いかにして資産運用立国を成し得るか？岸田首相の一環と矛盾

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※大河内薫マネリテラジオVoicy 2023年7月14日放送より

どうも、大河内薫です。
都内で税理士をしながら、お金の教育を日本に根付かせるために日々頑張っております。

今日のテーマは、昨日もお伝えしましたが、岸田首相が『骨太の方針の中で資産運用立国』宣言をされてたので、それがどう言う事なのか？って言う事や、どうやったら達成できるのか？と言うお話を前編と後編にわたってしていきたいと思います。

■お金を多く持っている所から税金を多くとって、それを再配分したい

まずは情報整理から始めましょう。
『岸田首相』と『金融』と言えば、ちょっと悪い意味で『切っても切れない縁』があります。
岸田さんが総理になったのは2021年の秋口ですよね。
その時に『岸田ショック』と言う日本株暴落事件が起きました。
岸田さんは総理になる前から『金融所得課税強化』に固執して提言をしていた事から、総理になった事でこれが実現してしまうのではないかと、日本株が暴落したわけです。

株式の売却益や配当金には約20%の税金がかかるわけですけど、この売却益や配当で得た金融所得が1億円でも100億円でもずっと20%なんです。
なので岸田さんは、『ここちょっとだけ増やしてもいいですかね？』と言う事を総理になる前に言っているんですね。
そんな事を言っている人が総理になってしまったもんだから、株価がどんどんどんどん暴落していってしまい、これを『岸田ショック』と言われています。
そんな事もあって『岸田さんは金融オンチだ』みたいな事を言われちゃったりするわけです。
金融オンチかどうかはさておき、岸田さんがやりたい事と言うのは一応わかるんです。
『富裕層に向けた金融所得課税の強化』をしたいんです。

僕がよく話している『社会保険』がこれに近い構造なのですが、社会保険料って現役世代の人がたくさん支払ってますよね。
現役世代の人は高齢者よりも金融資産が少ないにも関わらず、現役バリバリで仕事をしているので、所得は高齢者よりも多くなり、その分高い社会保険料を支払う事になります。
金融資産を多く持っていても所得が少なければ、支払う社会保険料も少なくなる構造なんですね。

先ほどもお伝えしましたが『株式の売却益』や『配当』にかかる税率は、1億円でも100億円でもかかる税率は一律約20%なんです。
なのでここを課税強化して税収を増やし、増えた分を再配分をしたいよねと言うのが岸田さんの意向なんですね。
こう見ると岸田さんって、建前なのか本音かは分からないけど、国民の一般層をきちんと意識しているのは間違いなさそうな気がするんですよ。
ただただ金融所得課税を厳しくしようと言っているわけではなく、たくさんお金を持ってる人がそれに応じてたくさん税金を払ってもらい、そして増えた分を再配分しましょうと言っている訳です。

■意外とちゃんと見ている

で、総理就任から約8か月経った2022年5月に、ロンドンの講演で『資産所得倍増計画』を宣言したんですよ。
これは『一般層の資産所得を増やしたい』と言う話なんですよね。
で、その流れで12月にNISAの神改正がされたんです。
『金融オンチ』ってイメージがついちゃってますけど、その一方で金融資産が多くない一般層を『金融分野』と言うカテゴリーではちゃんと見ているのかなってのがなんとなく伝わってくるかと思います。

そして2023年6月の『骨太の方針、資産予立国の宣言』って言う話になるわけですね。
岸田さんの一連の流れとしては、『金融部分』だけを見ると金融所得課税を見直して増税し、それを再配分したいんだなと。
つみたてNISAとNISAを神改正し、一般層でも『投資』する人が増える様に促進させたいんだなと。
こうする事で、『資産所得倍増』『資産運用立国』を目指されているって言うのがわかるわけです。

■でも矛盾してる事が多いんだよね

でも一国の総理の仕事と言うのは金融整備だけじゃないので、ロンドンでの宣言した『資産所得倍増計画』は、国際社会に向けて『外交』の意味も込めて使ったのかと言う部分はひょっとしたらあるのかもしれませんね。
僕はその辺の事は分からないけど、金融部分では考えが一貫している様な雰囲気がありますね。
でも岸田さんが今やろうとしている事を全体で見ると、めちゃくちゃ矛盾している所があったりするんですよね。

まず『資産用立国』って言うのがちょっとよくわかんないです。
ちょっと紐解いていきます。
先に説明した通り、『一般層の資産所得を上げていきたいけど、貯金だけだと厳しいよね。』
政府としても、円金利が激低くなので貯金だけだと厳しいと言うのはわかっている。
だから、利回りがつくもので自分で運用してもらう為に、その素養と行動力を身につけて欲しいと。

