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もう無理! その1

こんにちは、大祝一灯です。
前回は企業規模と処遇の傾向について紹介いたしました。
時期的に退職者が出てくる頃ですので、本日は仕事を辞めたくなった理由を紹介しますね。
もちろん職種や環境によって異なりますが、うんうんと頷けるシーンもあるかと思いますよ。

職域団体(看護協会等)のデータや私自身の経験(看護部を除くコメディカル全職種400人ほどを5年間束ねていました)をもとに挙げてみます。

【業務内容がしんどい】
病院で働く=病んでいる方からお金を頂いて、サービスを提供する
ことだと私は認識しています。
医療現場である以上ミスは許されず、その責任の重さからくるプレッシャーたるや・・・
新人であろうが、経験が少なかろうが責任は等しくのしかかってきます。
患者さんから見れば、白衣を着ていれば一人前と映りますからね。
で、小さなミスでも強く叱責されることも少なくありません。(生命をあずかっているのですから。また𠮟り方のトレーニングって、ほとんどの方が受けていません。なので、感情が先にくる例もあるようです。)
さらに(特に急性期病院では)「落ち込んでいる」間もなく、次から次へと仕事が湧いてきます。

では人手はどうでしょうか?
残念ながら人手が充足している病院を私は知りません。
看護師を例にとると、大病院だろうが、中小病院だろうが、どこも「配置基準(様式9)」を満たすために四苦八苦しています。月の中旬は師長さんが勤務表作りに頭を抱えているでしょう。
急性期の大病院は配置基準7:1を満たすのに必死ですし、中小病院はそもそも職員が慢性的に不足しています。
みんなカツカツなんです。
そんな中で、病棟看護師には「夜勤」ってのがあります。現在は2交代制が増えているので、2~3人で16時間を回している病院が多いのではないでしょうか。そこに急変や看取りがあったら・・・。
肉体的にも精神的にもハードな仕事なんですよね。

早い病院では新人が夜勤に入ってくる時期となります。
順調に育ってくれればよいのですが、ここで辞められてしまうと残りのスタッフの負担がさらに増すことになってしまいます。

じゃあ、「人を増やせばいいじゃん」と考えるのが自然なんですが、残念ながらほとんどの職種で余剰人員はありません。
また以前、「医療は労働集約産業である」と紹介しましたが、医業収益(入院や手術、外来等の病院の売り上げ)に対する人件費比率は多くの病院で40~50%を超えています。一般企業では倒産レベルの割合です。
ですので、人がいても雇う体力は病院にはありません。


先行きの暗い話になってしまいましたね。
長くなってきましたので【人間関係】【思った通りの仕事ができない】は次回にご紹介します。
そして「じゃあ、どうする」と続きます。

今週も朗らかに過ごしましょう。


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