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悩みたくないけど悩みたいランドセルの話

たかがランドセル、されどランドセル

子どもが小学校に入学するにあたって準備するものの象徴でもあるランドセル。
たかがランドセル、されどランドセル。
我が家の悩んだけれど悩まなかった、だけど満足したランドセル選びについてお話します。

「ラン活」という世界への興味と躊躇

世の中には「ラン活」なる言葉もあるほどランドセル選びというのは一種のイベント、通過儀礼のようなものになってきています。
カタログ請求やイベントの案内などもどんどん前倒しになってきているとか。
下調べは、子どもが幼稚園や保育園の年中からしていることも少なくないようです。
「ラン活」という言葉に踊らされたくない一方で、どんなランドセルがあるのかも興味津々でした。
自分が子どもの頃とは違って、色も形も装飾も選択肢がある。
うちの子は男の子だけど、それでも黒でない色を選ぶ可能性だってある。
「ラン活」に振り回されない程度にいいランドセル選びをしたいという気持ちがありました。
しかし、ランドセル選びには私が思っていた以上に大事なことがあることに気付かされたのです。

運命のランドセル屋さんと出会う

実は、いろんなブログを徘徊するのが趣味だった育休時代。
そんなときにあるブログに出会います。
それは、あるランドセル屋さんのブログ。
何となく興味本位でのぞいてみたらびっくり。
そのランドセル屋さんはメーカーでも工房でもなく、販売が専門だったのです。
ランドセルの宣伝ってメーカーや工房がするものだと思っていたので、ブログの主がランドセル販売専門店ということに驚きました。

そのランドセル販売店は、フィッティングの重要性を強調されていました。
もちろん、軽量化とか背カンとかメーカーや工房で工夫を凝らされているところはありましたが、この販売店が大事にしているのは個人に対してのフィッティングでした。

どんな機能も万人に合うものではない。

だからこそ、さまざまな製造元のランドセルに対して知識を持ち、試験をして、そして実際に背負う子と対面してランドセルを選択して購入してもらう、こんなことをしてくれるところは他にはないと思い、ランドセル購入時までブログを追いかけていました。
何なら、時々購入後の今も覗きに行ってます。

ランドセルを背負って通学できるかという心配を払拭するために

なぜ、私がランドセル選びに対して「フィッティング」ということに惹かれたのか。
それは、子どもの成長の様子からでした。
身体の成長はゆっくりで、成長曲線も標準の範囲内の下限をなぞるようになっていたうちの子。
そして、1歳半を過ぎても歩かなかったという事実。
(1歳8か月くらいで歩き始めました。)
一応何も問題はないと言われてしまう範囲ではあるものの、身体が小さいこと、運動面の発達がやや遅いこと。
このことは、私の心の中にずっと心配の種として留まり続けていました。

そして、子どものランドセルを購入を意識し始めた年中の頃。
身体も小さく、体力もない、運動神経もあまりよくなさそう。
通学路は短い距離ながらアップダウンを繰り返す道。
田舎なので、保育園も買い物もどこに行くにも車に乗る生活で、そもそも自分の荷物を持って歩いて移動する経験が圧倒的に少ない生活。
こんな中で小学校に入学してランドセルを背負って歩いて通学できるのか。
不安と心配しかありませんでした。
ランドセルを背負って学校に通うことを楽しみにしているのに、ランドセルを背負うことにその夢を押しつぶされてしまわないか。
もう、あのランドセル屋さんに行くしかない。
私の心はもう決まっていました。

飛行機に乗って買いに行ったランドセル

我が家からそのランドセル屋さんまでは新幹線や飛行機の距離。
並大抵の決意で行ける距離ではありませんでした。
チャンスはたったの1回。
でも、1回で終わるのならと夫にも賛同をもらい、旅行がてら出かけた年長のゴールデンウイーク。
子どもの身体に合うものをピックアップしてもらい、その中からであればどんな色であっても、どんな装飾がついていても子どもの意見を最優先にすることに決めていました。

