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男子高校生の絵画鑑賞『散歩、日傘をさす女』

なんだこれ?と思ったあなた、頭の回転が鈍いぞ。DK(男子高校生)の絵画鑑賞だ。そういうことだ、じゃあ始めます。

さすがに唐突すぎるな。ちゃんと事情を説明すると、「美術をお勉強しよう」ということだ。一昨日の日記でも書いた通り私は美術予備校に通っていて、いわば美大受験生である。しかし私は美術、絵画を知らな過ぎるのだ。お話にならない鼻クソレベル。多分一般教養のある人の方が全然知ってる。
それの何が問題なのかというと、知っている・知らないで絵のクオリティに大きな差が出てくるからだ。これは少し考えれば分かることで、例えば漫才師は何千本と漫才を見るし、ミュージシャンで音楽を聴かない人間はいない。スポーツ選手や料理人、将棋棋士…etc。とにかく先人から学ぶのだ。そういうことだ。前書きはこのぐらいにしといて、もうそろそろ本題を始めてしまおう。

※画像は載せられないので検索してみて下さい


クロード・モネ「散歩、日傘をさす女」

検索すれば一発で出てくる超有名作品。個人的にめっちゃ好きな絵だけど、正しい題名は最近知った。モネが自分の奥さんとその子供を描いた絵で、中心に日傘をさした奥さんが置かれた構図になっている。(モネは自分の家族を絵のモデルとすることが多かったらしい)
私が最初感じたのは、眩しさのような感覚だった。青い空をバックに逆光ぎみに映る女性。清々しい空の青さと女性のシルエットが私の心を掴んだ。そう、とにかく青が綺麗で初めて見た時から強く印象に残っている。その青の明度が画面の中心に向かって上がっていくことで自然と女性に目がいく。あくまで主役はモネの妻なのだ。他にも、草木の影や雲の流れで彼女に視線を誘導する工夫が見られる。シンプルな構図でも随所に作家の意思が宿っていることを実感した。すごい。
また、なんといっても最大の魅力はその筆致だろう。雲や草原を見ればよく分かるが、大胆に流れをつくりながら描いている。女性のスカートがなびいていることから、その瞬間に風が吹いていることが読み取れるが、そもそもの筆運びからも風を感じることができる。全体がひとつの空間にあり、そこの空気感、環境、それら全てが絵に詰め込まれているように思う。だからこそ、「絵に入り込む」ような感覚を人々は覚えるのだ。見るものを絵の世界に引き込む力が、良い絵にはあるのだ。
個人的に好きなポイントを挙げるとすれば、女性のポーズだ。日傘をさして、こちらに振り向き視線を送る。なんとも魅力的だ。モネが妻をどれだけ愛していたかが伝わってくる。そりゃ好きな女の人は素晴らしく描きたいよね。モネさん、最高っす。
描き忘れていたが、モネの描く絵はどれも色彩が見事だ(どれもとか言うほど見てない)。要所要所に鮮やかな色が見えて、その全てが輝きを放っている。草に落ちる影の赤、女性の肘に入る黄色。文字で描くと違和感があるかもしれないが、絵を見てみると色同士が非常に美しく噛み合っている。画面全体から溢れ出る鮮やかさ、眩しさは、ここから来ているのかもしれない。ここまで書いた要素が一気に視覚を通してぶっ込まれるのだから、そりゃ良いに決まってるよな。うんうん。

(終わり)






#美術 #絵画

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