【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 3話
寒気がするほど美しい白馬が、モンスタースレイヤーを乗せて森を駆ける。
生き物の気配のない森に道などなかったが、白馬はまるで平地を走るかのように速度を上げ続けた。
こんな森を、こんな速度で走れる馬なんていない。
見る人が見れば一瞬でその馬が『悪魔』であることがわかるものの、それを見て恐怖する人間すらそこにはいなかった。
白馬の姿になったディページは、バカラッバカラッと体重を乗せた音をたててさらに速度を上げるが、湿気の多い森の中でそれが響くことはない。
またがるジェイス