【旅行】恋山形❤️駅に汽車で旅行する際に気をつける点(2024年時点、山陽方面から鳥取方面に向かう場合編)
はじめましてのヒトは、はじめまして。
いつもの皆様、こんにちわ。
大葉さんです。
前回のお話
智頭急行線の観光名所である恋山形駅が、2024年9月下旬にSNSで盛り上がっています。ニュースなどにもなりました。
これをきっかけに現地を訪問したいという方々が増えそうに思えます。ただ、交通の便が良いとは、お世辞にもいえない場所なので、注意点をつらつらと書き連ねておきます。
え、お前は誰だって???
2024年8月17日に、恋山形を訪問して嬉々としてPOSTしていた乗り鉄です。1ヶ月後にこんなに盛り上がるとは、全く予想していませんでした。
(ちなみに停車時間中にダッシュで撮影しました)
なぜこの記事を書いたのか?
まず大前提として、以下をお読みください。
恋山形駅を観光で訪問するのであれば、鳥取方面から車(鳥取まで一旦特急で移動してからレンタカー)か、バイクを使うのが王道です。
恋山形駅は恋人の聖地なので、複数人で訪れてワイワイ盛り上がるのがオススメです。
恋山形駅の周辺の観光スポットはそれなりに距離があるので、駅から徒歩で歩いて観光等はハードル高いです。1−2箇所が限界です。
恋山形駅はお手洗いがないので、途中下車して次の汽車を待つ場合は「覚悟」が必要です。
某鉄道系位置取りゲーで駅を訪問(あるいは奪取)するのが目的なら、駅ホームに降りる必要はありません。特急に乗ってポチポチすれば十分です。
その上で、どうしても汽車で恋山形駅を訪問したい!という勇者(あるいは乗り鉄)の方を対象に、この記事を書きました。
客観的な意見として、絶対に車やバイクを使って訪問した方が良いです。いいですね、2度書きましたからね!
では『どうしてもどうしても汽車でしか移動したくない』というワタクシのような方のみ、続きをお読みください。
■智頭急行線について
公式サイト
公式X(旧Twitterアカウント)
詳細はWiki等を読んでください。
え、文字列多くてよくわからない?
そうかな?そうかも!
私の体感でお話をすると「瀬戸内海側↔︎日本海側をつなぐ路線のうち、特急が走れる数少ない路線のうちのひとつで、唯一の第三セクター区間」「JR大阪駅以西の鳥取行きの特急は、必ず智頭急行を通る」「智頭急行はJRから特急の路線利用代的なものを貰っている」「故に経営黒字化しているし、駅の利用者が少なくても廃線になる心配はあんまりない」って感じです。
これだけだと、まさにドル箱路線に見えてしまうのですが…
そもそも国鉄時代に予定されていた路線の開発が「採算が取れそうにない」と切って捨てられたローカル路線。それを当時の鳥取県知事が再開発を促し、第三セクター化(私鉄化)することを条件に1994年に開通させたのが「智頭急行」です。ちなみに開業当時から駅名は「恋山形駅」でしたが(※詳細は公式サイト)カラーは普通の駅でした。
その後、JRと連携して鳥取行きの特急を智頭急行経由で走らせた結果、経営が急激に回復したのは前述した通り(それまでは、岡山経由米子乗り換えしか、京都から日本海側を走る特急、あるいは長距離バスでしか、鳥取に辿り着けなかった)ですがこの時点では「始点から終点まで乗るだけの単なるローカル線」でした。
そして、開業から20年。
「単なる通過するだけのローカル線」を脱却すべく、智頭急行は独自の取り組みを始めます(※以降は智頭急行公式ページで)
■智頭急行の乗客数について
上記のような歴史的背景がありますので、そもそも「智頭急行線の利用者は、ほとんど始点(智頭)から終点(上郡)までを全路線乗り切ります」
さらにいえば「智頭急行線の乗車代金は、JRの乗車券に含まれ、一括で支払われるので、顧客からは見えにくくなっています」
