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令和6年定開日初日、古き(少女)まんがファンのお話

今日は、冬期休館あけ。今期最初の定開日でした。

蔵書整理で本館に山積みされていた段ボール50箱以上、木箱74箱をせっせと蔵書臨時置き場や母屋に運び入れ、なんとか、開館時間までにお客さまをお迎えできるまでになりました。ふーっ。3歳のくせにがんばるな、と自分を褒めたたえ……(プラス還暦分ですけど、実年齢は)。

とはいえ、この冬の大雪で折れてしまったシイノキなどの大枝は片付けられなくて、中野が片付けてくれました。サンキュー。お隣にはみ出した枝打ちなどの作業も、ごくろうさまでした。

今年2月の大雪により、折れてしまったシイノキとマサキ……。雪の威力……。
大雪翌日にノコギリで切ったまま今日まで横たわっておられ木々。細かく切って裏に山盛り。



戦後のストーリーマンガの生き証人

さて、今日も何人ものかたがたにご来館いただきました。おみやげやお賽銭をありがとうございました。

遠方からお越しのかた、あまりお話しできず、残念でした。

開館後しばらくして、館のまん前でタクシーが停車、そこから降車されたのは……白髪の小柄なおばあさま。おひとりでご来館。女ま館は初めて。ネットで調べて知ったそう。『少女クラブ』に連載されていた「リボンの騎士」のカラーコピーを寄贈してくださいました。ありがとうございます。いまも大切に持っているそうです、「リボンの騎士」掲載の少女雑誌『少女クラブ』。その最終回に登場した人魚(単行本では書き直されて消されているらしい)の絵を見せてくれました。携帯電話の画面でも。スマホを使いこなしていらっしゃいました。

「絵がきれいなものが好きでね。手塚治虫、藤子不二雄が好きでした。手塚治虫が『少女の友』に描いた「孔雀石」「赤い雪」も好きでしたよ。あと「つるの泉」「緑猫」とかね。「火の鳥」も。手塚治虫全集は400冊全部いまも持ってます」

手塚治虫先生が売れに売れまくっていた時代のリアルタイム読者のお話だぁと、ooiはわくわくして聞いていました。

「『なかよし』が創刊されたときが小3ぐらい。だけど、続けて買うことはなくて、貸本の『剣』『影』『街』をひとつ上の姉とよく読んでました。さいとうたかを、とかね」

おお、貸本世代。とにかく姉妹でまんがが好きで、親に難色を示されながらも、街中の貸本屋をまわって読んでいたそうです。

「中3で、『少年サンデー』『少年マガジン』が創刊されて、わたしはサンデー、姉がマガジンを買って。『少女フレンド』『マーガレット』も時々買って読んでました。水野英子が好きでしたね。大学生のころは忙しくてあまり読めなかったけれど、萩尾望都も読んでますよ」

すごい、戦後のストーリーマンガの生き証人のような……。『少女クラブ』『少女』『少女の友』『なかよし』など、昭和30年代の蔵書をお出ししたところ、懐かしそうにご覧になっていました。


マンガ刊本アーカイブセンター

白髪のおばあさま、数年前に数千冊のまんが本を処分したものの、まだ、手元に残っている蔵書があるそうで……終活の参考に、ご自身の蔵書の寄贈先候補として、少女まんが館へご来館くださったようでした。

文化庁が取り組むメディア芸術振興の一環として、昨年度末から「マンガ刊本アーカイブセンター(MPAC)」が開設され(少女まんが館も参加してます)、相談窓口があることをお伝えいたしました。


ほか、今日、閲覧された作品は坂田靖子コミックス、『YASHA 夜叉』(吉田秋生)などなど。常連のお客さまとはいろいろお話しいたしました。

本館も片付いたし、庭もだいぶましになったし、お客さまたちもみな笑顔でお帰りになられ、めでたい一日でした。


カンゾウさまだ、カンゾウさまだ!


桜が咲き、むらさきつつじも満開。桃も満開。美しい季節です。ちょこっと女ま館を抜け出して、近所の神社に参拝。

近所の貴志嶋神社入り口の鳥居(弁天山登山口でもある)。桜とむらさきつつじが満開。


なにより! カンゾウさまがにょきにょきとあちこちに生えていて、こんなに群落があるなんて! たぶん、ノカンゾウです。(ooiはカンゾウさまファンなのです、野草食ファンでもある)

カンゾウさまだらけ。
カンゾウさまだ、カンゾウさまだ!


摘んだカンゾウさま(このあたりのカンゾウさまは草刈りされてあまり花をつけられない……)。


今夜のおかずは、カンゾウさまのおひたしです。(ooi)


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