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君を思い出す夜はもう4年前

何億人もの人類がいるなか、なぜこんなにもその人だけが気になってしまうのだろうか。

恋がもたらす脳のバグとは、実に不可解で甘美で尊い。けれど痛みも喜びも伴う麻薬である。

そんなバグを起こした4年前はあっという間に過ぎ、今やあの人も私のことなどすっかり記憶の奥にしまわれ、読み出されることの無い古いファイルに収まっているのだろう。

あの人のことなんて何も知らないし、知っていたのは見た目とちょっとした趣味と、少しの人間性だけ。

親しいわけでも無いのにすぐ好意を抱くのは、精神的に未熟だとか、愛情飢餓からくるものだろうけど、そんな理由はわかっていても何故か気になってしまう人だった。

好意を抱かない他人から見せつけられる自分への好意なんて、気持ち悪い。

という世論はさておき、君の何がそんなに好きなのか今更振り返っても謎は多い。

絶世のイケメンというわけでは無いしな🤔

君の選んでいる香りが好きだった。君の知性が好きだった。君のユーモアが好きだった。

こんなもんか。

私の感性にいたく響いたあの人は、私のこの気持ちなど勿論知らないと思う。

私もまた、この想いを抱いたからってだからなんなのだろうと思った。

どの人間も進む道は同じ。

肉体顔つき育ちが違うだけの人間と最終的に行うのは子作りだろう。

好きだけどその先に求めるものは自分でもわからなかった。

瞬間片想いみたいな気分にさせられた壮年M。

あなたもこの4年できっと大人になったんでしょうね。

ふと偶然に何処かで会うなんて期待したことも有ったけれど、ご縁はないようでその気配はない。

彼の何がそんなに私に響いたのか。

そんな事をたまに考えている。

壮年Mへ。

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