見出し画像

読書記録 「アーモンド」

2024.3.4.

実は昨年から、Tandemの語学パートナーと、この本を韓国語・英語・日本語で読み進めている。
そりゃもう、毎日毎日。
家人もあきれるほどに、年末年始も、土日も祝日も関係なく、だいたい3~5文ずつを本当に毎日、少しづつではあるけれど読み続けている。

パートナーから突然「これを読みましょう!」と声がかかり、韓国語をちゃんとやろう!語学学校に通おう!と思い始めた矢先だったので、そんな声掛けもとても有難く受けたのだった。

とはいえ、こちとら、ハングル読みすら怪しい分際。
〇に見えるイウン、そして、▢にみえるミウン、そしてニウン、それぞれのパッチムがつく読み方も注意されながら、音読をするという日々が今日時点で250日を過ぎたあたり。
内容も、韓国の今を映し出す物語なだけあって、それなりにフィクションではあるのだろうけれど、日本語で読むにしてもやや難解な医療用語や家族の役割など、韓国語を学ぶというより、韓国語で学ぶ、という私のレベルをぐっと超越した課題に取り組むことになってしまった。

ただ、そういった難解な言葉を日本語で説明すること、日本語の正しい発音で読んで録音して送ること、こういうことをちゃんとやったことが無かったのだけれど、日本語を伝えること、日本と韓国の文化を比較して伝えること、そういったことが面白い、と気づかせてくれたのは、パートナーのおかげ。

それにしても、全体はどんな物語なのかな‥と気になって、韓国文化院、私が通っている語学学校の入っている建物にある、図書コーナーで翻訳版を借りて読んでみたくなり、前段が長くなったけれど、その感想です。

公式サイトにある、あらすじ:

「ばあちゃん、どうしてみんな僕のこと変だって言うの?」
「人っていうのは、自分と違う人間が許せないもんなんだよ」

扁桃体(アーモンド)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。
そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、ただ黙ってその光景を見つめているだけだった。
母は、感情がわからない息子に「喜」「怒」「哀」「楽」「愛」「悪」「欲」を丸暗記させることで、なんとか"普通の子"に見えるようにと訓練してきた。
だが、母は事件によって植物状態になり、ユンジェはひとりぼっちになってしまう。
そんなとき現れたのが、もう一人の"怪物"、ゴニだった。激しい感情を持つその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく──。

怪物と呼ばれた少年が愛によって変わるまで。

扁桃体(アーモンド)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない病気、というのをはじめて知った。
私自身は、喜怒哀楽、どれも感じるし、特にアンフェアなことにはムキになるほど。
子ども時代から、父親はいないにせよ、母、そして祖母から愛情たっぷりに育てられ、それを感じることなく育った主人公の少年。
彼が、小学生から中学生、高校生に成長する過程で出会う、日々の生活、事件、学校での出会い、心の動き。感じない、というのがどういうことなのか、そして、感じるというのがそもそも何の気持ちなのか、さらにいえば、どちらがいい悪いではなく、私だったらどうするだろう、そんなことを考えさせられる作品だった。

ネタばれにならないようにしましたので、ぜひ韓国に興味ある方以外にも読んでみてもらいたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?