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黛灰の最後を見届けた

7月いっぱいを捧げて、わたしはこの人の生き様を最後まで見届けてきたわけなんですけども。

28日が終え、色々と無為なことを考えていたら何かまた一つ新しい扉を開いたような気がしています。
ので気持ちの整理的な意味でこの記事を書こうかなあと思った次第です。やはり言語というか文字にアウトプットすると思考の整理になりますから。

えーとまず……そうですね、前回の記事で話題にした推しってのはこの人のことなんですけど、7月を終えた今でも推しという言葉にはやはり疑問を持っているので以降は黛さんと呼ばせて頂こうと思います。
疑問を持っている理由は前回も書きましたけど、わたしが黛灰に抱いている感情は敬愛が一番近いからです。言い方は悪いかもですが、ミーハー的な感情が無いんですよね。それが良いのか悪いのかも分かりませんけど。

なお、わたしはこの記事では徹頭徹尾自分の感情の話しかしません。
それがたとえ誰かの感情にそぐわなかったとしてもこれはわたしの感情のお話ですので許してください。

それができそうにないなら、この先は読まないでくださいお願い致します。

特にファンだった方はそうですね。他人の文章に感情を委ねて分かった気になっても、それは本当に貴方が納得して理解したわけじゃないと思います。ですのでちゃんとご自身の中で落としどころを見つけてから、それでも興味があれば読んでもらえたら嬉しいです。

という前置きを残しつつ、わたしが何の扉を開いたような気がするのかを書いて行こうかなあと思います。なるべく出さないようにはしますが、同じ箱内のライバーの方はもしかしたら名前出ちゃうかもしれません。
何にせよこの記事には黛灰のライバー活動終了に対するわたしの思考と落としどころという内容しかありませんので、わたしも気を付けますけどご本人達のご迷惑にならないようご配慮お願い致します。

大体の人は無害ですけどね、なんか一部に凄い迷惑な方が居るというのは流石のわたしも学んだので。

ついでにVTuberに中身なんていない!と思ってる方も読むのは止めた方が良いかなあ……見切り発車だからわからんですけども。


VTuberという存在

このVTuber――バーチャルライバーという存在がわたしは割とそうだなあ……その、あまり馴染みが無かったというと語弊があるのですけどそこまで深く考えたことが無かったんですよ。まあ少なくとも3年ぐらいはタイミング合えば配信を見ている方は箱内には何名か居た訳ですし、他にどんなライバーさんがいるんだろ?から黛さんを知ったのがきっかけですから存在自体は知ってましたけど。

わたしにとっての黛さんは深夜に謎のインディーズゲームをするお兄さんから今でも印象は大して変わっていないのですけど、まあ有名なのは黛灰の物語でしょうか。わたしは主にアーカイブ勢でしたので、リアタイでちゃんと知っているのは彼の1度目の復帰時点からです。投票のやつね。ですので歴としてはその程度だと言って良いかなと思います。

まあ当時は衝撃でしたよね。え?新宿の?アルタ前のモニタージャックしたんですかこの人!?みたいな。

内容についてはこの記事ではあまり触れませんけども。別にわたしは黛灰の物語の考察がしたいわけじゃなくて、全てを理解した黛灰がそれでもバーチャルの世界でこれからも生きていくと言ったのでここまで応援して来ました。気になる方は纏めている動画も非公式wikiもいくらでもありますので探して頂ければ。勿論当人のチャンネルにアーカイブとしても残っています。

で、そんな黛さんは2022/7/28に活動を終了されました。
もちろん全部見てました。7月の全コラボも、急な突発雑談も、24時間生前葬も、活動終了前に陶芸してたのも線香花火出来なかったのも全部見た。

出来る限りの全部を見届けてわたしが彼に対して思ったのは、
この先ファンレターだの何だのを彼に向けて送ったところで、もう黛灰には届かないであろうということでした。


ライバーとしての黛灰

こうみえても我が家、実は母も黛さんのことが好きで。なんならわたしよりも雑談配信については毎回リアタイしてたんじゃないかなあ……わたしはゲームの方が好きでしたからまあ結果的には分担して、後々こんなこと言ってたよってシェアしてたみたいな。そんな感じだった。

