ワンピースカードゲームにおける確率の活かし方

カードゲームにおいて次に引くカードが何であるかは神のみぞ知るわけですが、確立として捉えることは出来ます。確率はあくまで確率で答えをくれるわけではないですがプレイヤーの重要な判断材料の一つになるので、基本的な数字を理解しておくことに意味はあります。毎回計算していると時間が無くなるのでおおよその数字と計算パターンは覚えておきましょう。

デッキ構築における確率の活かし方

4枚積みか3枚積みか?

デッキ構築をしているとあれもこれも入れたくなりついつい4枚積みを3枚積みに変えて種類を増やしたくなります。実際に4枚積みと3枚積みとで確率的に何がどのくらい変わるのか確認してみましょう。
初期手札(5枚)に1枚でも入る確率
・4枚積み:35%
・3枚積み:28%
(・2枚積み:19%)
印象的にはそんなに大きな差はないように感じます。

では次にゲーム中に手元に1枚でも入る確率はどうでしょうか?
(ゲーム中にひく手札枚数は初期5枚+ライフ4枚+山札6枚と仮定)
・4枚積み:77%
・3枚積み:47%
(・2枚積み:26%)
この視点で見ると大きな差を感じます。

つまりゲームを通してどうしても1枚は欲しいカードは4積みすべし、と言えます。

一方、1枚は欲しいけど2枚以上引くと困ることが多いようなカードもあると思います。(タイミングにもよりますが)
4枚積みと3枚積みで2枚以上手元に来る確率を比較してみましょう。
・4枚積み:34%
・3枚積み:15%
なるほど4枚積みだと1/3の確率で手元に来るわけで3枚積みの1/7とは大きく異なる印象です。

つまりデッキに入れる以上どのカードも、状況に左右されるものの、引きたいカードには違いない。その中で4枚積みか3枚積みかを判断する基準は、
・どの対面でも常に1枚は欲しいカードか
・2枚引いても困らないカードか
の2点で決めるべき(両方○なら4枚積み確定!)、と言えます。

サーチカードは本当に有用か?

サーチカードの有用性について、欲しいカードを引けるかどうかの確率論から考えてみましょう。もちろんサーチカードの有用性は欲しいカードを引けるかどうかだけではないです。サーチカードは赤ゾロのようにアタッカーとして機能したり、そもそもリソースを増やすことに貢献しています。ただ今回は絞り込んで欲しいカードを引けるかどうかという点だけを確率から考えてみます。
(状況設定は先1に1コスとのサーチカードを出した場合、手札に目的のカードは1枚もない、目的のカードは4枚積み)

サーチカードが目的のカードを引く確率は、39%です。
ちなみに目的のカードが2種類あれば確率は、64%です。
「対象なし」にならない確率ももちろん大切ですが(外れなければ手札が1枚増える=リソース確保の役割は果たすので)、本来のサーチの役割は今このタイミングで引きたいカードがあるから使うわけで、この確率を頭に入れておくことは意味があるかと。
上級者と初心者の差の一つがここにある気がします。
初心者はサーチカードがあってドンの余裕があれば優先的に使ってしまいますが、上級者は今このカードが欲しいという明確な意思がない場合は使わない印象があります。
(私がサーチカードを積極的に採用しないのはこの判断がうまくできる気がしないからでもあります。上手くなりたい、、)

結論として、手札に必要なカードがすべて揃っているなんてことは確率的に恐ろしく低いので、それを補完する意味でのサーチカードは有用です。ただし、うまく使いこなすには、今この瞬間このカードが必要という明確な意思と引ける確率がどれくらいなのかを理解しておくことが大切です。

マリガン基準への確率の活かし方

次にマリガン基準に確立を活かしていきましょう。
前述のように初期手札(5枚)に1枚でも入る確率は
・4枚積み:35%
・3枚積み:28%
(・2枚積み:19%)
です。よくあるデッキ解説は、この対面ではAのカードはマスト、B,Cはあるとベター的な書かれ方をしていることが多いです。
◎A
〇B,C
しかし4枚積みしたとて1/3の確率であり、マリガンにチャレンジしたとてやはり確率は1/3なのです。だとするとこのマリガン基準の明示の仕方で本当に意味があるのでしょうか。理屈としてはあっていますが、実際のゲームでマリガンするかどうかの判断基準としては機能していない気がします。実際上級者の方はこのような単純なマリガン基準で判断していないと見受けられます。

ではあるべきマリガン基準の明示の仕方はどのようにあるべきか?

