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2021年のカスタマーサクセストレンド予想

明けましておめでとうございます。
2021年のカスタマーサクセスはどうなるか?どんなトレンドが来るか?
私は海外の主要なカスタマーサクセスベンダー(Gainsight、totango、ClientSuccess、ChangZero)の記事や、米国メディア記事などを漁って最新情報を整理したのですが、最もわかりやすく綺麗にまとまっていたのが、Custifyというルーマニアのカスタマーサクセス製品のベンチャー企業CEOであるPhilipp Wolfさんの記事でした。

ヨーロッパ圏でもオランダのInsided社など米国のCS製品と対等に戦える企業がありますので、米国のみならず世界のカスタマーサクセスの潮流を感じますね。
少し話が脱線しましたが、上記記事の「2021年9つのエキサイティングなカスタマーサクセストレンド」を抜粋しながら、今後のカスタマーサクセスの動きを整理出来ればと思います。

2021年カスタマーサクセストレンド①. カスタマーサクセス人材の需要が高まる

抜粋:
パンデミック以降、将来の成長を保証する数少ない分野の一つがCS(カスタマーサクセス)であることに気づくでしょう。CSはSaaS企業を中心に新たな成長エンジンとなりつつあります。それに伴い、経験豊富なCSプロフェッショナルの需要が高まることが予想されます。

日本でもSaaS製品以外の企業でも「カスタマーサクセス職」を置く企業が増えています。新規顧客獲得が厳しい昨今、既存顧客を企業の成長エンジンとする組織は増えるでしょう。

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2021年カスタマーサクセストレンド②. カスタマーサクセスの自動化がよりスマートになる

抜粋:
昨年、企業はカスタマーサクセスの自動化により顧客の成功のための取り組みを拡大し始めていました。今年は、さらにカスタマーサクセスの自動化プロセスを再評価する時です。優れたカスタマーサクセスソフトウェアには、すでにそのようなオプションがあり、CSM部門はより製品の利用を進めるでしょう。

海外ではカスタマーサクセスに関する製品が先行しており、業務フローの一部をCS製品に任せる動きが増えています。日本においてもハイタッチのCS業務をベースにしながら一部はデジタルで自動化するような取り組みを各社始められると思います。

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2021年カスタマーサクセストレンド③. カスタマーサクセスにおける人間的な要素の必要性が急上昇する

抜粋:
いま増加傾向にあるのは、異常なサポート問い合わせの増加です。セルフサービスではサポートが不足しているのが判明しました。サポートの相手側には人間が必要とされるようになっています。カスタマーサクセス・インタラクションは、より人間的なものにすることが求められます。

米国はチャットボットなどの製品が日本以上に盛んですが、その限界が見られているようです。一方、日本のCSは「人間によるインタラクション」がベースにあるため、日本の「人によるおもてなしCSM」をノウハウとして米国に輸出するような流れも、もしかすると考えられるかもしれませんね。

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2021年カスタマーサクセストレンド④. CXとUXは成功を左右する要因になる

抜粋:
今では、CXやUXが悪ければ、顧客は簡単に他の人にビジネスを移すことができるようになっています。そのため、顧客データを常に活用してCXやUXを改善していくことが、カスタマーサクセスのトレンドになってきています。The Big Book of Churn of Churnによると、ほとんどの解約は顧客が製品の価値を理解する前に起こるといいます。優れたCXとUXは、顧客の離脱を防ぐための「アハ・モーメント」を作り出すために不可欠です。

日本のカスタマーサクセス部門においても、カスタマージャーニーを引いて「負」がないか見直す動きを各社行っているようです。カスタマーサクセスが先導して行う全体の顧客体験改善は今後もトレンドになっていくでしょう。

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2021年カスタマーサクセストレンド⑤. 一部のカスタマーサクセスプロセスは一から作り直さなければならない

抜粋:
2020年7月のレポートによると、3/10のSaaSビジネスがCOVIDによって「壊滅的な打撃を受けた」という。さらに3/10は "影響を受けた "としています。
例えば旅行会社向けに特化したSaaSツールであれば大きな変更を余儀なくされたはずです。SaaSツールの形態によっては、ビジネス・アプローチ全体の見直しとともに、カスタマー・サクセス・プロセスの見直しが行われるでしょう。