フィッティングは慣れたものでサクサク進みました。
背負い比べると確かに肩や背中への沿い具合も違います。
ある程度成長してくれば、多少のずれは自身の筋力や骨格で補えるのでしょうが、身体が小さいうちは無理やり合わないものを背負わせることは避けたいですよね。
いくらランドセルが軽くても、身体に合わなければ荷物の重みは身体の負担になることには変わりがないのです。
軽量を謳わないランドセルであっても、身体に合う負担軽減機能があれば、背負って移動することは負担になりにくい。
自分がリュックサックを背負うときでも、たくさんの物、重いものを入れて運ぶときには、どんなにごつくても身体にフィットした登山用リュックの方が実は楽だったという経験をお持ちの方もいるのではないかと思います。
抱っこ紐でも同じです。
今考えると、エルゴもかさばるし、それだけでも重さはあるけれど、正しく装着できれば子どもを抱っこするときに相当楽ができました。
逆にエルゴが合わない方は、別のメーカーを使っているという話も聞いたことがあります。
実は、ランドセルでも同じことが言える。
そんなことを実感させてくれるお店でした。

残念ながら、見た目では一番いいなと思っていたものは体に合わず断念しましたが、フィッティング、容量、デザイン、カラー全てにおいて満足できるものを選ぶことができました。
ちなみに、その場では「え!?その色選ぶの…」と思いましたが、今となってはうちの子によく似合ってるなと思っています。
子ども自身はシルバー一色のものがほしかったようですが、当時はありませんでした。(今ならあるので、今選んだらそうなった可能性もなきにしもあらず…)

我が家ににとって何が一番大切か

我が家では、負担軽減機能のためのフィッティングを重視しました。
もちろん、学校が目の前とか、身体も大きくて体力もあるとか、憧れの工房があるとか、経済的な問題も含めて人によってランドセルへの思い入れはそれぞれなのでどれが正解とは言えません。
でも、優先順位を決めるのは必要かもしれません。
「ラン活」という響きは多くの人を惑わせます。
見れば見るほど、調べれば調べるほどワクワクもするけれど、労力も使うものです。
大人が迷えば迷うほど、子どもは意固地になるか興味関心をなくすかどちらかです。
親の許容範囲で子どもにも選択肢と決定権がある、このくらいがちょうどいいのではないかと思います。
そして、親はその許容範囲をどこに定めるかに注力して、夢を見すぎない自制を働かせること、これがなかなか難しいのですが頭に置いておきたいところです。

悩みたいところだけ悩ませてもらって大事なところはお任せできたランドセル選び

ちなみに、我が家が利用させてもらったランドセル販売店はこちらです。

私は純粋にたまたまこのお店をみつけてランドセルを買いに行った一人のユーザーに過ぎません。

フィッティングを大事にされているとはいえ、店主が納得できたものであれば、ブランド物も工房のものもありますし、逆も然りです。
うちの子が女の子ならばあれもこれも試したかったかわいいものもたくさんありました、

ブログでは、値上げのタイミングやセール情報なども出てくるので購入のタイミングも判断しやすいです。
そして、YouTubeでの解説も見てみるとフィッティングのことや、メーカーや工房各社のことがよく分かると思います。

たかがランドセル、されどランドセル。
これは入学後にいろいろな子のランドセルを見るようになって、本当にそう思います。
低学年であってもすでにぺっちゃんこになっているものがあったり(その子の扱い方もあるかもしれませんが、素材やつくりの問題もあるのではないかと思ったり)、高学年の子が背負っているものの容量の少なさを感じたり(身体に比してランドセルが小さく見えることはあると思いますが、それだけではなさそうだと最近思います)、本当にランドセル選びは奥が深そうです。

我が家は、悩みたいところだけ悩めた「ラン活」でした。
あれこれ見すぎて混乱する前に、フィッティングという観点に出会って、ランドセル選びの優先順位を決められたことは優柔不断な我が家にとってはありがたかったです。
フィッティングはお店にお任せして、あとは見た目で子どもに選ばせることができたので、子どもにとっても自分が参加したランドセル選びになりました。

これから「ラン活」をする皆さんが、楽しく、納得のいく、満足するランドセル選びができますように願ってやみません。



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