橋爪志保2013~2020自選15首


いちめんの雪 死んだひとにあいたい いきてるひとにはいきててほしい

僕は愛の犬なんだろう ぴかぴかの十円玉だけ残して払う

パンパカパンは何が開いているんだろう、パカのときに。 朝ちょっとだけ泣く

I am a 大丈夫 ゆえ You are a 大丈夫 too 地上絵あげる

次に話題尽きたら鳥のはばたきの風をさわったことを話すね

髪の毛をふわふわなぞる なぞなぞに燃える水族館と答える

ボーダーを着てボーダーの服買いに行くのはながいきのおまじない

かんたんなてんらんかいにゆきたいなみずうみに触るだけのてんらんかい

悪夢でもただなかに手を広げてる 風に揺れてる僕らはドレス

ヤクルトを一瞬で飲めることが武器わたしのここにすわりこんでよ

街灯がLEDに変わってた きみが死んだとしてもゆるすよ

とても歯が立たないきみのいる場所がいつも風上なのがうれしい

死にやすいふりをしながらきみのおすすめのまんがを読んで暮らすね

最近、写真撮られるときに目をつむるのがすき 元気でいるよ

滝のようにきれいな猫が逝く朝にすべての金縛りは解けるよ




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