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空の理想郷感想

映画ドラえもん のび太と空の理想郷を観てきました。
以下、映画の終盤までのネタバレを含む、個人の感想です。

【追記】あんまり口に合わなかったなあという感想です。辛口注意です。【追記終わり】

全体的に

おもしろかった。楽しめた。少し泣いた。
でも、ゆっくり思い返してみると、え? え? となってしまう。後味の悪い映画だった。

今回は公開日の朝に観ることができたので、良くも悪くも、まだあまり感想が出回っていない。
人の感想を読んで溜飲を下げることができないし、せっかくなら自分なりに感想をまとめてみようかと、noteに登録してみた。

1:ユートピアと思ったら・・・

あらすじをざっくりまとめると、「のび太がユートピアに行きたがったので、一生懸命探したら運良くユートピアらしき場所を見つけることができた。暮らしてみたら、実はたいへんな管理社会で、個人の心を無くそうと企てる悪者が作った場所だった。」という感じかと思う。

このテーマ、「映画ドラえもん」でやるの? 子どもたちが、楽しく見るの?? と思ってびっくりしちゃった。
しかも、永瀬廉くんやNiziUのファンがたくさん来ていて、ふだんと全然客層が違うのに。
「パラダピア」でツイート検索すると、「パラダピアに行きたい!」ってツイートがたくさんでてきて、なかなかグロテスクである。
パーフェクトになりたくて、望んでパラダピアに来たんでしょう? ここで言いなりになってパーフェクトになるのが幸せってもんですよ……というようなディストピアを感じる。

で、心を無くそうとする「パラダピアライト」「ネオパラダピアライト」の効力をどう克服したかというと、「みんなのすごい意思のパワー!友情!思いやり!」みたいな勢いでしかなく、SF的なドラえもん的な、例えば「あ〜あのとき飛んでいったタイムふろしきが役に立ったのね」「あ〜ハチはイチだったのね」というような説得力がなかった。
なんで、旧パラダピアライトがのび太には効きにくかったのかも分からず、のび太の何を利用してネオパラダピアライトが完成したのかも分からなかった。
途中まで、ハードなSF展開かもしれないと期待したので、がっかりした。

そしてなにより、映画の一つの答えとして、「一人ひとり、自分の考えを持って行動しよう」ということがあると思うけれども、そのことがパラダピアライトを克服しバッジが割れるということに繋がっていないように感じられて残念だった。
ハンナのセリフには「みんな自分で考えて動いてよ!」ってあったけれども。もともとパラダピアにいた人たちは、どうやって元に戻ったのかな。

もっとすっきり、ちゃんと自分で考えなアカンよね〜〜こういう社会こわいよね〜〜って思えたらよかったけれど、そういう読後感ではなく、「結局どうして勝てたの?」という疑問が残った。
「空を自由に飛びたいな」が実現したような、ルンルンした話を期待して観に行ったので、落差で疲れた。

2:ロボットに心はあるのか

「ソーニャにも心はあるよ」ということを、ソーニャにドラえもんが繰り返し伝えるのが、感動的な内容となっている。はずである。
そして、一人ひとりに心(気持ちや意思)があることこそが人間らしさで、大事にすべきものだということが、パラダピアを打ち砕いた考え方だと思った。

しかし、「ソーニャにも心はある」、そして心があるからこそ三賢人に背いた、という感動的なシーンの後で、ソーニャは自爆する!

もちろん、のび太たちは必死で止める。ドラえもんは丁寧に説得する。
ソーニャも悲しい。だから、強制的にのび太たちを引き離す。
でも、ソーニャは自ら、爆発するパラダピアとともに飛んでいく。

・・・え? いいの??
ロボットだから、爆散しても、いいの??
ソーニャも心があって、友達なんじゃなかったの???

もやもやしたまま観ていると、のび太たちも当然、もやもやしている。
そこへ、ロボットのパーツらしきものが落ちてくる。
なんと! それはソーニャのメインメモリだった!!
わーい! メインメモリーがあればソーニャを復活させられるぞ!!
って、ほんまかいなーー!!!!

脳があれば、人間を生き返らせることができるんかいなー!!
ロボットやって、心はメインメモリーだけに宿るわけちゃうやろ!?
知らんけど!!

なんかせめて、ソーニャのパーツを全部集めて、タイムふろしき使いましたとか、そういう感じならまだ良かったかもしれない。
ドラえもんが爆散してもメインメモリが残ればいいのかな。

ていうか最初からゴミ袋に荷札でもつけて宇宙に配達すればよかったんじゃないかな。
ソーニャが自爆する必要性も意味も分からなかった。

3:「らしさ」は世界を救ったのか

今回の映画のキャッチコピーは、『僕らの「らしさ」が世界を救う。』である。
前半の冗長な退屈なシーンはきっと、ジャイアン、スネ夫、しずかの「らしさ」を説明するために必要だったんだと思う。
ジャイアンは乱暴で。スネ夫は意地悪で。しずかちゃんは強情っぱりで。

……え? それ、関係あった?
ジャイアンは勇敢で。スネ夫は仲間思いで。しずかちゃんは優しくて。
みんなの「らしさ」が、問題の解決に役に立ったシーンが、なかった。

釈然としない〜〜!

みんな大好き劇場版で大奮闘するジャイアンとか、ビビリだけどメカニック整備しっかりやってくれるスネ夫とか、心配だからほっとけないわって飛び出しちゃうしずかちゃんとか、そういうシーンがあったら、説得力があったんじゃないかなあと思う。
うーん。。。つまり、宇宙小戦争を観ます。

その他

ドラえもんは業務委託契約なのだろうか。
彼の収入源は子守業だと思うけれど、子守で必要となる道具は、セワシやセワシの両親が購入するのではなく、ドラえもん自身がローンを組んで購入しているようである。
すっかり壊れてしまったツェッペリンもローンは残るんだろう…。
タイムパトロールはその点は助けてくれないだろうな……(´・ω・`)かわいそう。

ソーニャ、マリンバ、ハンナ、3人それぞれ良いキャラクターだったから、もっと活躍がみたかったな。

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