奥さんと次男の退院にとまどう長男、机の下に隠れる
出産から5日後の午前、奥さんと次男が退院することになりました。奥さんのご両親が車を出して、退院を手伝ってくれました。私の役割は長男と家で待っていること。長男は病み上がりということで病院には連れて行かない方がいいだろうという判断でした。
長男と遊んでいると家の前に車が止まり、奥さんと次男が家に帰ってきました。私が次男に触れたのはこのときでした。次男を抱っこして帰ってきた奥さんから、「はい」と言われ、次男を実際に抱っこしてみるとあまりに軽さに驚きました。17キロある長男も昔はこんなに軽かったんだなあなんてことも考えていました。
長男は奥さんが帰ってきて上機嫌でしたが、次男に対しては少しよそよそしい感じ。あまり近づこうともしていないので、無理に見せるようなこともせず、私は立ったまま抱っこをしていました。奥さんが持ち帰った荷物をバタバタと片付けるのを尻目に次男が泣いたら立ち上がる。落ち着いたら座るという動作を繰り返していました。これもまた懐かしい。そして、これからしばらくは立ったり座ったり、布団において泣き出してがっかりするんだろうなあと思っていました。
少し時間が経ち、退院によるバタバタも落ち着きました。奥さんとしては長男にもしっかり次男を見せたいと思ったのか、私から次男を受け取り長男に見せてようとしました。そうすると長男は机の下に隠れてうつ伏せ状態に。私としてはまあそうなるよなあと思ってみていましたが、奥さんはショックを受けている様子。奥さんのご両親はそれを見て「ママを取られることがわかって嫌になっちゃったんだよ」と見当違いなことを言っていました。しかし、奥さんもどちらかというとご両親と同じような考えに至ったようなので口を出すことにしました。
「こんな小さい赤ちゃん見たことないから怖いだけでしょ」
「普段保育園で見ている一番小さい子だって月齢半年ぐらいなんだし」
「放っておけば、気になって長男から近づくよ」
個人的には長男が生まれたとき、私も怖いと思ったことまで言おうかと思いましたがそれはやめておきました。話がそれて私の方に火の粉が降りかかったら面倒だと思ったからです。
この私の発言に奥さん、奥さんのご両親は納得してくれたようで長男に次男を見せることをやめてくれました。その後、机の下から這い出てきた長男は珍しく私にすり寄ってきました。当初、ママにべったりになるだろうと思われていた長男でしたが、こんな状態なので私は長男と遊ぶことに。
長男を落ち着かせてから奥さんのご両親に託し、私は奥さんがテイクアウトの予約をしたウナギ専門店へ。長男の時も退院時のお祝いにウナギを食べたので奥さんとしては何か強い思い入れがあるようです。
ウナギを手に入れ、家に帰ると長男は一人で私の部屋に。奥さんと奥さんのご両親は次男にばかり構っているという状況でした。これはあまりよくないなあと思っていましたが、私が帰ってきたことに気づいた長男は特に普段と様子は変わらず。
ウナギは手が空いて食べられる人から食べることになり、奥さんのご両親がはじめに食べることに。奥さんは次男、私は長男の面倒を見ることに。長男が何をしたいのかがわからないため、何がしたいかを聞いたところ、私の部屋を出て奥さんの部屋に向けて移動しました。奥さんにまかってもらいたいのか、ちょっと厳しいなあと思ってついて行きましたが、奥さんがいる部屋には入らず、ドアを開けて中をのぞき込んでいました。
「パパ、あれ、○○ちゃん?」
長男は次男を指さし、私に次男の名前を聞いてきました。まだ次男がお腹にいたころ、私や奥さんのまねをして、よく声をかけていたときと同じ呼び方で。
「うん。そうだよ。あれが○○ちゃんだよ」
「ちっちゃいねえ」
「お前も昔はあんな感じだったよ」
次男が声に反応して少し泣き出したので、長男は慌てて口に手を当てていました。しかし、表情はにこやかで「ママを取られた」なんて感情はそこにはありませんでした。
長男は満足したのかまた私の部屋に戻ったので、そこで一緒に遊んで過ごしました。その後も過ごしている中で、距離も近くなっていき、長男が次男の頭を撫でている姿も見られました。
正直、奥さんのママ友や助産師さんから「お兄ちゃんが妹を叩いた」という話を聞いていたため、同じようなことがあったら嫌だなあと思っていました。退院した日の出来事のため今後はまだわかりませんが、3歳児による一方的な兄弟げんかを見なくてすんで胸をなで下ろしました。
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