書院からThinkPadへ
1990年代初め、僕はワープロ専用機の書院を使っていた。その当時はまだそこまでパソコンが一般的ではなくワープロ専用機がテレビのCMでも大々的に宣伝されるような時代であった。文字を入力することしかできないものだったが、それなりに重宝した。たとえば、定番の年賀状作りは当然として、その頃の僕は塾講師をしていたから、問題文の作成に大活躍したものだった。
独学でキーボードの入力方法を学び(といってもタッチタイピングの指づかいを練習しただけだが)、手元を見ないでもそこそこの速さで入力ができるようになったので、いつしか処理速度の遅さが気になるようになっていた。文字を打ってから画面に反映されるまでのスピードだったり、検索して置き換える時の速さだったり、プリントアウトする時のスピードだったりと、何かに付けてストレスになるので、もっといいものが欲しいと思うようになっていた。
そこで当時はまだ高かったがノートパソコンを買おうと思ったのだった。おすすめのパソコンが書いてある本を買って調べたりカタログをもらって比較したりとあれこれ悩むのが楽しかった。その頃はマックとDOS/Vがどう違うのかもよくわかっておらず、とりあえず(←口癖(笑))ワープロ専用機よりも処理が速いというくらいしか関心がなかった。もしその時の自分の選択が違っていたら、今頃はマック信者になっていたかもしれないと思うと不思議な感じがする。
そして、あれこれ悩んだ結果、ついに買ったのが、当時はまだIBMのThinkPad 1157という機種であった。これはMS-DOSではなくWindows 98が搭載されたものだった。ドッキングベイから外すと薄くなるというのがカッコよくて選んだのだが(あと値段も大きいが)、はじめてのノートパソコンということで、慣れるまでがなかなか大変であった。そして、この時出会ったトラックポイントの刷り込みは大きく、これ以降ずっとThinkPadしか買っていない(今ので4代目になるのかな)し、いまだにマウスをうまく使うことができない。つか、マウス要らない(笑)。
もともとが文字書きをメインに買ったパソコンだから、基本的にキーボードから指を離さずに入力ができるのは非常にメリットが大きくストレスもたまらなかった。そういうわけで、最初の頃はワープロ専用機と同じことにしか使っていなかったのだ。もちろんインターネットにはまだつないでいなかった。というよりもどうやったらいいのかわからなかったし、なによりお金が別に掛かるということに懸念があった。
しかし、いろいろと本を買ったりして情報を調べているうちに、ダイヤルアップという形なら加入してもいいかなと思うようになり、ついに契約をしてしまうのだった。当然まだ今のようにネット廃人になる前のことだから、従量制のものでいいと思っていた。
ところが、一度目覚めてしまうと困ったもので、もっといろいろと【エロ関連】を観たくなる(笑)。従量制のためにとんでもない請求額が来ることに驚き、テレホーダイに加入することになった。それでも、時間内に収まらず、ついつい余計な金額が発生することになる。国際電話につながるようなことはなかったのがせめてもの救いである。
こうして始まったインターネットとの出会いだが、その後ADSLになり、モバイルルーターやWiMAX 2+を買うようになり、外出先でもネットに接続するような廃人街道を邁進している。
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ここまで御注視いただき、ありがとうございます。まだ対価をいただくほどの作品を挙げていないのですが、ご好意はありがたくいただきます。