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長野県移住相談〔恋愛系〕ジャーナリストが回答

夜の村道を歩くと、虫が鳴いている。
8月が終わろうとしている。

しかしながら、独自調査で多忙のため、新たなレポートの用意がない。

しからば今回は、ジャーナリストの見識を生かして、長野県移住相談の回答をしてもいいのではと思い至った次第。

まず、1通目のメールに回答したい。

東京都中野区在住、20代の女性です。
先週、長野県出身の彼とケンカしました。

原因は信玄餅しんげんもちです。

信玄餅ほど旨い和菓子はないというので、わたしは銀座の高島屋まで行って、3パックも買ってきたのです。

すると彼は「これは桔梗屋ききょうやじゃない!」と叫んで放り投げるのです。

「桔梗屋の信玄餅が本物だ!」と言うのですが、高島屋の和菓子コーナーの信玄餅も本物ではないのでしょうか。

でもよほど、その桔梗屋の信玄餅とやらが食べたかったのでしょう、あげく「高島屋のいいなりになっているようでは長野県への移住などできない!」と怒っているです。

それから1週間。
お互いに連絡を取ってません。

わたしから謝ったほうがいいのでしょうか?
長野県移住はできるのでしょうか?

ぜひ、真実をお願いします。

あなたは謝る必要はありません。
高島屋にも非はありません。

さぞ、お困りでしょう。
長野県の男性と付き合うとは、いかに偏屈と折り合いをつけるかが重要となりますが、まずは信玄餅から手をつけましょう。

桔梗屋の信玄餅はネットでも買えるのですが、今は深入りしないほうがいいでしょう。

食べるときになって、黒蜜きな粉の混ぜ具合や、黒蜜をかけるタイミングなどで、またケンカになるのが目に浮かびます。

信玄餅といえば桔梗屋。黒蜜(小さな容器の液体)が他とはちがう。ジョッキで飲みたいくらいに旨い。餅の柔らかさも絶妙。きな粉だっていい。1度食べたらまた食べたくなること必至。食す手順として『包装のビニールの上に餅ときな粉と空けてから黒蜜をかける派』が、長野県では正当さを主張しているとかしてないとか。
http://honkan.kikyouya.co.jp/products/桔梗信玄餅/

この場合は、ゼリーで解決するのがいいでしょう。
面倒でしょうが、手製のゼリーをつくるのです。

シンプルに、缶詰のミカンでも入れとけば十分です。
タッパに並々とゼリーをつくって持参してください。

大丈夫です。
ゼリーが仲直りの印となるのです。
長野県人はゼリーが好き、いえ特別視しているのです。
祝いの品、というのか。

次に、長野県移住についてですが、信玄餅問題と同様に、昆虫食問題天ぷら問題という食についての不安リスクが考えられます。

したがって、それらまでも網羅した『大俵一平・信玄餅レポート』の購読を強くお奨めします。

ちなみに、本来は80,000円のレポートですが、昨今の物価高を考慮して今だけ50,000円とさせていただいております。

ぜひ、長野県移住を実現させてください。

そもそもがだ。
武田信玄は山梨県の武将。
信玄餅だって、れっきとした山梨県の銘菓。

そして長野県人は武田信玄が好き。
ついでのようにして、桔梗屋の信玄餅を自分たちの銘菓のようにして、東京在住の長野県人がおみやげとして配ったりする事例もある。

そのくせ、山梨県の大名物の『ほうとう』を「ただの雑炊だ」と横目で見る。

一方で、味気がないゼリーを最大級のデザートとしている。
不思議な人たちである。

ここまでこじらせてしまったのは、長野県全域を治めた戦国武将がいない、和菓子が発展しなかった、寒天の生産量が日本一、それらの原因が分析される。

それにしてもだ。
本音としては、せっかく買ってきてくれたものに、ぎゃあぎゃあいうような無能な男は早めに捨てたほうがいいけどな。

人への優しさを感じさせない振る舞いが、いかにも長野県の男という感じがする。

さて。
次のメールだが、50代男性…って、こんなのはヤル気が湧かないから後回しだ。

埼玉県和光市在住、30代女性です。
長野県出身の彼が、理屈っぽくて悩んでます。

先日のことです。
長野県に移住するには県歌の信濃の国を歌えないといけない、という話になったのです。

わたしは冗談かと思いました。
が、彼は真顔でした。

埼玉県出身のわたしは、県歌など知りません。
埼玉県歌というものがあるすら知りません。

だけど彼の理屈では、県歌は知っていて当たり前、長野県人は信濃の国を全員が歌える、ちゃんと学校に通っていたのか、県歌を知らないなんて人の心がない、となるのです。

それって普通でしょうか?
長野県に移住するには、信濃の国は覚えたほうがいいのでしょうか?