①JRのおでかけネットに載っている大阪方面から鳥取につながる特急「スーパーはくと」の路線図。
瀬戸内海側の「上郡」から日本海側の「鳥取」を結ぶ南北路線のうち『2/3の区間が智頭急行』です。
②岡山から鳥取を結ぶ「スーパーいなば」の路線図(点線部分が智頭急行)
JRおでかけネットは(ご存知の通り)JR西のチケット購入サイトなので、ユーザーからは「JRにお支払いした」と見えます。実は「JR→智頭急行」に、会社単位でまとめて利用料を支払っており、故に智頭急行の経営が黒字化しました。しかも特急2路線を押さえるという強者っぷり。
さて「駅利用者」という視点に戻って考えてみましょう。
上郡駅:「スーパーはくと」「スーパーいなば」が停まります。智頭急行普通汽車の終点駅です。鳥取が目的地の利用客は、この駅で乗車するかもしれません。故に乗客数が300人日程度で推移しており、これは他のローカル線の駅維持に必要な人数と大差ありません。
佐用駅:「スーパーはくと」「スーパーいなば」が停まります。ただ、鳥取が目的地のほとんどの利用客は、ここで乗降しません。また、智頭急行とJR(姫新線)のホームが共同利用されており、改札がほとんど機能しておらず、利用運賃の支払いは各汽車の乗車口になっています。故に駅の利用者のカウントが出来ていません。もしカウント可能なら、上郡駅と智頭駅の中間くらいになると思います。
智頭駅:「スーパーはくと」「スーパーいなば」が停まります。普通汽車の終点です。ただ、鳥取が目的地のほとんどの利用客は、ここで乗降しません。故に乗客数が100人未満で推移しています。
その他の駅:「スーパーはくと」「スーパーいなば」が停まりません。単なる通過駅です。智頭急行内の普通汽車のみが停まるのですが、利用者の前提が『地元の利用者』に限られます。そう、国鉄に「採算が取れそうにない」と切り捨てられた、まさにその母数に限られるのです。恋山形駅は、ここに含まれます。
「そもそも利用者が少なすぎるので廃線するんじゃないのか疑惑」や、「どうして某お方は恋山形駅を訪問?したのか」に対するアンサーがここにあります。おそらく某お方は鳥取行きの特急に乗っており、恋山形に一時停車した際(あの駅は上り汽車と下り汽車のすれ違う場所で、対向列車が遅延していた場合は時間調整のために数分停車する)対向ホーム(例のイラストがあるのは上り方面:智頭→上郡のホームのみ)を乗車したまま窓から撮影されたのかなと思います。ちなみに下り方面:上郡→智頭のホームには、例のイラストはありません。ライダーヘルメットかっこいい!
■恋山形駅を目指すなら、まず、新幹線で姫路or相生を目指しましょう
さて、ようやく本題です。
語りが長くなりましたので、目次に回答を書いていくスタイルで行きます。
恋山形駅に15分停車してくれる、ステキなステキな「スーパーはくと」さんも存在しているのですが「日曜のみ運転&1本限り」なので汎用性がありません。なので今回は除外します。
さて、恋山形駅に停車する為には、まずは智頭急行の終点であり、折り返し駅でもある「上郡駅」にJRで向かうのですが、ここに辿り着くのが、結構な難所です。
1時間に1本!
後述する私のおすすめルートを使う場合は、8時35分の岡山行きで上郡に到着して欲しいので、遠征される方は、まずはこれを目標に動いてください。
上郡への行き方は、岡山→相生or姫路行きの山陽本線に乗るパターンと、姫路→上郡or岡山行きの山陽線に乗るパターンがありますが、「姫路→上郡or岡山行きの山陽本線」1択です。岡山始点の場合は迷わず新幹線のこだまに飛び乗って、相生駅までショートカットしてください。
山陽本線で岡山→相生まで移動すると1時間20分程度かかります。新幹線で岡山→相生の区間を移動すると15分です。札束で殴って、1時間という時間を勝ち取りましょう!
