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多重露光作品の「スマホで撮ってスマホで加工する」の“後ろめたさ”が消えるまでのこと。

私は多重露光の作品用の写真をスマホで撮って、アプリで加工しています。当初は、気楽に始めた(現実逃避の)趣味だったの、それで問題はなかったのですが……。初めて展示してみようと思ったときに、急に不安になりました。

カメラで写真を撮っている人から非難されるのでは!? スマホアプリで加工だなんていい加減ね!言われるのでは!? スマホの小さな画面でならば許されても、大きくプリントして展示するのはどうなの!?  などなど。

この不安の底には、仕事でご一緒するカメラマンさんの技術の高さを実感していたり、趣味とはいえ両親が本気で写真に取り組んでいたりということがあり、「手軽に撮影して手軽に加工している自分」の後ろめたさにつながっていたのだと思います。それでも展示してみたいと思ったのは、自分が制作しているものに対してお客様からのジャッジを受けたいと願ったからでした。

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展示がスタートすると、多重露光作品は予想以上に好評で驚きました。イラストなど、他にも色々展示してあるのに、多重露光作品を目指してく部屋に入って来てくださる方が何人もいて、たくさんの勇気をいただきました。

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しかし、不安が完全に消えるまでには、もう少し時間が必要でした。プリントと額装についての講座を受講したときも、周りの人にどう思われるかが心配で、プリント作業をコソコソとやっていると……。席が近かった方から「素敵ね、見せてくれる?」と言われてここでもビックリ! このことがきっかけで、何で撮っているか、加工しているか否かは、案外どうでもいいことなのだと思えるようになりました。

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また、テレビ番組で山岳写真家の方が言っていた「アナログで1点ずつ撮影するという方法が、自分にはとても馴染むんです」という言葉も、考え方を変えるきっかけになりました。他人や世の中はどうあっても、どう変化しても、自分が一番いいと感じる方法を大切なのだと。私は「スマホで撮って、スマホで加工する」というのが、一番やりやすいし、一番自分にとって馴染むのだ!と思えるようになれたのです。

周囲の人があれこれ言うかもという心配や不安は、私自身が作り出したお化けのようなものだったのかもしれません。大切なのは「自分が納得できるかどうか」。

もう一つ、アプリをAdobeのPhotoshopmixに変えたことも、私にとって大きな転機になりました。それまで使っていたアプリは加工の度に画像サイズが小さくなっていたですが、Photoshopmixは加工しても当初のサイズのまま、しかもレイヤーを保持したまま、パソコン上のPhtoshopへ送れます。これは展示をする上ではとても大切なことなのです。

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多重露光を始めて約6年。こんな経緯があり、今では堂々と「スマホで撮って、スマホで加工しています」と言えるようになりました。 次回へ続きます。






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