できないと逃げる人に、どう対応すればいいのだろう?

苦手意識さえ持たなければ、誰にでもできる業務。
段取りを整えて、引継ぎを行った。
それなのに、できないと言われ、自分に戻ってきた。

あなたほどスキルがない。私にはできない。
それが主な理由。

できないと言う人に、どうすればやってもらうことができるのだろう。

「では、ここだけはお願いします」という落としどころは見えているけど、もう少しやってもらわないと、私だって稼働的に厳しいというのが本音。

総論OK、各論NGとはこういうことなのだろうか。

本来やるべきことに対し、「スキルがないからできない」「わからないからやれない」と言い切れる立場というのは、ある意味羨ましい。

逆の立場の私はと言えば、自分がやるしかないから、頑張って勉強し、スキルを身につけた。マニュアルも用意した。
それなのに、「マニュアルだけでは理解できない。」とバッサリ切られた。

私が作ったマニュアルが悪いのなら、マニュアルを直したいし、分からない点を教えてもらえればフォローもできるのに、どこが分からないのかすら教えてもらえない。

私はどうすればいいの?
そもそも、どこが分からないかも分からないぐらい全く理解できないということなのだろうか?

「できない」と言い切れるのは、ある意味、最強のスキル。

恥ずかしながら、私の祖母は、「文字さえ読めれば何でもできる」という親の方針を受け、実践が圧倒的に足りなかった裁縫と料理は一切できなかった。祖母は経理スキルに長けていたので、それだけできればいいと、結婚当初、祖父がその条件を受け入れ、裁縫と料理は祖母に無理にやらせず、手先が器用な祖父が家事全般を担っていた。

つまり、「できない」と開き直れる環境というのは、できなくても許される環境ということ。

私自身が、仕事で今まで経験してきたのは、「できない」を許されない環境が多かった。
だから、やるしかないと歯を食いしばって頑張ってできるように努力してきたのに、その努力を見ずに、「あなただからできるのだ」と言われてしまうのはとても虚しい。

私だって、以前はできなかったのだ。
できないから、できるように必死に頑張ったんだから。

そうした背景を一切見ずに、「私にはできません」と潔く言えるのは、ある意味羨ましいけれど、それをしょうがないと受け入れてしまっていいのだろうか。

もちろん、どう頑張ってもできない人がいるということは、昔上司から教わったので、頭では理解できる。でも、感情的に納得できない自分がいる。

ここは、自分が評価してもらえていると前向きに受け取り、大人になるべきところなのかな。あぁ、なんかモヤモヤする・・・
もっと、やらせる力を身につけたい。

ここまで書いてきて、ハッと思い当たった。

昔、怒られまくってた時は、私はずっと逆の立場だった。できるようになる努力もせず、所詮私には無理だと諦めてた。でも、それではダメだと厳しく鍛えられたから、今がある。

できなくてもやろうとする姿勢、できるまでやり切る力というのが成長にはとても大事。ただ、みんなができることではないと受け入れることも、器の大きさなんだろうな。

よくある例として、相手が遅刻した時、一番不機嫌になるのはギリギリに来た人。余裕を持って到着した人は怒らない。

やっぱり余裕を作ることが大事だよね。

感情的にならず、ドーンと構えつつ、冷静な態度で、やらせるべきところはやらせる。そんなスキルを高めていきたい。

とはいえ、逃げるスキルに長けている人はいる。
特に、それを許されてきた期間が長ければ長いほど、本人にとってはそれが当たり前になってくるし、周りもしょうがないと諦めてしまう。

確かに、逃げるのが大事な場面もある。
でも、逃げてばかりでは何も得られない。本人の成長も止まってしまう。
逃げなければ、何かを掴むことができる。周りも助けてくれるようになる。逃げないことで得られることはとても大きい。

だがしかし、逃げることが得意な人に、それを理解してもらい、行動につなげてもらうのは、なかなか難しい。

期待しないで、少しずつ相手に歩み寄れば、もしかしたらやってもらえる日が来るかもしれない。ここは粘り強さの勝負かな。何か手がないか、もう少し探ってみよう。

---後日談---

その後、上司が間に入って調整してくれて、なんとか引き継ぐことができました。自分だけではどうにもならないときは、上をうまく使うのも大事ですね。