だとするならば、やる事ってもっともっと他にもあるよねって思うんです。
『資産運用立国』を実現するためにやるべき事は、ズバリ直球160キロどストレートの球を投げますと、『忖度をやめる』事に尽きますね。
忖度をやめれば、あっと言う間に実現できるんですね。

まず矛盾している最大のポイントは、岸田さんって増税をほのめかすのが大好きじゃないですか。
つまり『増税したいよ内閣』なわけですよ。
これは圧倒的に『資産運用立国の宣言』と矛盾しています。
なぜなら、株やNISAなどなど資産運用をする為にはお金がいるんですよね。
当たり前ですが、お金がないとできないわけです。
0円で始められる投資があるなら教えてほしいんですけど、残念ながらこの世にないんですね。
ポイント投資なんかもありますけど、基本的には岸田さんが目指すような資産運用と言うのはお金がないとできないわけです。
今の国民の一般層は基本的にお金がないんだよね。
賃金が上がっていないと言う事は僕たちも分かっているし、政府、内閣、首相も知ってるわけですよね。
じゃあまずここをどうにかしなきゃいけないわけで、これはもう『減税』するしかない。
『減税』するだけで手残りが多くなるわけですから、簡単にお金を増やせるわけですよ。

『不安があるから投資ができない』って言う声はやっぱり一理あるわけですよ。
『不安がある』＝『お金がない』＝『だから投資ができない』

この様な状況に対して『増税』って、悪手 of 悪手なので、なんとかの一つ覚えみたいに『とにかく増税したい』って言ってる財務省に忖度してたら、『資産運用率国』を実現したいっていくら言っても、ずっと矛盾を抱えたまま走っていく事になるので、まずはそこをやめないとどうにもならないかなと思います。
そりゃめちゃくちゃテクニックを持っていれば、増税と減税を緻密にコントロールしながらいろんな人を満足させつつ、株価もコントロールして一般層に再配分する事ができるかもしれない。
なのでここまでの文脈で言うのであれば、まずは金融所得課税で増税をして、富裕層から税収を多くもらいつつ、それを一般層に配分すると言う流れはいいんですよ。
でもそれをやると基本的には株価が下がるじゃないですか。
金融所得課税増税と言うのは、株式を持っている割合がめちゃくちゃ高い富裕層に影響が出るから株価が基本下がっちゃうんですよね。
だから金融所得課税増税して再配分しつつ、且つ株価を下げないと言う事ができる自信があるなら、声高らかに言っててもいいんですけど、株価って下がるんですよね。
だからこの税金のコントロールだけでなんとかしようと言うのは、かなり厳しいところだと思います。

■まずは忖度をやめよう

まずは財務省への忖度をやめる事ですね。
それでやっとフラットになる。
国民目線で考える事ができる様になる。
ほとんどの国民が抱える投資ができない理由と言うのは、『お金がないから不安』って事なんですよ。
なのでやるべき事の3つ目は『国民が抱えるお金がないと言う不安をなくす』って事ですね。
『それはどうやったらできるのか』って言うお話は、明日のプレミアムリスナーでもう少し深く考えていきたいと思います。
こちらからプレミアムリスナーに入っていただいて、明日の放送も聞いていただけたらと思います。

■お知らせ

最後にお知らせです。
昨日、Amazonで『フリーランス税本』の499円セールをやっていたんですよ。
情報を逃しちゃった方、本当にすみませんでした。
僕のミスでVoicyを朝6時に聞いた人には、恐らく伝わってないんじゃないかなと思います。
昼12時に臨時回として告知の配信を出したんですけど、気づいた人いらっしゃいますかね？
ドタバタしてしまい大変失礼しました。

『お金の守り本』のセールを日曜日にやってたもんで、まさかその3日後に『フリーランス税本』のセールをやるとは思わないじゃないですか。
Amazonさんは、いい意味でも悪い意味でもやってくれるなって思いますよね。
『安くする事で伝わる層』と言うのがあると思いますし、それによって広まる事もあると思いますので、今後もセールがあった際にはちゃんとお伝えしていきますね。
『フリーランス税本』『お金の守り本』のセールも含め、購入していただいたり、シェアしてくれた方々本当にありがとうございました。

さて週末です。
15日(土)・16日(日)・17日(祝月)は、リベ大フェスにマネリテDAOとして、子供に向けたお金の授業コンテンツ出展していきますので、もしお時間ある方はリベ大フェスに来ていただけたらと思います。
『リベ大フェスってそもそもなんやねん』って言う方は、こちらで丸々お話してますのでご確認頂ければと思います。
マネリテDAOのコンテンツは無料なんですけど、参加希望者が多いと予想されますので『授業の予約フォーム』からお申込みください。
それでは本日も張り切っていきましょう。

それでは、素敵な1日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ✨じゃあね！

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