早稲田の古文 夏期集中講座 第14回「沙石集」について
では、実際の入試問題を見てみましょう。2021年早稲田の教育学部の問題です。『沙石集』<巻第三下厳融房與妹女房問答事>からの出題です。この問題のポイントは、まず問二十四から問二十六まで対立語を選ぶ問題でしょう。ⅣとⅤ、ⅥとⅦ、ⅧとⅨがペアとなっています。
まず注意するべきは、「物の断わりを知ると、汁がごとく行ずるは、道異なり。されば過をあらため、断わりを弁へて、理をみだらざるは、実の賢人智者なるべし」というリード文です。物事を知っていることと実践行動することは異なるのです。