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女の子は誰でも。

メイクが上手くいっていない日は、接客する気にならない。
メイクが上手くいった日は、コートの裾やら髪の毛やらを揺らしながら歩く。

気分が落ち込んだらメイクをする。受験生の時からやっていたのに忘れていた。私にとってはご飯を食べるより大事なこと。醜い自分を隠しているのではない。いわゆるプリキュアの変身である。

光の中で、衣装が変化し、メイクをし、髪の毛を巻いてくくる。ちなみにキュアレモネードのツインテールは何度試しても物理的に無理だった。変身した彼女たちは普通の女の子からプリキュアに変わる。自信満々で敵に立ち向かう姿、もはや今思い出すほうが心に刺さる。

どんな仕事もストレスがたまるし疲れる、大事な約束がドタキャンになったり、友達と仲たがいしたり、予測不可能な出来事に振り回されることが多い。でも予測不可能なことから手を引いて、自分のコントロールできる範囲だけで生きていてはトキメキなんてまるでない。予測不可能なイベントこそ人生を豊かにすると思うのが私の持論だ。知らない人に話しかけてみるのも、接客が好きでいろんな人と会話してみるのも、思ってもいない素敵な出会いへの期待を捨てきれないからだ。

でも物事は期待通りにはいかない。一度うまくいかないと次があっても少し嫌になる。二度起きてしまうと自分に原因を追究しはじめる。また次が怖くなる、嫌になる、何もやりたくなくなって、何を信じていいか分からなくなって絶望する。

そんな強敵には、プリキュアだ。

お気に入りの服を着て、丁寧にメイクする、髪の毛まで巻いちゃったら、もはや鏡の前にいるあなたがプリキュアである。自信満々で外に出て、魅力を振りまいて、いろんな人と積極的に話してみる。どんな素敵な出逢いがどこに転がっているかなんて誰にも予測不可能だ。なにがあってもきっと大丈夫。結局、コントロールできるのは自分だけ、これが私の機嫌のとり方。その日の終わりには、ちゃんと自分を労わって、ちゃんと食べてちゃんと寝る。ちゃんと食べるのが本当に大事だということを、アンナチュラルの三澄ミコト先生が教えてくれた。


22歳になる私へ。


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