で、あのー黛さんが活動終了を告知される際になんですけど
「7/31までに購入されたボイスの収益はどうしてもライバー活動を通じて返すことができないので"ライバー黛灰"を応援したい方用に8/1~8/5までは一切俺に収益は入らないようにして貰った」という旨のことをツイートされていたわけです。

わたしには「ライバー黛灰」という文字面がなんだかしっくりこなかった。なんでかって、わたしが応援しているのはライバーであろうがなかろうがバーチャルの世界でこれからも生きると決めた黛灰でありまして、黛灰が黛灰である限りライバーであるとかないとかそんな理由で何かが解離するとは考えてなかったんですよね。

で、まあ当然の中の人……えーとこの界隈では魂ですか?のことも考えました。純粋に意味だけ捉えればそう考える他無かったから。7/31までの収益は黛灰の魂に入ってくる。それは活動を通じて還元できない。だからライバーである黛灰というキャラクターを応援したい人向けに8/5までの猶予を用意した。

理屈としてはわかります。
けど急に中の魂持ちだしてくる意味が全くわからん殺しだった。黛さんって配慮の鬼とか呼ばれてますけど、これに関しては配慮しすぎて墓穴掘ってるので、結果的にプラマイマイナスだと思った。

黛灰というライバーは、その実RP(ロールプレイ)に優れたVTuberでした。そこには黛灰の物語というものがどうしても絡んでくるのですが、まあ簡単に言えば黛灰という人物はとある目的のためににじさんじに入ったという経緯があり、たとえばVTuberとして歌いたいだとか活動したいだとか、そもそもの土台とか方向性が他のライバーさんと少し毛色が違う存在なんですよ。設定上はね。中の事情は知らんのでそういう言い方しかできなくて恐縮ですけど。

それでも毛色が違うっていうだけで彼が始終「演劇」など何かを演じることに拘っていたのも事実だと思います。知らんことは知らんとしか言えませんが、TRPGも好きですし3D朗読劇とかもやってましたし、演じるということに特段興味を持っていたように見受けられる。

他にもそういう物語を持つライバーさんっていうのは関係者としても数名は居るのですけども、全員を見ていたわけでもないですしもう辞められてしまった方も居ますので……そうだな、わたしが観測していた中でここまで「黛灰はバーチャルの世界に生きている存在」だとしつこいぐらいまで念押ししてたのは彼ぐらいだったと思います。

それぐらいまでにRPを貫こうとした人が活動終了間際になって、中の人の存在を明確に匂わせてきたっていうのがわたしはまず理解できないことのひとつでしたかね。お金のことは大事ですから真摯だとも言えるんですけど、別に内部の経理事情とか正直どうでもいいしね。


新しい扉

いつものことだけどここに来るまでが長かったな。
で、新しい扉を開くに繋がるんですけど、何がどうやったら繋がるんだ。

自分でもちょっと良く分からないので少し整理しますね。
えっと、VTuberという存在には必ず演じている中の人がいます。これがVTuber自体はキャラクターという側面を持っている二次元寄りであるにも関わらず、人の心を持っているからという理由でナマモノ扱いされる理由ですね。憶測だけどたぶんそうだと思う。

これも最初正直よくわからんかったんですよねー。
わたしそもそも舞台俳優にしろ何にしろ2.5次元だの3次元だのというジャンルにハマったことがなかったもので、いえ秘匿文化みたいなものが存在するのは当然知ってるんですけどそれがVTuberさんに当てはまるのかが分からなかったというか。いやだって生身見せてこないじゃないですか、彼ら。
だからといって好き放題して良いとかは全く思っていないというのはご承知おき頂きたいんですけど、それでもこのジャンルってナマモノか?みたいなところから結構違和感はあったんですよ。ファンアートと二次創作の境目がめちゃくちゃ曖昧というか。

配慮ってするに越したことはないんで別に良いんですけど、その「誰が見ても不快にならないようにする」とか「関係者の目に触れないようにする」っていうのは3次元だろうが2次元だろうが当たり前のことで……腐った二次創作について書くならば、検索避けはただのCP伏字だしナマモノだとかいう扱いするならもっと完全にパス制にするなり何なりしろよ中途半端だなっていうところでしょうか。

