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不審者対応訓練3/9-私VS不審者-

ついでのように佐藤を刺した不審者は次の標的を私に変えて無言で突進してきた。

『やってやる』

私の頭の中で何かのスイッチが入り体温が上がった(気がした)。

まず私は近くにあった椅子を手に取り相手との距離を保ちつつ高橋がしたように相手を落ち着かせようとした…が、

私「オイオイオイオイ」

と、こともあろうか“オイ”だけでコミュニケーションを取ろうとした。意気込みとは裏腹にとんだマヌケを晒す私。でもその時は不審者に何と声をかけたらいいかわからなかったのだ。今ふりかえるとその時の私はパニックだったのだろう。

そうこうしてる間に椅子をかわされ間合いを詰められる私。不審者の初手のナイフが身体に触れる寸前で避け今度は逆に私が間合いをつめ取っ組み合いに。取っ組み合っている間も不審者は私を無言で刺そうとしてくるが避けたり押さえ込んだりしてなんとかしのいだ。心の中では『ヌォォォォ!』と叫んでるが不思議と声にならない。そして私はその間『なんとかしてナイフを奪わないと!』と組み合いながらも必死でナイフを奪うチャンスを伺っていた。皆さんは必死のパッチの42歳仮性包茎男子を見たことあるかい?俺はないねHAHAHAHA。
そしてついにナイフを奪えるチャンスが見えたっ!『今だっ!!』そう思ったと同時に不審者とは違うセキュリティ会社の人が私を後ろから引き剥がした。

セキュリティ会社の人(以下:セ)「はーい刺されたので終わってくださーい」

私は気がついていなかったが同じ部屋にもう一人セキュリティ会社の人がいてその人が止めに入ったのだった。
興奮していた私は思わず「あぁぁん!?」と言いそうになったがそれはさすがに大人げないので

私:「ぐぇーやられ…た。」
と言って倒れた。

高橋:「www」
遠くで高橋が笑うのが聞こえた。

そして何事もなかったかのように不審者役の人と私を止めたもう一人のセキュリティ会社の人は一礼をして部屋からでていったのであった。


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