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物語のちからでマヨネーズが食べられるようになった話

物語を読んで自分が変わったという体験はありますか?わたしは今でも強烈に印象に残っている体験があります。ある物語を読んでから、苦手だったマヨネーズを食べられるようになったのです。それはもう、一瞬の変化といっていいほどの体験でした。

苦手なマヨネーズ

小学生の頃、マヨネーズがとても苦手でした。「サラダはドレッシングやろ、マヨネーズつけるなんて気持ち悪い」くらいに思っていました。

何が嫌いかと問われると難しいのですが、にゅるっとしてべちょっとした感じとか、なんか微妙に黄色いところとか、ちょっと酸っぱいところとか、なにもかもイヤだったんです。

好みの線引きはちょっと微妙で、ポテトサラダは好きだけど、サラダスパゲティは苦手でした。サラダスパゲティは今でもちょっと抵抗があります。マヨネーズが水分を含んで、さらっとした液体状になっているのがなんだかイヤです。

今は普通のマヨネーズは好きです。ゆでたブロッコリーには塩よりマヨネーズが最高だと思いますし、味付けに困ったらマヨで和えるか炒めておけば美味しいと思っています。

マヨネーズ+にんにく
マヨネーズ+醤油
マヨネーズ+わさび

などなど、主婦の強い味方です。マヨ+わさび+セロリの和え物はおすすめです。

マヨネーズの物語

小学生低学年のころ、当時同居していた叔母が結婚して家を出るまで、『小学〇年生』という小学館の雑誌を毎月買ってくれていました。勉強、遊び、アニメやマンガなど、子どもが食いつくような総合情報雑誌です。私にとっては毎月大きな楽しみとなっていました。

何年生のときか覚えていませんが、この雑誌に、日本でマヨネーズが誕生するまでの物語が短いマンガで掲載されたのです。

マンガで描かれたマヨネーズ物語は、私に大きな衝撃を与えました。

マヨネーズって、卵からできてきたんだ!
マヨネーズって、お酢がはいっていたんだ!
マヨネーズって、こんなに苦労して作られたんだ!

たぶん、キューピーの創始者である中島董一郎さんのお話だったと思います。

詳しい物語は覚えていませんが、マヨネーズができるまでの紆余曲折に、とても心を打たれました。

味わってみよう

マンガを読み終えたわたしは、急にマヨネーズをちゃんと味わってみたくなりました。これまで苦手な存在だったのに、その背景を知って急に身近な存在になったのです。

こんなに苦労して作られたマヨネーズ、実は素晴らしいものなんじゃないか…という気持ちが起こりました。

チャンスはすぐに訪れました。その日の夜、サラダが出たのです。シンプルに野菜を切っただけのサラダです。普段なら迷わずにドレッシングに手を伸ばすのですが、その日はもちろんマヨネーズをチョイス。

恐る恐る、ちょこっとだけチューブから出し、たぶんレタスに付けて食べました。

……美味しいかもしれない!!

なんて単純なんでしょうか。これまで美味しいと思えなかったマヨネーズが、突然美味しく感じました。濃厚で、コクがある…と自分で感じ取ったのではなく、たぶんマンガの受け売りです。

自分の舌で味を感じたのではなく、物語によって美味しいと感じた、それはそれは驚きの体験でした。

物語には、不思議な力があるのだと思います。

サポートしていただきました資金は、全額西野亮廣さんの絵本または本を購入するために使用します。西野さんの世界観を把握して、夢幻鉄道の二次創作(小説)を書きます。