愛は技術である


最近恋愛哲学の本を好んで読んでいる。

本屋の新書コーナーでたまたま「愛するということ」というタイトルが目に止まり、今まで自分が選んで来なかったテーマをあえて読んでみようと購入したのがきっかけだ。

恋愛映画は好きだし、恋バナも好きだ。だけど愛について学んだことなど26年間一度も無い。

「愛するということ」から得られる気づきは沢山あったが、宗教的な話題・専門用語もかなり多く、個人的には読みづらかった。

最近読み始めた「愛とためらいの哲学」は「嫌われる勇気」と同じ著者の作品で、こちらの方が断然説明が易しく、恋愛哲学入門なら絶対こちらだ。

嫌われる勇気と内容がリンクしており、「恋愛がうまくいかない理由は自分で作っている」というアドラー心理学を中心に恋愛について説いている。

失恋した友達に対して「運がなかった」・「選んだ相手が悪かった」といった言葉をかけることは多い。しかし本当にそうだろうか。

恋愛の失敗の原因は実は自分にあったという例をいくつか挙げる。

・既婚者ばかりを選んでしまう人
<この恋愛傾向の原因>
既婚者を選べば必然的に恋愛が成就しないので、うまく行かなかった時に相手のせいにできるし、相手と向き合わなくても良い。
→自分と向き合うことから逃げたるために予め他人のせいにできるような選択をしている。

・嫉妬されないと愛を感じない人
<この恋愛傾向の原因>
自分が相手に嫉妬してしまうことを正当化するために相手に同じ感情を求めている。(実際は嫉妬されたいと思っていない)
→自分を正当化するために相手にも同じ感情を求めている。

・赤面症がコンプレックスで彼女ができない人
<この恋愛傾向の原因>
うまく行かない理由を赤面症のせいにすることで、振られて傷つくことや相手に自分を曝け出すことへの恐れから逃げている。


これらの例から、恋愛がうまく行かない本質的な原因は相手ではなく自分にあるということが分かる。


「男運が無い」・「ダメンズばかり好きになってしまう」という女性の恋愛相談はとても多い。

しかし根本的な原因は、どうしようもないクズ男にある訳ではない(らしい)。嗚呼、耳が痛い。

自分の恋愛下手と向き合うのは非常に勇気が要ることだ。しかし「愛を育む」という、人間にとって高次の欲求を充足させるためには欠かせないプロセスなのである。

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