ぜひ、真実のほどをお願いします。

すべて真実です。
長野県人は、信濃の国を全員が歌えます。
まず小学生になると、国歌よりも県歌を先に教わります。

しかし、普通なのはあなたです。

大丈夫です。
長野県の普通は日本の普通じゃない、という私の格言もあるではありませんか。

さらに私の独自調査によると、47都道府県のほとんどの人は、都歌も道歌も府歌も県歌も知らないのです。

しかし、理屈っぽい長野県人に、それらを理解させるのは不毛な試みです。

私が予想するに「じゃあ、47都道府県の1人1人に確かめたの?」というあたりから謎の理屈が炸裂していくでしょう。

聡明なあなたは、同じ土俵に上がってはいけません。
信濃の国を覚えたほうが話が早いです。

たわいもない歌です。
信濃の国は広いぞ、山は高いぞ、川だって長いぞ、作物はよく取れる、海はないが平気だぞ、などと延々と歌うのです。

よくよく考えてみたら、それがどうしたんだという歌ですが、たまに歌えば楽しい歌となってます。

これについては、経緯と背景までも網羅した『大俵一平・信濃の国レポート』を読めば全て解決します。

聡明なあなたは、ぜひ100,000円の調査費をサポートしていただき、長野県移住をクリアしてください。

なんというのか。
明治のはじめ、長野県筑摩県が合併したときに『信濃の国』が歌われた。

まあ、あとの詳しいことは ChatGPT に『大俵一平・信濃の国レポート』を書いてもらえばいいだろう。

で、本音としては。
そんな男は早く捨てたほうがいいけどな。

県歌ごときでグデグデと長い話になるのが、いかにもむっつりスケベの長野県の男という感じがする。

私だったら「そうなんだぁ」って全裸になって3秒で終わらせる話だ。

さて。
つぎのメールだが、また50代男性…って、だからこんな、ひょうろく玉には『こんにちは。やめときなさい。よろしくどうぞ。』と送信して速攻で終わりと。

東京都江戸川区在住、40代女性です。
長野県出身の男性と不倫をしております。

長野は教育県だから人が真面目、と以前に聞きもしたので信頼はしております。

彼自身も、山と田んぼがあるところで育ったから心がきれいだと言います。

それらもあり、先日、お金を貸したのです。
3回ほど合計で10万を貸しました。

すると今度は、10万をなんとかしてくれないかというのです。
将来、2人で長野県に移住するための投資だというのです。

私はどうしたらいいのでしょうか?

真実をお願いします。

あなたは、現代の福の神です。
すばらしい女性です。

大丈夫です。
長野県出身の彼ですから、お金はリターンされるでしょう。
はい、リターンされます。

というのも、長野県の男性はお金については堅実です。
教育県として公営ギャンブルが一切ないので、そう断言できるのです。

以上を勘案するに、2人で長野県に移住するための投資ですから、この際、10万ではなく大台の100万でもいいのでは。

彼こそ、人間新NISAだといっても過言ではありません。
東京でビジネスマンを30年していた私が保証します。

そんな彼には、有益な長野県移住情報を私からもお伝えしたいので、メールアドレスもお伝えいただけますでしょうか。

教育県に乗っかっているところ。
山と田んぼがある長野県で育ったから心がきれい、と自身で言っちゃっているところ。

「貸して」といわずに「なんとかならないか」とか「投資」と言質を避けているところ。
しかも不倫相手。

うむ。
まちがいない。
この男は、騙しにかかっている。

ほんと、まいっちゃう。
信濃毎日新聞しんまいなどは、幕末に寺子屋の数が日本一だったとかで、やたらと長野は教育県だと連呼している。
いつの時代の話をしているんだ、とずっこける。

こういう頭ガチガチのプライドがある教育県のクズの男っていうのが、1番タチがわるい。
クズの自覚がありながら、理屈をこねて正当化する。

山にしてもだ。
いくら山がキレイだからって、そこにいる男の心もキレイではない。

あの山男の、社会に恨みがあるような顔を見ればわかるではないか。

田んぼにしてもそうだ。
そりゃ、田園風景は美しい。
『実るほど頭を垂れる稲穂かな』との格言もある。

だからって、田んぼで稲を育てている人までが、美しい人格者になるわけではない。

むしろ稲のほうが素直に育っちゃうから、人のほうは何十年も変わらないまま農協と共に凝り固まっていく。

すべてがカン違い。

しかし、カン違いは恋愛の調味料、という。
彼女の大切な調味料を、私が取り上げてはいけない。

さて、こうしてはいられない。
ビジネスマンとして、男へメールしなければ。

100万円を突っ込むように説得したので10%の10万円のキックバック、というのがビジネスの通常の流れだろう。
なんとかとハサミは使いようともいうではないか。

さて。
つぎのメールは…、50代女性だと!