先日書いた【4.5弾環境】赤紫ローを例に考えてみると

アプローチは、
・カードを役割・機能×コストカーブでとらえ
・どこがマストorウォントなのかから価値を点数化
一定点数を超えていればキープするというロジックなのではないでしょうか?

対赤ゾロ、後攻選択
後2 小型対策 2ベポ③>ビスタ②  計6枚:49%※           
後3 パワーダウン ゴードン②>4FILMロー②>お玉① 計12枚:76%※
    6000アタッカー キッド③>マルコ②  計8枚:60%※
    ドン回復   シャチペン②>4ベポ②   計8枚:60%※
※%はどれか1枚でも引ける確率
最初の手札で4種類の機能のカードを各1枚づつ引ける確率は14%(49%×76%×60%×60%)です。当然どこかで妥協が必要です。そこでマスト機能には③点をウォント機能には②点を振り分け、合計点数が⑥点以上ならキープする、とったマリガン基準がいいのではないでしょうか?
(単純に期待値を計算すると5.3くらいなので)
緻密すぎる気はますが、結局上級者は瞬時にこの辺りを感覚的に処理して判断している気がします。

この論点は今後もまだまだ研究が必要です。


リーサル場面の相手カウンター値の推測

実際にリーサルに行くかどうかを考える場面では、確率からの数値予測は判断材料の一つにすぎません。ここまでのサーチから手に入れたカード、手札の切り方、気配もろもろ総合的に判断するわけです。なので単なる数値予測を手早く出す手順だけをお話します。
まず相手のデッキ構成を予想してください。イベント+ステージとキャラクターがおおよそ何枚づつ入っているか。環境初期は予想が難しいですが、えいやで決めてください。仮に、
イベント+ステージ:12枚
キャラクター   :38枚
と予想したとしましょう。
では次にこのデッキがカウンター値が多いほうか?少ないほうか?あるいは普通かを決めてください。
私はカウンター値の合計を
45k~ :S
40~44k:A
36~39k:B
~35k :C
とランク付けしています。
相手のデッキはどのランクかを予想します。
仮にAだとしましょう。

相手の手札は6枚、アクティブのドンは1枚。
カウンターはたぶんラディカルビーム。(もちろんブラフの可能性はあり)
トラッシュは6枚ですべてキャラ。カウンター値は2,2,2,1,1,0。
手札のイベント+ステージの枚数予測は、
6枚×12/50=1.44枚 →1枚と推定
5枚のキャラクターのカウンター値予測は、
Aランクの中央値42kからトラッシュのカウンター値8kを引く →34k
相キャラクター枚数38枚からトラッシュの6枚を引く →32枚
キャラクター1枚当たりのカウンター値平均は、34k/32枚 →およそ1k
手札5枚で5kのカウンター値(2,1,1,1,0)+ラディカルビーム4kと予測。

これがCランクだった場合、
(34k-8k)/32枚×5枚=4k(2,1,1,0,0)
と予想できます。

0~計算式を考えるのは時間がかかって非現実的ですが、パターン化して素早く計算し、判断材料の一つとして使えるよいですね。

S,A,B,Cの4パターンはやや複雑なので3パターンにして中央値を、
40、35、30とかにしておくとメリハリが出てよいかと思います。

あとは相手のトラッシュを確認させてもらってキャラクターの数とカウンター値の合計を出せば計算できます。


確率を真面目に考えるとずいぶんと難しい話になってしまいますが、経験豊富な上級者の方々に短い時間で少しでも差を縮めようとする努力としては報われるものだと思います。
これからも論点あれば追記していきます。

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