SaaSのカスタマーサクセスにおいて、小売サービス業など顧客の業態によって支援の方法を再検討しなければならないケースも多いでしょう。
コロナウィルスによるCS体制の見直しは2021年も必要となりそうです。

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2021年カスタマーサクセストレンド⑥.プロアクティブ・エンゲージメントが当たり前になりつつある

抜粋:
カスタマーサクセスのプロアクティブなアクションについては、2021年にはより大きな規模での運用見られるようになるかもしれません。まだまだ企業によるコンタクトは増やせますし、自動化されていないメールも多いはずです。「プロアクティブになろう」は今まで以上にCSMの手で実現されるでしょう。

プロアクティブにアクションを取るカスタマーサクセスの取り組みは、日本だけでなく米国においてもまだまだ出来る余地があるようです。
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2021年カスタマーサクセストレンド⑦. 優れたCSソフトウェアへの投資がブームになる

抜粋:
カスタマーサクセス・スペシャリストの需要の高まりともに、優れたCSソフトウェアへの投資も増加します。ほぼすべての業界のCSMやビジネス・リーダーは、2021年に向けて世界の状況を考慮した一貫したCS戦略を策定することを求めています。そのため、CS部門には、以下のことを可能にするSaaSツールが必要になるでしょう。

・顧客と顧客の旅路を360度完全に把握することができる
・成長とアップセルの可能性を十分に見極める
・顧客の健康状態を追跡できるメトリクスを計測できる
・より複雑でパーソナライズされた自動化を実現できる
・新しい人を雇うことなく、チームの取り組みをスケールアップさせる
・簡単に自動化できる様々な作業に費やす時間を節約する

日本においてもカスタマーサクセスの人数は増えており、組織化の過程の中でカスタマーサクセス業務のROIを示すための動きも増えていくでしょう。
カスタマーサクセスのROIを示すための指標化には何らかのデジタルツールの導入は必須です。

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2021年カスタマーサクセストレンド⑧. CS活動のROIとCSMへの関心は高まる

全般的な経営コストが上昇し、収益が減少または維持の中で、多くの企業は様々な部門のROI値を分析することに目を向けるでしょう。その中にはカスタマーサクセス部門も含まれています。CSMは自分たちの仕事をしっかりとアピールする方法を必要とします。優れたCSソフトウェアはそこで役に立ち、明確な効率性の指標を決定することができます。

○顧客維持率:解約率と顧客維持コストがまとめられたシンプルな指標
○クロスセリングの機会:顧客が追加した新しいサービスや機能の数
○リードジェネレーション:CSMによってもたらされた、または支援されたリードの数
○ブランドのアドボカシー:製品やビジネスを積極的に宣伝してくれる忠実なブランドの支持者の数

潮流7に同じく、カスタマーサクセス部門における指標管理は2020年に引き続きトレンドになるでしょう。

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2021年カスタマーサクセストレンド⑨. 企業のすべての部門とカスタマーサクセス部門との目標を統合していく

抜粋:
顧客の成功はCSMやCS部門だけの仕事ではありません。他の多くのチームの関与が必要です。
・営業チーム
・カスタマーサポートチーム
・マーケティングチーム …etc
CSMの仕事には、これらの他チームのダッシュボードに、CSのデータも表示させ、顧客の成功を向上させるという役割を理解してもらうことも含まれています。

カスタマーサクセスを真に行っていくには、カスタマーサクセス部門のみではなく全社の協力が不可欠です。
そのために、他部門にもカスタマーサクセスが何を追いかけて、どのような業務を行っているかを理解してもらう社内啓蒙活動が必要となるでしょう。

2021年カスタマーサクセストレンドまとめ

①. カスタマーサクセス人材の需要が高まる
②. カスタマーサクセスの自動化がよりスマートになる
③. カスタマーサクセスにおける人間的な要素の必要性が急上昇する
④. CXとUXは成功を左右する要因になる
⑤. 一部のカスタマーサクセスプロセスは一から作り直さなければならない
⑥.プロアクティブ・エンゲージメントが当たり前になりつつある
⑦. 優れたCSソフトウェアへの投資がブームになる
⑧. CS活動のROIとCSMへの関心は高まる
⑨. 企業のすべての部門とカスタマーサクセス部門との目標を統合していく

おわりに

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