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高校生の他愛のない妄想

14日目(10月21日)

明日は修学旅行だ。書くことは特に無い。日記を始めて今日で2週間がたつが、これまでにも書くことが特に無い日というのはあった。しかし今日に限っては本当に無い。話を膨らませるにしても、その大元が全く無いので膨らませようがない。どうしようもないので、今日は日頃私がしているどうしようもない妄想の一欠片を皆さんに紹介していきたいと思う。

・大怪獣の妄想
これは割とオーソドックスな妄想だと思う。窓際の席になったことがある人なら誰もが一度はしただろう。3階にある教室からは遠くに立つビルや電波塔?が見える。その更に奥から、青みがかった大きな大きな生き物が顔を出す。今回は首がながく、四本足で歩行するタイプだ。さながら首長竜ディプロドクスといったところか。大きさはその5倍はくだらないが。その巨体は山びこの様な咆哮を一つした後、横に長く伸びた尻尾と首を振り回し、周囲の建物をウエハースの様に薙ぎ倒した。それは神の所業というような高尚なものではなく、むしろ年端のいかぬ子供が積み木を崩すかの様な幼稚さを感じた。その余りにもスケールの大きい積み木遊びを、私は教室の窓から眺める。

・テロリストの妄想
これこそ一番最初にするべきだったかもしれない。妄想の代名詞。教室で授業をしていた教師の頭が拳銃で撃ち抜かれるところから始まるあれである。テロリスト達は複数人で、どうやら組織的な犯行の様だ。教室にはその内の1人が入ってきた。マスクを被っていて顔が見えないが性別は男で身長は170㎝後半といったところ。人質を1人選ぶと言っている。ここで私は手を挙げ、マスクの男に近づいていく。男が大きな声で私を威嚇したところで容赦なく右ストレートを振り抜く。この妄想は何回もし過ぎてここまでの流れがテンプレになってしまった。そろそろ新しい展開が欲しい。

・奇声の妄想
これはいたってシンプル。教師が真剣に話しているとこの妄想をせずにはいられない。どうやら教師はこれからの進路について話している。大学入試の制度も変わったことへのの戸惑いもあるのかもしれない。それを包み隠すかのように語気が強くなる。諸々の話がひと段落つき、教師が一呼吸置いた。今だ!
「ウキーーーッッ!!!ウキャァァァァ!!」
「ニーニー!!ニィーーーッッッ!」
声をあげたのは私だ。勢いよく席から立ち上がり目をかっぴらいてハイトーンボイスをかき鳴らす。その爛々と輝く目は真っ直ぐに教師を見つめている。ただ真っ直ぐに、その奥の深淵を覗き込む。

今回は3つほど紹介することができた。これらは私のよくする妄想のほんの一欠片に過ぎないが、皆様には十分な刺激となったのではないだろうか。

では、健やかな夜を。さようなら。





#日記 #ディプロドクス

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