女医の選択

ある職場で
女医のセンセと話す機会
がある
何度もお会いしてると
いろんなお話を聞かせて
いただく
かなりの高学歴
年代にすればスーパーエリート

すぐに辞める同僚医師もいる
年収だけで仕事はしない
マトモな職場で必要とされる
医療を提供したい

過去は振り向かない
前しかみない
振り向いて怒る時間がない
絶えず、いましか考えていない
病弱な旦那と息子のために
懸命にやるだけ
いつまで、働けるのか
迷惑だと思ったら自らの身を引く


看護師から侮蔑ワードを口に
されても争い事にしない
与えられた場所に咲くだけ
時代認識はいつもしている
だけど逆らえない
独立開業も考えなくはなかつた 

それは、とにもかくにも
度量がなかつた
天命と受け止めている
それよりは、
人並みに結婚して子供を授かり
子育てが出来た 
そこはよかつた

よくなかつた事は考えない
運命とはできるか、否か
見る前に飛ぶことはしない
出来ない

理不尽な目にもたくさんあった
正論が通用もしなかつた
でも今、センセを目の前にして
人生論や文学や医療や哲学の
話が、出来るのも楽しい

勉強しか出来なかつた
美貌も体躯もよくない
読書、いいえ
医師になると決めてからは
そのための勉学に終始励んだ
悔いはない
恋愛も娯楽もなかつた
でも医師と云う仕事に誇りをもち
雨の日も風の日も病院にくる
事が使命と思っている


天職にあえて
家族をもてた事に感謝している
時間になれば頭を下げて
医局から帰路につく
女医センセの後ろ姿は小柄だが
凛としてらつしやる
たかが医師、されど医師

ひとに優しくありたい
我に、我の慢心に
厳しくありたい
教えられる事ばかりです
大先輩に、最敬礼です


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