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杉並区 天徳泉

2020.09.07

在宅勤務で3時間、2時間の会議を終え、もうこのへんにしておいてやりましょう、助さん、と脱走。総武線の阿佐ヶ谷駅で降り忘れ、いかにボーッと生きているかを思い知らされた。しっかり足元を見て一歩ずつ進んでいこうと心に決めた。

純情商店街を抜けずに、近道でゴーウ。外観は、なんだかヤバいもの作ってる工場のようだが、安心してほしい。例によって回数券とサ代200円を支払い、バスタオルをお借りする。脱衣所はやはり工場の更衣室みたいなのかな、知らんけど。

ふと浴場を眺めると、銭湯絵は季節を無視して桜と藤が混じっているような景色絵ではないかと。淡い色味は銭湯では珍しく感じ、きれいだなあとボーッとする。

お風呂は、座湯、バイブラ湯、白湯が45度の温もり。座湯のマッサージがかなり心地よく、通常営業でボーッと熱いところを我慢して入っていると、男湯から口笛で「いい湯だな」が。しかも、かなり上手い。アンサーソングはどうしよう…と考えていたら逆上せた。口笛のピュー氏と称し讃えたい。

サ室は48度くらいだろうか、おてんば系スチームだ。歌謡曲がやや大きめに掛かっていたが、おてんばが発動するや否や、夏祭りの喧騒が広がる。ふとスチームを見ると、笑い袋のサイズ感の巾着が掛かっている。なんだこれ?と嗅いでみるが、私は犬ではない。受験時の調査書やお守りの中身を見るような罪悪感は皆無で、見てみると、ラベンダーの白くなったようなものだった。ちなみに、サ室と脱衣所間には小窓があるが、くんくんしているところは誰にも見られていないはず。匂いはともかく、すごい汗。途中、小豆島をなんとか〜と聞こえるが、知っているような知らないような、しかし彼の地には2回行っている。私は島のなにを知っているのだろうかとやや本気でボーッとする。

こちらは水や湯が硬水らしいので、常連さんと思しきおばさんに、本官自ら事情聴取をすることにした。檜ではなさそうだが気の枠に並々入ったお水。ちっちゃいことを気にする人は、床面は見ないほうがいい。ワカチコな人は凝視してみたらいい。

水風呂の番人と呼ぶことにしよう、とある常連さんらしき女性のことを。水風呂に入るたびに、カランの近くの水栓を開けて放出してくれる。こちらは硬水だそうなので、その効能を聞くと「よくわからないけれど、あまり長く入りすぎないほうがいい」とのこと。理由を聞くと「身体が冷えるからね」と。なぜかそこから白髪染の話になり、ヘナで染めてもいい黒湯の銭湯が大田区だかどこかにあるそうで半年に一度通うらしい。ついでに私のツーブロックにも気づいてくれて「先週刈ったんです!0.8mmに!ぜひやってみてください涼しいから」というと返答はなかった。

お風呂上がりに、脱衣所で番人とおしゃべり。お遍路二周目で、この後二軒目にもいこうと思うというと「もっとゆっくりしなさい、リラックスできないでしょう?」と至極まとも。だよね、しかしそれは三周目までお取り置きだ。

ふと、おばさんの不自然なパンツに気づく。「ちょ!なに履いてるんですか!」と尋ねると「男性用のラクダよ」と。始めて見たけれど、ラクダのショートパンツ、いわゆる短ラクダだ。愛用する理由は楽だからとのことで「6kg肥えたのよ」と。「でしょうね」と答えつつ「快適そうだけどしばらくはやめときます」と辞退。ご丁寧に高円寺の商店街で550円で買えると教えてくれた。か、買うのか、私。

この後は小杉湯に行こうと思うというと、「あそこの水風呂は汚いよ、髪が浮いていて。意地悪もされるよ」ともごもご。確かめてみよう。

それにしても、サウナはいいなあ。

サウナ:5分 × 3
水風呂:2分 × 3
休憩:3分 × 3
合計:3セット

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