果を出すのか、契約後はどんなマイルストーンになりそうか、成功させるのに必要なリソースは、費用対効果として見るべきKPIは、進めるのにどんなサポートが受けられるか…など、社内で説得力あるトークが流暢に出来るように情報を揃えて渡します。

バイヤー(買い手)をイネーブルメント(有効になるよう力を与える)を進めていくにあたっては、イネーブルメント状況を測る顧客のデータも必要です。

バイヤー側のデータをしっかり取って、正しく教育や社内説明が進んでるのかチェックする、という、セールスがバイヤーの状況を補足する。セールスのフェーズではなく、バイヤーの能力を捉える、ということが行われます。

そして、この顧客のデータ獲得のためには、顧客とデジタル接点を持ちながら営業を進める必要があります。そこで、デジタルセールスルームの考え方が出てくるのです。

デジタルセールスルームとは、商談を進めるうえで参照するWEBサイトです。

先ほど述べた、顧客の社内承認にあたって説明が出来るような情報提供をするには、メールだけでは足りず、それなりの情報量のあるコンテンツをストックさせておく必要があります。

従来はpdfの資料で渡していたのですが、データトラッキングを行うには、デジタル接点を持ってお客様に伝える。そのためのツールがデジタルセールスルームです。

実は、弊社openpageはデジタルセールスルームとしての機能をすでに設計済みであり、すでに一部ローンチ済みです。

今年もセールステックとして段階的な新機能をローンチしていく予定です。

現状の機能では、バイヤーのタスクのサジェストや社内稟議をあげるための育成をopenpage上で行い、バイヤーを購買プロセスを助けるようなものになっています。

バイヤー主導に変わるセールスの未来

弊社は2018年から事業を始めているので、デジタルセールスルームとしてのカテゴリでは国内で最も先行している自信があります。

バイヤーイネーブルメントとは、バイヤーにカスタマーサクセスのための情報を渡す、ということです。

単に売るだけではなく、顧客の新規プロジェクトを成功させる(カスタマーサクセスさせる)、という視点で営業職がより魅力的な職業に変わっていくでしょう。

そして、このようなセールステック領域はまだまだ発展途上で、中谷さんの貴重な発信含め、もっともっと発信が増えればいいと思いました。

そこでopenpageとしては、セールステックを語るYouTubeチャンネルの開設も検討しています。こちらでセールステックに関するインタビューなどをしていく予定です。

また、私個人としては、ITmediaで新しく新設されるセールス専門の特集サイトで発信する連載が決まりました。

セールステックをどんどん盛り上げていきます。