次、大阪方面から来られる方は、必ず姫路で降りてください。
姫路→相生間は1時間に1本程度しか新幹線が走っておらず、こだま新幹線待ちしている間に姫路→上郡or岡山行きの山陽本線に追いつかれます。折り返し地点である姫路で席に座ってゆっくり上郡を目指すのがオススメです。
後述する私のおすすめルートを使う場合は、相生駅から8時23分の岡山行きに乗って欲しいので、遠征される方は、まずはこれを目標に動いてください。この時間帯なら、大阪の場合は7時前後、岡山の場合は7時半前後に駅にいれば充分間に合うでしょう。始発を強要しない、余裕のあるスケジュールステキ♪
■智頭急行線、上郡発の普通列車は、すべて恋山形駅まで行くわけではない!
さて、智頭急行線の上郡駅に到着しました。JRのホームから直接乗り換え可能です。が、駅の窓口が9時からしか開いていないので、料金等等については汽車の中で支払います。グッズ目的の方、鉄印帳目当ての方は、帰路でお願いします。
ここの自動販売機で飲み物購入、これ重要。
JR上郡駅の外に出てコンビニ寄って帰ってきて、みたいな事をしていると、乗り換え時間に間に合いません。
本当にありがたい場所に設置してくれています。
はい、ここで罠発動。
恋山形駅は終点である智頭駅の一つ前ですが、上郡駅発の普通汽車の約半数は「大原駅」止まりです。
ちなみに、こちらが大原駅。駅前に観光案内所&自動販売機はありますが、コンビニなんてないよ!
ちなみに大原駅→智頭駅の汽車への乗り継ぎ待ちは、約1時間。
そう、ここで乗り換えを想定する旅行予定の場合は、姫路か相生でコンビニに駆け込んで食料調達しておく必要があります。ドリンクはギリギリ現地調達できますが、、、
有人駅なので、お買い物があるならこの駅で済ませてしまうという手もありますね。私は「恋山形の記念切符」と「智頭急行のピンバッチ」を買いました。
次、この罠の回避方法!
智頭まで直通の、普通汽車を探しましょう!
智頭急行のサイトにある時刻表をチェック!!
06:32上郡発:地元民しか使えない!そして上郡駅には、良さげなホテルが無い!ボツ!!
08:50上郡発:オススメ!!恋山形駅で下車して次の列車待ち可能!
10:27上郡発:オススメ!乗り継ぎミス厳禁!
13:15上郡発:ギリ許容範囲!
14:42上郡発:ギリギリ許容範囲!
以降:恋山形に到着した時点で日没を迎えておりますので絶対NG
はい、こんな感じになります!
ご利用は計画的に!!
■恋山形駅の写真だけ撮れれば良い派の方は、汽車の停車中に一時的に駅ホームに出られます!
恋山形は上り汽車と下り汽車のすれ違う場所で、対向列車待ちが行われます。その為、通常運行で2−3分間、停車するように時刻表が作られています。
鉄道会社様のご厚意で、恋山形停車中に希望する乗客は、一時的に駅ホームに降りることが可能です。撮影のみが目的の場合、この時間を使って目的を達成する事もできます(私の写真も、この手法で撮らせて頂きました)
ただしこれはあくまでご厚意で行なって頂いているので、マナーが悪化するようなことがあれば、いつ中止されてもおかしくありません。前述しましたが、じっくりと撮影等を行いたいのであれば、車やバイクなど別の交通手段で駅を訪れてください。厳守でお願いします。
■忘れていましたが、恋山形駅周辺は豪雪地帯です。冬の間は天候によって汽車の運転が中止されることがあります。
汽車で訪問して観光するのなら、雪が降る前にどうぞ。
また、車やバイクで冬に訪問される方はノーマルタイヤ厳禁です。
■最後に
こちらで説明しましたように、鉄道で恋山形駅を訪問する手法は非常に難易度が高いです。
特急列車で鳥取まで移動して、レンタカーを借り、車で複数名で恋山形観光することを、強く強くお勧めします。また、冬シーズンの訪問はご一考ください。
どうかご安全に、楽しい鳥取旅行の思い出をお持ち帰りくださいませ。
以上、乗り鉄の独り言でした。
では!
次のお話