二次創作について言及したいわけじゃないのでそれはそれとして、だから結局何が言いたいかってーと……。

「黛灰はバーチャルの人間だ」と言う黛さんに対して、「黛灰はバーチャルの人間である」と認識している人間がいるから黛灰はバーチャルの人間であれたわけでして、その前提を黛さん本人やリスナーが崩してしまうと土台が成立しなくなってしまうんですよ。それこそ砂上の楼閣と言えば良いのかなあ。要は、認識する人間なくして成り立たないんですよこの手の類のロールプレイって。世界の最小単位は2人なんですよ。片方がこう、と言ってもう片方がそうだと認識すればそれで世界の完成です。どちらかが崩れるまでその世界は続いていく。

黛さんは演出を持って世界を不特定多数と作り上げていったわけです。

でもそれを最後に全部崩して行ったんですよねー……。
一番最後の配信の「ありがとう黛灰」も物議を醸すところではあったんですけど、なんていうのかなー……まあとにかく、彼は数か月をかけて中の人と黛灰を解離させて活動を終了させたのかなって。少なくともわたしはそう受け取りました。7月が顕著だったというだけで多分その前からそうだったんじゃないかな。

24時間生前葬を見ている時はわたしもモンスター2本決めてましたし、情緒もそりゃ大変なことになってましたから朝の10時には「頼むもう終われー!!終わってくれー!!」って実際叫んでました。母に呆れられていた。

だって色んな意味で辛かったんですよマジで……プライベートな話が出てくるだろうということは言われてましたけど、そんなことより24時間も配信すると思わないじゃないですか……休憩してる間はわたしもAim Higherのライブ観てましたんで休憩にはなってない。ライブめっちゃ良かったです。でもその話はまた今度な!

で、まあ疲れれば人間ロールプレイも何もなくなってくるのは仕方無いんですけど、仕方ないと色んなものを天秤にかけて彼は24時間配信を選んだわけです。思惑なんか知らない、わたしに見えるのはいつでも結果でしかなくて、わたしが受けとるのだっていつだって自分の思考に則った事実ばかりです。

だから、全ての配信を終えてエンドロールが流れた時に思ったんですよね。
もう黛灰は完全に手の届かないところに行ってしまった、それこそ一個のキャラクターとして。

だから冒頭のファンレターを書こうが黛灰には届かない、に繋がるのです。


キャラクター

世の中の大体のキャラクターには演者が居る。作者も居るし、舞台なら俳優もいるし、その中には声優さんやアニメーター、諸々の人の手が関わってひとつの作品だったりキャラクターを生み出してますよね。

黛灰もそれと同じです。
後ろに居た演者が1人だったから、コメントを通して、ツイッターを通して、レスポンスの返ってくるキャラクターだったからちょっと特殊に見えてしまうだけで、その裏ではそれなりにたくさんの方に支えられて居たんじゃないでしょうか。

まあこんなこと改めて書く必要もないし、わたしは別に黛灰がそういうキャラクターだったからと言って敬意がなくなったわけでも好きじゃなくなったわけでもない。

むしろ別に今でも好きだし、キャラクターという認識になったからこそ黛灰という人間はバーチャルの世界で生きていると思っている。たぶん今日も勝手に開くカーテンで起きて、もしかしたらベースブレッド食べてるかもしれないし仕事してるかもしれないし、何ならゲームやってるかもしれないと思っている。

ひとつのコンテンツ(=ライバー)としての黛灰は終わってしまったし、黛灰の物語に終止符は打たれたけれど「生きる」と宣言した彼を信じるのもまた自由だと思っている。

これがわたしの見つけた新しい扉ですかね。
演者が活動終了したからそこで終わりじゃなく、その後を想像しても良いんだという余地と言うか。

わたしは今まで書き連ねてきたように盲目的に黛灰のことを推していたわけでもなければ、なんなら最後らへんの活動に関してはちょっと引いてる部分もある。けど、Twitterに流れてくるハッシュタグに溢れるエモの暴力みたいなものには耐えられなかったし、それでも自分も絵を描こうと、何度も何度も絵を描こうとしたけれど、結局わたしは書くことが出来なかった。

わたしが描きたかったのは、活動終了するライバー黛灰に向けてではなくてこれからを生きる黛灰に向けての応援みたいなもので。でもどうやったらそれが伝わるのかわからなくて、ラフを数だけならマジで過去最多じゃないかというぐらいめちゃくちゃ出したのですけどどれも形にならなかったです。
己の限界を思い知った瞬間だった。

