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法的に認められない扶養家族

が増えました。
お掃除ロボット、iRobot社のルンバ コンボ j7+です。

調べたことがある人ならご理解いただけると思うが、お掃除ロボットと聞いてたいていの人が思いつく筆頭のルンバ、こいつは――高い。とにかく高い。
エントリーモデルの機種ならまあ手が届く値段だが、それでも大体4万円はする。そしてお掃除ロボットはゴミステーションの有無とAIの性能が全てと言っても過言ではなく(とどのレビューでも言っていた)、快適に運用できるであろう機種を選ぼうとすると10万円を超えてくる。お掃除ロボットはルンバだけでなく他社も出しており、メーカーにもよるがルンバと同等ランクで数万程度安価の機種だって多いのだ。私は家電などのスペック比較をするのが大好きなのであれこれと調べた結果、当初はルンバではなくSwitchbot社のK10を検討していた。
j7+は約17万円、K10は約7万円(それぞれ定価)。いずれもゴミステーションが付属しており、障害物検知能力を有し、広範囲のマッピングに対応できるAIが搭載され、掃除機だけでなく拭き掃除にも対応している。
細かい仕様にそれぞれ違いはあり、かゆいところに手が届くトータル性能はもちろんルンバの方が勝っていたのだが、『かゆいところに手を届かせるために10万多く支払うべきなのか?お前は孫の手に10万を出せるのか?』というところでどうしても踏ん切りがつかなかった。ルンバの方が欲しい機能がより多い、でもK10で充分じゃない?スペック比較が好きだからこそいつもついついちょっとオーバースペックのものを買ってしまうのだから絶対K10で良いって、

……そう悩んでいた折、別途契約していたミールキットのチラシになんとルンバのセール告知も入っていた。
新生活応援セールと銘打ち、最大7万円オフの大特価。しかも目当てのj7+がドンピシャ該当し、定価17万円の7万オフで10万円。しかもミールキット会員限定の特別クーポンが発行されており、更に10%オフで9万円に。更に更に決済方法をPayPayにすると、購入価格の5%がポイント還元され、実質8.5万円。
これには狂った。大層気を狂わせた。何しろ割引の総額ときたら8万と4500円だ。実に半額で売っていることになる、しかも、れっきとした公式ストアがだ。高いから買わなかったのだ、でも、この値段なら検討していたK10の定価と1万5000円しか変わらないわけで、
いや。
いやそれでも1万5000円も多く払わなければならないではないか。だいたいK10ですら定価で買う気はさらさらなく、何ならSwitchbotも新生活応援セールを開催していて4万5000円まで下がっている。それに値下げ幅だけ見ているのも間違っている、いくら10万以上値下げがあったって8万5000円だぞ。8万だ。引越しで金がいくら飛んだと思っているのか。8万と4万、支払う金額で見るべきだ。
そんな感じで見事なまでに脳内の衝動と理性がぶつかり合い、脳みそが焼き切れてしまいそうなほどに狂っていた。まあ結局8万5000円出してルンバを選んだわけだが。

前置きが相変わらず大変長いな。
これが3月末のことだったのだが、今頃になってようやく稼働することができた、というわけだ。

いざ稼働し始めると、基本的には大変便利である。
これまでの記事にも繰り返し述べてきたように、私は家事というものが大嫌いだ。憎んでいると言ってもいい。そして嫌いな上に苦手でもあるのだが、苦手な理由の一つが『不定期かつ定期的な常在タスクだから』である。
要するに、頭の中に常に『そろそろ掃除しなきゃ』を置いておくのがすこぶる苦手なのだ。
そろそろっていつ?今?今やったら次はいつ?どれくらい汚れたら?掃除はどこからどこまで?どうやって?……と、掃除のように明確な5W1Hが得られないタスクは、作業そのものに対して考えるべきことがかなり多い(ちなみにこれをよく精神的コストと呼んでいる)。精神的コストが高いのでついつい先延ばしにしてしまい、そうすると今度はズボラな私の目から見ても明らかに『かなり』汚れた状態に悪化してしまい、作業コストも増大する。この未来を知っているからこそ余計に忌避感が増して更に精神的コストが大きくなる……という負のサイクルを生んでいるのだと思う。
その点、ルンバを稼働させたことで、脳内にあった『いつか掃除しなきゃ』という常在タスクが大部分消え去ったのだ。
お掃除ロボットはその性質上、障害物のない平面の90%を清掃するものである。当然障害物のある隙間や角はホコリが溜まるし、平面とて10%のゴミが残る。
だが、平面の90%は毎回90%であるため、残りの10%を考慮する必要はない。前回の10%のゴミは次回の90%で清掃され、新たな10%が残る。私は10%汚れているくらいはどうだって良いし、常に90%綺麗である状態は充分に大革新であると考える。
つまり常在タスクのうち『清掃』カテゴリのタスクが90%、いやそれ以上消失したに等しい。角や隙間のゴミとホコリのことだけを考えていれば良いのだからこれほど楽なことはない。
……まあ、ルンバに清掃してもらうためにスケジュールの曜日は毎度障害物やコード類を撤去しているのでそれは手間だが、ふんわりとした『掃除する』というタスクよりはよほど明確なので、そこまで苦ではない。いずれは根本的な処置をするつもりではあるが。

あとはあれだ。愛着も芽生えた。
まず、あらかじめ設定したスケジュールの曜日・時間帯になると自動で掃除を開始してくれるのだが、清掃後にきちんと報告してくれるのが可愛い。起動時にまず個体名をつけるので、『○○(名付けた個体名)が清掃を完了しました!』と報告が来る。これがなんともいじらしい。
また先達がしばしば挙げている通り、ちょっと不出来なのも可愛い。清掃完了報告の時に、障害物があればその報告もしてくるのだが、しばしば素っ頓狂なエリアを障害物だと言ってくる。これは特に最初期特有の動作なのだろうが(繰り返し学習させることで、より我が家に適応し賢くなっていくそうだ)この不完全さが、かえって親しみを覚えさせるのだから不思議なものだ。逆にすべて完璧に100%掃除できるようになったらこの愛着は湧かないのだろうか。

ともかく、身を焦がすような狂いと血を流すような出費を強いられたが、精神的に随分と楽をさせてもらっている。結果的に正解だった、というただの自慢──それがこの記事だ。
普通に吸引力も強いしね。おかげさまでチンチラ部屋の安いカーペットから無限に糸くずを吸ってくれている。

ちなみに、最近Switchbot社は洗濯機の排水溝に直結して、拭き掃除に伴う給排水を全自動で行ってくれるお掃除ロボットを発売した。
かなり良さそうなので、お掃除ロボットを検討する方はこちらを考えてみても良いと思う。安いし。
私は私の新たな扶養家族を生涯大事にします。