「男の子には空手をやらせる」に対して柔道経験10年の育児中のパパが思うこと

結論から申し上げると、男女問わず柔道をやりましょう。受け身という「負け方」から身につける素敵なスポーツです。


1.話題になったツイートの概要

 今回の話題のきっかけになったツイートは以下のような内容でした。

ⅰ.男の子の教育には父親は介入したほうがいい。

ⅱ.男社会でいじめられないよう息子が3歳になったら空手を習わせようと思う。

ⅲ.この考えを父母の集まりで話したが、男性は理解していたが、女性は理解していなかった。

私はこのツイートを見て、この3つが提議されているなあと思いました。

2.それぞれに対して思うこと。

ⅰ.男の子の教育には父親は介入したほうがいい。

 男の子だろうが女の子だろうが、子どもの教育に父親は介入しましょう。奥さんの負担を減らすという意味ももちろんありますが、子どもは大人から様々なことを学びます。
 例えば、子どもが飲み物をこぼしたとき。子どもが濡れていないか心配する人もいれば、慌てて床を拭く人もいる。中にはいきなり説教をはじめる人もいるでしょう。
 関わる大人の数が増えれば、子どもは様々な反応を見て学ぶことができます。同じことをしても、返ってくる反応が違うというのは、内容の良し悪しを別にして子どもの世界を広げると思います。要するに「女親、男親といった性別に関係なく、子どもは多くの人と関わったほうがいいんじゃない?」と私は思うのです。

 実際、うちの子は奥さんが激甘なのでめちゃくちゃ甘えますが、私にはよく叱られているのでそういった素振りは見せません。
 話はそれますが、トイレトレーニングのおすすめの方法とかあったら教えてほしいです。「トイレ、座ってみよう」「いや!!!」みたいなやり取りを繰り返して私のメンタルがやられています。

ⅱ.男社会でいじめられないよう息子が3歳になったら空手を習わせようと思う。

 個人的にはこの主張自体は賛成です。田舎の治安があまりよくない地域で育ったからか、いわゆる「弱い男」はターゲットにされやすいという感覚はあります。
 しかし、私の感覚での「強い男」というのは、暴力的な意味で強いかどうかではなく、勉強ができて強いとか、思ったことを表に出せてはっきり言えるとか、ある分野にとても詳しいとか、自分の世界を持っているといった強さも含んでいます。
 そういった特出する部分がある子どもは集団に馴染めなくとも、「あいつはああいうやつだから」というポジションに収まっていきます。もちろん、そういったポジションに当てはめられて「あいつは俺たちとは違う」という扱いを受けることも「いじめ」と捉えることもできますが。
 しかし、そういった個としての強さがない場合はといじめのターゲットになりやすい、と思います。あくまでも自分の学生時代や教育関係の仕事を5年程度やっていた経験からの感覚です。

 そういった意味では「空手」にこだわる必要はなく、子どもの好きや得意を伸ばしたり、思ったことをはっきり言えるような環境を整えることが大切なのだと思います。嫌な言い方になりますが「集団において埋没してしまう男」はいじめのターゲットになりやすいと思うのです。

 こちらのツイートの反対意見として「空手=不良、乱暴」という考えを述べている人もいましたが、これについてはひどい話だなあと思いました。
 柔道場の隣で空手教室をやっていたため、空手をやっている人たちとそこそこ関わってきました。そこで見ていた限りでは空手をやっていた人は基本的に礼儀正しい方ばかりでした。
 しかし、学校で見かける空手をやっている同級生は空手を使って自分を大きく見せよう、力を誇示しようとしていた記憶があります。そういった悪目立ちする人たちが印象を悪くしているんだろうなあと個人的には思います。
「空手教室にいるときはより強い人がいるから礼儀正しいだけで、学校では抑える人がいないからやりたい放題できるんだ!」という反論もありそうだなと書いていて思いました。しかし、空手に限らず「自分が努力して身につけたものを認めてほしい!」という欲を出してしまうかどうかの問題な気がします。

ⅲ.この考えを父母の集まりで話したが、男性は理解していたが、女性は理解していなかった。

 理解していなくてもいいんじゃないかなあと率直に思いました。これからの時代、日本で生活をしていても様々な文化的背景を持った人と関わるようになると思います。
 そういった社会で必要になるのは「理解」ではなく、「そういう考えもあるよね」と寛容になり、許容していくことだと私は思っています。そして、子どもに対しても他者に「なんでこの考え方が理解できないんだ!」と罵るのではなく、「この考え方は絶対ではない」と省みてほしいです。そして、他者から相容れない考えを述べられたとき「そういう考え方もあるよね」と寛容に受け止めてほしいと思います。
 自分と他人は違って当たり前。違うからといって相手を否定したりせず、お互い大切にしていることを尊重し合おう。
 そんなふうに考えてほしいなと思うのです。自分の考えを押し付けて、同じように考えてくれたら、多様性がなくなって世界が狭くなってしまうのではと少し危惧しています。
 また、押し付ける人は押し付けられたとき、どう思うかを改めて考えてみることをおすすめします。

 ちなみに私のこのような考えを押し付ける気はありません。考え方を文章で表明していますが、「みんなこう考えなさい!」とは思っていないのであしからず。

3.いじめとか性別とか関係なく柔道をやろう

 長々と書いてきましてが、私が伝えたいことは、「いじめとか性別とか関係なく柔道やろう」です。

 柔道はまず身を守るために受け身を覚えます。受け身を覚えるということは、負け方を知るということです。勝ち方を知るよりも先に、まず負け方を知り、怪我をしないようにする。負け方を知ることにより、また立ち上がることができる。

 偉そうなことを書いていますが、この考え方は私が通っていた道場のじいさんがよく話していた話です。人生は負けてばっかりだけど、立ち上がって続けることが大切、そんなことも言っていました。

 まずは負け方を身につけるためにも柔道を私はおすすめします。もちろん、空手もいいと思いますが。

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