まあでも7月が終わって8月になって、わたしが受け取った限りですとただのホワイトハッカーの黛灰さんは誰の手や意思からも離れて、自分の人生を生きているはずですので、別に急ぐことも無いかと思って惰眠むさぼりまくってました。

配信をすべてリアタイするという慣れない行為に身体が完全に限界を迎えていた。

ということで、黛灰の活動終了を見届けたわたしの結論としては「生きている黛灰に対して、こちらからは何も届かないので今後も応援だけはしていきたい」でした。黛さん自体は受け取ることはできる、と仰っていたんですけど、その受け取り側はわたしの望む人ではないと判断しましたのでそういう結論です。アニメのキャラクターを推してるからと言って、演じている声優さんにキャラクターへの愛だけを綴ったファンレターを送るのはまたちょっと違くない?っていうのと同じ。

そういう意味では、黛さんの言葉を借りるならわたしは「ライバー黛灰」を応援していたのだと思います。わたし的にはただの黛灰を応援してたつもりなんですけど。とはいえ別に中の人?魂の方?にも今までお疲れ様でしたという気持ちはありますので、ボイスなんかに関しても出来る範囲ですけど買いはしましたし、香典スパチャだって送りました。

ただ明確に存在を分けられてしまった以上、それぐらいしかできませんでしたね。中の人とその周囲の人にお疲れ様って気持ちは本当にありますけど、伝えようとは思わない。ただやりたいことがあってこういう結果に落ち着いたのだと思うので、悔いの無いよう頑張って欲しいとは思ってます。

それぐらいかな。
バーチャルライバーの活動終了時、明確にガワと魂で存在を分けて去るっていうのが優しいのか酷なのかはよくわかりません。まあ中の人の存在なんて知ってる人は知ってますからね、別にその辺についてどうこう言うつもりはありません。思う事はありますけど、書くようなことでもない。

わたしの捉え方も黛さん自身の本意とは違う部分も多々あると思います。ですからこれを鵜呑みにはしないで頂きたいし、これはわたしの感情と思考であり、落としどころの1つであるということは再三申し上げておきます。

ただ、ひとつの終わりの形を見届けられたこと自体は良かったかなと思ってますし、もしかしたら似たようなモヤモヤを感じている方にとっての糸口になったらいいなと思った次第でした。

人間は自分の心を守るために都合の良い解釈しかしない。でもそれで良いのだと思います。世に何かを送り出す、という行為はすべからく受け取り手の解釈に委ねられるものですし。作者の意図だとか全て伝わる筈もないので。



蛇足

あとはこれ蛇足なんですけど、黛さんが活動中の頃から終始言ってたことがあると思うんですよ。「自分という存在を他のライバーに押し付けないでほしい」ってようなことなんですけど。RPの内容も配信内容もあくまで自分の配信の中だけのものだからって。まあ物語上で関係性のあるライバーさんに対しては都度許可取った上でそういうRPしてたと思います。最後の高圧洗浄コラボの時もちゃんと「ワガママ」であるということを相手の方に伝えた上でのお話だったと記憶してます。

他のユニットコラボの時にも言ってましたよね。自分の存在で他人に迷惑をかけないでほしい、と。自分がいなくなったユニットのメンバーに自分の存在を押し付けないで欲しい的なことをずっと。ライバーが最後まで貫こうとしたそこらへんの礼儀を、アンチだろうがファンだろうがリスナーが破るのだけは最低だと思っています。

ああでもないこうでもないって他のライバーさんの気持ちを推し量ったり、妄想や理想を押し付けるのも間違ってます。それこそ二次創作でやってください。事実と憶測を同じ鍋で煮るなって言われてるでしょう。

たぶん大多数のマトモな人はそんなこと分かり切ってて大人しくしてるんですけど、どこの界隈にもマトモじゃない人は居るので「#もしかして私…?」みたいにふと思ったら貴方は引き返せますので、とりあえず一旦立ち止まって己の行動振り返ってみてください。

黛さんの記事で黛さんの言葉を借りてるからここに書いてますけど、どの界隈だろうがそういう立ち止まる行為って絶対必要なので、暴走機関車になる前に気付いて欲しいな~とだけ書いてこの記事締めます。

最後いつも説教みたいなんで終わっちゃうんだよ。歳かなあ……。