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パイロットになるには、どこの訓練ソースが良いのか


 Noteを見ていると、パイロットになりたい人は今でも結構いるもんだと感心している
 だから、今日はパイロットになる方法を書きたい。
 散々仕事の文句を書いてきて言うのもなんだが、それでもパイロットは素晴らしい仕事だと思う。
 何年も仕事をしていれは、いろんな思いはわく。この会社は馬鹿じゃねーの!、上司はクソ!、こんなきつい勤務やってられねーぜ!、CAが冷たい、コパイもっとしっかりしてくれ、などなど。声を大にしては言えないことを、心の中で毒吐きながら仕事をしている。
 でも上手く高度が選定できて快適にお客様を運べたとか、多少のトラブルもあったけどコパイや会社やCAと協力できて上手くいったとか、もっと些細に着陸がうまくいったってこととか、多分誰も褒めてくれないであろう自分だけが知っている数々のファインプレーに酔いしれて、充実感を感じている。
 パイロットはやはりとても良い仕事だ
 今回はいくつかの訓練ソースの話をするが、特定のソースをけなすつもりはない。もとよりパイロットは実力の世界だ。どんなソースであろうと会社の水準を満たしたパイロットであれば良い。だから学歴は一切関係ない。東大卒から高卒までが同じ仕事をしている。同じ訓練ソースであっても優秀な人もいればそうでない人もいる。だから訓練ソースの議論も、結論は「結局その人次第だよね」と言うことになってしまう。
 ただ、将来を考える若者にとっては、どこに進むのが自分にとって良いか悩んでいると思うので、全くの私見であると言うことを前提に色々書いてみたい。

 ①自社養成 花形に見える。当然だが訓練費用は全部会社が出してくれる。給料をもらって訓練が受けられる。他のソースからするとありえないほど羨ましい環境だ。倍率も高く、大抵は爽やかで格好良い容姿で会社内ではエリートだ。本人は将来を約束されたような気になると思うが、実はそうでもない。航空会社は景気の変動による業績の上下が大きい業種だ。景気が悪くなると、将来の路線数の予測も変わり、必要なパイロットの数も変わり、パイロットそんなにいらないじゃないって話になって、一番立場の弱い訓練生が切られる。それに当然であるが訓練はべらぼうに金がかかる。景気が悪くなって会社に金がなくれば、当然訓練自体がなくなる。いつの景気でどうなったとか具体的に書くと、僕の年齢もバレるのでこれ以上はかけないが、これまでも景気の煽りをくらって厳しい目に遭ってきた自社養成の人たちがたくさんいた。だから自社養成は、景気が悪くなって訓練が無くなりたとえパイロットになれなくても、その会社にいたい人と思う人が行けば良いと思う。
 ②航空大学校 国立の学費と寮生活費で免許がもらえるのでお得ではあるし、戦後のパイロットソースを担ってきたという点では、業界エリート(エリートというほどの希少性はないけど)かもしれない。一定の信頼はあると思う。超体育会系で厳しいのでは?と思うかもしれないけど、まあその通りかもしれません。自社養成より良い点は、景気の影響で訓練が無くなるという事がないという点です。航空大学卒業で免許があれば、航空業界のどこかには行けるでしょう。どうしてもパイロットになりたいのなら、航空大学校が良いかもしれない。
 ③私立の航空学科 ここの出身のパイロットがどんどん増えてきています。現場では最初、私大出身と言っただけで態度が変わる航空大学校OB機長もいたそうだけど、今では私大卒業生もたくさんいるからそんな事はない。多分2000万とかお金がかかるけど、航空大学校や自社養成より2年位早くパイロットになれるので、元は取れる。ただ、就職できればという条件つきです。就職できなければ多額の負債を抱えるので、普通のサラリーマン家庭ではなかなか厳しいのではないか。ここ出身の人には、実家で商売をやっている金持ちの子供が多い気がする。そうでなければ、おじいちゃんが山を売ったとか、涙ぐましい家族愛の話も聞いた事もある。
 ④海外で自費 昔は自社養成や航空大学校に入れないと、ここから目指す人も多かった。ネームバリューも少ないのでより厳しいとは思うけど、そうやってパイロットになった人はいくらでいる。同僚で何人もいる。ただ、その向こうのなれなかった人の数を想像すると、なかなか人には進められない。今の時代は私大にいった方が良いのではないかと思う。
 ⑤自衛隊 割愛と呼ばれる制度で、正式に組織が認めた形で転職してくる人もいれば、自衛隊の訓練途中にドロップアウトした人が自費で免許を取り直してくることもある。部隊に配属中にやめてくる人もいたけど、最近はどんどん厳しくなってきているのではないか、という印象がある。割愛は長年自衛隊に勤めた優秀な人が論功行賞的にくる狭き門だし、その他も可能性的には厳しいので、民間の航空会社のパイロットになりたいから自衛隊に行くというのは、あまり現実的ではないと思う。でも、最初から民間のパイロットになるつもりで自衛隊に行って、それからきた同僚もいるので、不可能ではないのだろう。

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