見出し画像

優しさ

“優しさ”とは、優しくする側のことだと思っていた。誰かを助けること。落とし物を拾って渡すこと。救いの言葉を伝えること。それが、”優しさ”だと思っていた。

誰かに助けられること。落としたものを渡されること。救いの言葉を伝えられること。それは、”優しさ”ではないと思っていた。

優しくすること。と、優しくされること。それは、なんとなく一方通行なのかと思っていた。だけど...

“優しさ”に気付くのもまた”優しさ”。

六太と日々人とが子どものころ、東京から自転車で京都まで旅に行くと言い出した。心配だった六太たちの父は親戚に変装して六太たちに同行する。旅の途中の夜のこと、日々人の自転車のライトが消えてしまう。後ろを走っていた六太は自転車のライトを前方に向けて日々人の足元を照らし続ける。そんな六太の行動に気づいた日々人は六太のペースに合わせるように自転車を漕ぎ続ける。そんな2人を見ていた父が感じた言葉。

“優しさ”はなにも優しくする側だけのものではないと思った。優しくされる側も、その優しさに気付いてお返しをすればそれもまた”優しさ”だ。つまりは、一方通行ではなく、双方向になりうる。

ただ、優しさに気付いたときになにをお返ししたらいいのか考えるのはなかなかに難しい。それが相手にとって良いことであればいいのだけど、そんな都合よくその瞬間にできるのか。日々人は六太のペースに合わせることで六太はラクになった。しかし、僕はそんな気が利いた性格ではない...。ただこれならできるってことを見つけた。

 “ありがとう”を言うこと。

助けてもらったとき。落としたものを拾ってもらったとき。救いの言葉をもらったとき。

そんなとき、”優しさ”を受け取ったとき、きちんと”ありがとう”を言えたら相手の優しさに気付いた証にしよう。誠に勝手な解釈だけど...。

ただ、そうしたら一方通行ではなく双方向になる気がする。

ちなみにですが、只今、宇宙兄弟が50話まで無料公開されております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?