ヤル気が湧くではないか。
やっぱ、この年頃が脂がのっていていちばんいいな。

長野県在住、50代の女性です。
スナックを営んでおります。

3年ほど前に移住をしてきた、あるお客さんについて、重要な相談があります。

いえ『お客さん』ではなく、あえて『あの男』と呼びます。
とにかく、どうしようもないのです。

「愛人になれ」とか「抱かせろ」とか「全裸になるぞ」などと真顔で迫ってくるのです。
ときおり身の危険を感じるほどです。

そもそもが「愛人になれ」など、いったい何様のつもりか知りませんが、無職の男がなにをいってるのと思います。

ええ、あの男は、れっきとした無職です。

農業をやっているといってますが、それほど熱心にやってないのはバレてます。
忙しいふりをしているだけです。

それに愛人というのは、帯妻者が使う言葉でしょう。
あの男は独身、いえ、奥さんに愛想をつかされて捨てられて独身というのもバレてます。

それなのに、あの男は、すべてを長野県やコロナのせいにして理屈っぽく言いますが、まったく関係ないのです。

自業自得で移住、いえ、無能だから食いつぶしてやってきて、社会に恨みがあるような顔をして、実家の掘っ立て小屋に住みついているのです。

そしてタチがわるいことに、本人は女性から『クズ』と言われるのが嬉しいらしいのです。
村1番のクズだ、と嬉しそうに開き直ってます。

そういうところが、わたくしから見れば、村1番どころか長野県1番のクズじゃないかしら、と心からあきれております。

あら、いやですわ。
わたくしは、人様のことを無能だのクズだの言ったことがないのに。

あの男の、人に優しくない言い方が、いつの間にかうつってしまったのかしら。

そうそう。
あの男は、東京でビジネスマンを30年やっていたと自慢そうにいいますが、どうせ仕事なんてできっこないのです。

はい、できません。
あの男の大丈夫が、いちばん大丈夫じゃないです。

今日も帰りがけに店をでたところで、胸が苦しいとしゃがみこんでから、1回でいいから抱かせてくれと、そのうち地面を転がって大丈夫だからと手足をバタバタさせておりました。

こんな50過ぎの大人がいるのかと驚きましたし、あきれたのを通り越して哀れみさえありましたが、ドアをピシャリと閉めてから覗いてますと、すくっと立ち上がって帰っていきました。

あれで女性をどうこうできると、まったくのカン違いをしているようです。

プライドがないというか、むっつりスケベではないのはよくわかりました。

ですけれども、お金と女性とお酒さえ絡まなければ、人畜無害の小物です。

なんとかとハサミは使いよう、というのは本当ですね。
村の老人たちも、それを心得ているらしく、あの男はホイホイと草刈り機を担いで、村中の草を楽しそうに刈ってます。

おや。
とりとめもなく、愚痴っぽくなってしまいました。
ごめんなさいね。

相談というのは、あの男、最近はジャーナリストを名乗っているのです。

そして、調査費と称してインターネットでお金を集めているようなのです。

あの男が、あの偏屈が、あの頭ガチガチが、ジャーナリストなものですか!
調査などしてないに決まってます!
草刈りばっかりしてるのです!

お店へ出入り禁止にしてもいいのですが、ほかに居場所がないようですし、有り金は置いていきますし、何かあってもいけませんので社会貢献だと思って入店は許してます。

今後どうしたらいいのでしょうか?

真実をご教授ください。

………………
……………… 夢
……………… だったのか
……………… またママに怒られたからか

……………… いや
……………… 8月中になにかを note に投稿しようと焦ったあまりに、あんな夢を見たのだろう。
 
うむ。
夢のなかの相談には、思い当たるフシはない。
が、どこか身につまされる気がするのはなぜだろうか。

まあ、要するにだ。
何が真実かなど分かりはしない。
誰も真実など分かりはしない。

また真実だとしても、あなたの考えは1ミリも変わらないのではないのか。
真実よりも、あなたの直感が大事ではないだろうか。

あなたの直感には、得体の知れない力がある。
真実も変えてしまう力がある。

……なんとか煙に巻けそうだ
……調子が出てきた

そこで。
ついては8月分の調査費をお願いしたい。

が、いや、やっぱり。
8月に限っては、ちょっと思うところがあるので、調査費は自弁としようか。

9月は、引き続き長野県移住の真実を探る。
品行方正にもする。

なんにしてもだ。
長野県に移住するのは、私の独自調査が完了してからでも遅くはない。

レポートの続きを待たれよ。

大俵一平


レポート作成に使わせていただきます。 ありがとうござます。