見出し画像

「薬だけ」では うつ病は治らない

コマツの うつ病エピソードは、4週6休で病棟・外来を担当して日当直もある病院の正職員だった時期には3回もあった。最後のエピソードの時は、急性期にも半日の外来診療を続けた事など諸般の条件が重なって、当直をしたり時間外の研究会参加ができる状態までは回復しなかった。40代を「9時5時オンナ」で過ごした。
そこで、再婚したツレにくっついて移住する時に考えました。正職員であることにこだわるのはやめよう、って。思い切って、週4日32時間の常勤パート職員として採用してもらった。札幌時代も行政等から依存症等に関する啓発レクチャー・事例検討会などの注文がそこそこあったので、「平日の外来を行政のお仕事がくるたびに潰すのはたまらんなぁ」「土曜日曜に何かあった時も平日に1日出勤せずに休めたら、ずいぶん体力が回復するだろうなぁ」と感じていたので、ほんと思い切ってそうしてみた。
これがね、良かったんですよ!!
計17年ずっと抗うつ薬と睡眠薬を内服していたが、移住の準備作業が進むにつれて抗うつ薬は漸減できて中止した。時効だから白状するけれど、トレドミンは主治医を拝み倒して150㎎~200㎎/day(通常のmaxは100㎎/day)処方してもらった時期が長かったのに。だいぶ減らして最後に残ったレンドルミン(ベンゾジアゼピン系睡眠薬)0.25㎎1錠は移住後も1年くらいは使っていたが、これも漸減中止できた。「抑うつエピソードを3回以上繰り返した場合は、ずっと維持療法で抗うつ薬は続けるべし」というエビデンスがあるので、自分でも半ば薬を止めるのは諦めていたんですが。
それだけではない。トータルの仕事の生産性が爆上がりした。自己紹介のところに書いてある専門書の著作は2つとも、移住後の仕事です。その他 最近、『「ガマンしない断酒」のヒント集』という税込み500円のブックレットも作ったし、『てたカモProject』という啓発動画2作の制作監修(第1作は資金提供も)もした。体力的には40歳代というピークをとうに過ぎているはずなのに。
コマツの体験は、医師という職業の特殊性が多いに絡んでいるだろう。週4日の常勤パートでオンナひとり食べるには全く困らない収入が得られる職業は、今の日本ではそうそうない。・・・ま、パートと言いながら月30~50時間残業してはいるのですが。労基法遵守の職場なので、時間外手当はちゃんともらえている。
「置かれた場所で咲きなさい」は基本的には間違いじゃないかな、と思いますね。環境を変えることで、劇的に改善して病気が寛解した患者さんの実例は意外に多い。そして、これって7月2日に投稿した『人間は走るために生まれてきた』に通じるものがあると思うんですよ。だって、「うつ病」って過度なストレス・無理な生活が引き起こした脳の病気だからね。  (続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?