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セールスイネーブルメントの本質と実践のポイント

こんにちは、openpage代表の藤島です。今回は、セールスイネーブルメントについて私の考えをまとめ、生成AIに文章化してもらいました。

セールスイネーブルメントという言葉は、最近よく耳にするようになりましたが、実際のところ何を指すのかわかりにくく、ちゃんとした情報も少ないのが現状です。多くの方が、社内向けの研修やドキュメントを揃える程度の取り組みだと認識されているのではないでしょうか。ツールベンダーの中にも、セールスイネーブルメントについて適当なことを言っている例が見受けられます。

そこで今回は、セールスイネーブルメントの本質について整理し、実践のポイントを解説していきたいと思います。

セールスイネーブルメントとは

セールスイネーブルメントとは、簡単に言うと、営業プロセスを前に進めるためのナレッジ、教育、コンテンツ、プロセスなどの整備のことです。SalesforceのようなSFA(営業支援システム)が前提となっており、SFAは営業プロセスを分解するようなツールです。

営業プロセスの可視化とステージ分解

SFAを使うことで、顧客との商談プロセスを以下のようなフェーズに分解します。

フェーズ1:商談見極め
フェーズ2:顧客課題と目的の把握
フェーズ3:実現策の提案と同意
フェーズ4:キーマン・決裁者との提案内容の同意
フェーズ5:価格スケジュールの合意
フェーズ6:稟議決裁の完了
フェーズ7:契約手続き対応中
フェーズ8:成約

そして、定期的な会議や営業の日々の活動の中で、顧客ごとにそのフェーズをステータスとして設定していきます。この営業プロセスの可視化とステージ分解が、セールスイネーブルメントの前提となります。

可視化されたプロセスとステージによって、営業活動の進捗状況が明確になります。どの案件がどのステージにあり、次のステージに進むために何が必要かが一目瞭然になるのです。これにより、営業マネージャーは部下の営業活動を的確に把握し、適切なアドバイスやサポートを提供できるようになります。

ステージを進めるために必要なこと

営業プロセスが分解されている前提で、そのステージを前に進めるためにやらなければならないことを、セールスイネーブルメントとして考えます。例えば、「実現策の提案と同意」から「キーマン・決裁者との提案内容の同意」に繋げるためには、決裁者向けのシミュレーション資料、決裁者とのロールプレイ、商談時のアジェンダなどが必要になります。つまり、ステージを前に進めるために必要な営業のコンテンツ、教育、ツールなどが、セールスイネーブルメントなのです。

ここで重要なのは、単にコンテンツを用意するだけでは不十分だということです。営業担当者が、そのコンテンツをどのように活用すれば良いのか、どのようなスキルが必要なのかを理解し、実践できるようにならなければなりません。そのため、セールスイネーブルメントには、コンテンツの整備だけでなく、営業担当者の教育やトレーニングも含まれるのです。

セールスイネーブルメントの特徴

従来の営業教育や研修との違いは、SFAを導入することで、営業担当者個人の商談ステータス状況がわかるようになり、セールスイネーブルメントをピンポイントで実施し、その効果を計測できるようになることです。

例えば、「商談は取れるが価格スケジュールの合意ができない」という営業担当者に対して、価格交渉力を強化するためのセールスイネーブルメントを行うことができます。このように、営業担当ごとの弱点を特定し、それを改善するための教育やサポートを提供できるのが、セールスイネーブルメントの大きな特徴です。

そのため、先進的な米国企業では、営業マネージャーが自分のチームの営業担当者の課題を数字で把握し、その課題を解決するためのセールスイネーブルメント計画を個々人に対して立てるようになっています。セールスイネーブルメントは、一見するとふわっとした取り組みに見えますが、実はかなり具体的な営業業務の改善プロセスなのです。

日本企業の課題とセールスイネーブルメントの落とし穴

ただし、日本企業の多くは、そもそも営業プロセスの分解やSFAへの正しい入力ができておらず、顧客のステージを適切に判断できていないのが現状です。また、いくら社内を教育したとしても、顧客からすればそれは関係のない話です。顧客が投資の意思決定に必要な情報を営業から得られないのであれば、業績は変わりません。

そのため、セールスイネーブルメントの取り組みが、表面的なものに留まってしまい、無駄になってしまうケースも少なくありません。業績に直結させるためには、営業プロセスの理解、顧客のステージを踏まえた提案、そしてその提案が顧客の投資意欲や成功確率を高めるものかどうかまで深掘りしていく必要があります。つまり、セールスイネーブルメントは付け焼き刃では成果が出にくいのです。

openpageのセールスイネーブルメントへのアプローチ

openpageがコンサルティングを行う際は、単に営業プロセスに沿って表面的に研修資料を揃えるようなことはしません。もちろん、テンプレート的な理解は必要ですが、それ以上に、準備したコンテンツが本当に顧客の購買意欲を高めるものになっているかを徹底的にチェックします。

時には、顧客にインタビューを行い、提供した情報を受け取った際に、その会社の製品にお金を投資したくなるかどうかを直接尋ねることもあります。なぜなら、セールスイネーブルメントは自己満足に陥りやすく、研修や教育は社内目線になりがちだからです。意図的に顧客の目線を持ち、顧客の投資や成功に向き合ってセールスイネーブルメントを設計しなければ、本当の意味で効果は生まれません。

まとめ

セールスイネーブルメントとは、営業プロセスを分解し、各ステージで必要なスキル、ナレッジ、コンテンツを営業担当者に提供することで、営業活動を改善し、業績アップを目指す取り組みです。ただし、形だけの取り組みでは成果は生まれません。常に顧客の視点を持ち、顧客の投資意思決定に資するものになっているかを検証しながら進めていくことが肝要です。

セールスイネーブルメントは、まだ理解が進んでいない領域ですが、今後ますます重要性が高まっていくでしょう。自社の営業プロセスを見直し、顧客目線でのセールスイネーブルメントを実践することが、これからの営業組織に求められています。適切なセールスイネーブルメントを通じて、営業の成果を最大化していきましょう。​​​​​​​​​​​​​​​​