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【小学校を訪ねて #3】大岡音頭を学ぶ

運動会の季節がやってくると、小学校では「大岡音頭保存会」の皆さんからご指導いただきながら、大岡音頭を学びます。
運動会で、小学生から地域に住むご高齢の方まで全員で踊り、一つの風物詩になっています。

大岡を思い、大岡を愛する踊り

大岡音頭は、大岡村時代の村制100周年を記念して作成されたそうです。
歌詞には大岡ならではの四季を愛でる詩を取り入れ、そこに大岡を巡る水系を現わした振付を組み入れることで、今の大岡音頭ができたそうです。

大岡にはお種池という池があり、そこから流れでる水が大岡の田畑を潤してきました。一つ一つの振りには、お種池から流れる水の様子や、それが水路と田畑に流れ込んでいき水を湛ている様子を表現し、月が水面に映える情景や、五穀豊穣を喜ぶ村人達の幸せに満ちた感情をも体現しています。
意味を知って踊ることでまた一味違った踊りになってくるように思いました。

大岡音頭は大岡の宝なのだと保存会の方も力強くおっしゃっていて、大岡への愛を深く感じることができました。

地域の方々と子ども達の接点

時代の流れもあり、一時期は大岡音頭が踊られなくなるような時もあったそうです。そのような時でも、小学生との交流は途切れることなく続けてくださったそうで、大岡に伝わる詩と踊りを子ども達に伝え続けてくださっていたと思うと、歴史を感じます。
運動会では、子ども達も地域の方々も皆一つの輪になって踊ります。
幼児からご高齢の方々まで、全員で同じことができる素敵な一時です。

今では再び、運動会以外にも、夏の三千石祭りなど他の祭りでも大岡音頭が踊られるようになっています。

一つの輪になって踊る大岡音頭

大岡音頭を通して感じる大岡

練習では、保存会の方に質問する子ども達の声も聞こえました。
「去年はここ良く分からなかったから、今年はここを踊れるようにするんだ!」「これで良いかな?こうやって踊るの?」「この振付ってどんな意味があるの?」

前はできなくても、今は挑戦したい。毎年やることだから、一年毎の進歩と目標が子ども達にもあるのだなと感じました。
日々生活する場所での情景を表現した詩や振付は、子ども達の心にも届いているようです。

小学生の期間を通して大岡音頭を学ぶ子ども達は、体が自然と覚えていき、大きくなってからも自然と踊れるようになっています。
大岡音頭は大岡の宝というDNAが受け継がれていっているように感じます。

保存会の会長様からも子ども達にメッセージをいただきました。

”毎年大運動会で、踊っていただきありがとう。お種池から湧き出る水のお陰で、大岡地区が存在しています。田畑を潤す水の流れと、農民達の動きの様子を思い浮かべながら踊って、大岡の宝 大岡音頭をこれからも後輩達に継いでいただきたいですね”

大岡音頭保存会の活動

平成19年に、大岡音頭を継承していくために発足したのが、大岡音頭保存会です。
大岡地区の様々な行事で大岡音頭を舞うことで、大岡地区の伝統と文化の創造を目指して、20名近くが活動されていらっしゃいます。
大岡地区外との交流にも大きく寄与しており、今までも善光寺の御開帳のステージで舞うことや、長野市内の他地区と行う甚句への参加、また沼津大岡との交流も積極的に行ってきました。
大岡音頭を通して互いに学び合い、新しい出会いを紡いでいく活動を今後も活動を続けていかれることに、大岡のパワーが溢れていると感じました。

大岡音頭保存会のみなさん、ありがとうございました。


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